コラム
share:

ランボルギーニ・ランザドールから電動化時代のスーパーカーデザインを読み解く


TEXT:烏山 大輔 PHOTO:ランボルギーニ
TAG:

車内にサーフボードも積めるデザイン

ランザドールの写真や動画を見ていると興味深いデザインをいくつか発見した。

まずドアミラーがないことだ。これまでも「レクサスES」や「アウディe-tron」(Q8 e-tron)、ヒョンデの「アイオニック5」や「アイオニック6」、「ホンダe」のようにドラミラーがなくデジタルミラーが標準、もしくはオプションで選択できるモデルはあったが、元々のドアミラーがあった位置にステーが伸びてカメラがあるというデザインが主流だった。

 

しかしランザドールには、そのようなものは見当たらない。おそらくフロントタイヤ後方の小さなフェンダー上端にあるカーボンパーツの突起の中にカメラが仕込まれている。そのカメラの映像は、Aピラー内側の横長のモニターに表示されるようだ。

室内では、エンジンもトランスミッションもプロペラシャフトも無いBEVならではの「平らなバッテリーの上の自由な空間」というメリットを最大限に活かしたところも見どころだ。

「ENGINE START STOP」ボタンやシフトコントロールスイッチのあるセンターコンソールの下は完全な空洞になっている。USB-C端子が2つ備わる物入れスペースと、運転姿勢を支えるニーパッドが設けられた。機能性の充実だけでなく、外観上もあまりに「すっからかん」だからではないか。

後席乗員にも十分な空間を確保しているように見える。しかも背もたれは前倒しが可能なので、もともと広いラゲッジスペースを拡大することもできる。さらに、余裕ある空間を活かし、4人乗車のままでサーフボードも車内に積める。万が一、収納できない荷物がある場合は、専用のバッグが3つ備わるフランク(ボンネット下の収納スペース)も使用可能だ。

フランク

ランボルギーニ独自の空力システム「ALA(Aerodinamica Lamborghini Attiva)」の新アイテムも見つけることができた。それはリヤガラスの脇に「ついたて」のようにせり出すエアブレードだ。リリースによるとドライブモードに応じて作動し、ダウンフォースの増加に寄与するようだ。

車業界の100年に一度の転換期は、スーパーカーメーカーの筆頭であるランボルギーニにも変革をもたらし始めた。2028年に登場する猛牛ブランド初の電気自動車がどのような形やスペック、名前で登場するのか、楽しみにしながら待ちたい。

TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
ブレーキダストを封じ込めて環境対策! メルセデス・ベンツが開発したEVならではの技術「インドライブ・ブレーキ」ってどんなもの?
ヒョンデの魅力を日本に伝える新たな拠点! 「ヒョンデ みなとみらい 本社ショールーム」がグランドオープン
中国から地球上最強コスパの新星EV現る! IMモーターL6の驚くべきスペックとは
more
ニュース
新型リーフを筆頭に世界中に新型EVを投入して戦力底上げ! 日産が今後の経営戦略を発表
BEV用の新開発プラットフォーム「PPE」初採用! アウディQ6 e-tron/SQ6 e-tronがついに日本デビュー
交換式バッテリーの実用化は商用・フリートから! 米Ample社と三菱ふそうが提携し都内で実証実験開始
more
コラム
結局「全固体電池」ってなに? どんなメリットがある? 「夢の電池」と言うには時期尚早な次世代バッテリーの中身
「セダンであり、5ドアクーペであり、SUV的でもある」という謎の表現! でも確かにカッコイイ「ボルボES90」をデザインのプロはどう見る?
そういや「スマートグリッド」ってドコいった? EVを蓄電池として利用する流れのいま
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】CR-Vに中身を乗っけただけのプロトなのにもう凄い! ホンダの次世代BEV「0シリーズ」に期待しかない
【試乗】二度見必至の存在感は普通のコナとはまるで別モノ! イメージを大きく変えたヒョンデ・コナ「N Line」に乗って感じたマルとバツ
ボルボEX30で11時間超えの1000km走行チャレンジ! 課題は90kWまでしか受け入れない充電性能
more
イベント
災害時にも活躍できるEVの可能性を淡路島で体験! 「AWAJI EV MEET 2025 from OUTDOOR FEELS」開催決定
売り物ではなく概念を展示するモデリスタ! 正体不明なトヨタbZ4Xはブランドの「新化」という概念を示すスタディモデルだった【大阪オートメッセ2025】
子どもに大人気の電動バギーに大迫力のエアロキットや色が変わるフィルムまで登場! 大阪オートメッセのEV関連出展物はどれもユニークすぎた
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択