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※特別な許可を得て取材・撮影しています
超急速充電器普及のカギとなるか
Hyperchargerには、蓄電池容量179kWhの「Compact」と、358kWhの「Standard」の2タイプがあり、今回試したのは後者。充電ポートが2個あり、2ポート同時充電でも120kWの連続充電が可能。1ポートだけなら150kWで10分間充電できるブーストモードが機能します。一番の特徴は大容量の蓄電池を備えているおかげで、50kWの商用低圧契約での運用が可能なこと。「キュービクル」と呼ばれる高圧受電設備も不要で、他の90kW超の急速充電器よりも設置や運用のコストを抑えることができるため、超急速充電器の普及を後押しすることになりそうです。また、太陽光発電など、再生可能エネルギーを蓄えて、電気自動車の充電に利用することもできるのも見逃せません。
一方、蓄電池型というと、連続して充電するときに十分な出力が得られないのではないかという不安があります。しかし、Hypercharger(Standard)の場合、最大出力で30分充電充電したときに必要な電力量を65kWh(150kW×10分=25kWh、120kW×20分=40kWh)として、5回充電してもまだ余裕がある計算です。また、蓄電池の容量が少なくなっても、50kWでの充電は可能ということです。
パワーエックスでは、Hyperchargerを備えた超急速EV充電ステーション「パワーエックス チャージステーション」を2023年夏より、今年都内を中心に10カ所オープン。これを皮切りに2030年までに全国各地に7,000カ所のステーションを展開する予定です。これとは別に、アウディe-tron店にHyperchargerを導入する計画も発表されています。これにより、アウディオーナーに加えて、「プレミアムチャージングアライアンス(PCA)」に加盟のポルシェとフォルクスワーゲンのEVオーナーも利用できるようになるだけに、ID.4オーナーの私としても目が離せません。本格運用後、Hyperchargerで充電するのがいまから楽しみです!