持続可能なレーシング・シーンを
第3世代のマシンには、従来のミシュランに代わり、韓国のハンコックがタイヤを提供している。「iON Race」と名づけられたタイヤは、28パーセントが再生素材から作られているそうだ。
フォーミュラEは”ネットゼロ・カーボン”(二酸化炭素の排出量が正味ゼロ)をめざすと、主催団体の世界自動車連盟FIAではしている。そのひとつが上記のタイヤの取り組み。
いまの第3世代のマシンは、発電された電気の90パーセント以上をエネルギーとして使えるという効率のよさが喧伝される。
FIAによると、高効率のICE(内燃機関)ですら40パーセントが限界なのだそうだ。
マシンで使う炭素樹脂は、もとは航空産業や宇宙産業で使ったもの。それを特別に加工したリサイクル素材で、強度もしっかり出るという。
このように、地球環境維持を目指しながら、同時に娯楽を提供するという要素が、フォーミュラEの人気を支えているともいえる。
2023-24年のレ−スは、23年10月のスペイン・バレンシアから始まる。年が空けて1月13日にメキシコシティ、同月26日と27日にサウジアラビア・ディルイーヤ(リヤド近郊)で第2戦、第3戦といったぐあい。
東京では、3月16日のサンパウロのあと、30日に開催される。場所は有明を使うという説もあるが、主催者からの発表を待とう。
なにはともあれ、電気自動車のひとつの可能性を教えてくれるフォーミュラE選手権。確実におもしろいレースだと思う。
第15戦のあとミッチ・エバンスの1位を喜ぶジャガーTCSレーシングの面々。
<了>
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