Contents
テスラのEVが多い理由は、「テスラ・スーパーチャージャー」の存在が大きいか
もちろんそれだけではなく、補助金やインフラ整備によるところも大きい。インフラについては、市内に約20ヵ所のEV用充電設備があり、そのほとんどが7kWタイプで、急速充電器は2ヵ所となっている。
しかし驚くのはテスラの急速充電インフラ「スーパーチャージャー」が市内の一等地に2ヵ所存在(いずれも地下駐車場)することだ。最高出力は72kWで、合計30基の充電器が用意される。このインフラがあれば、集合住宅のユーザーも充電がしやすいのではないだろうか。「テスラ車が多い印象」と前編のレポートにて述べたが、その要因は「スーパーチャージャー」の存在が大きいと思われる。
7kWタイプの充電プラグの形状は、日本でも使われている「SAE J1772規格」のものだった。郊外の路上の充電器で「ポルシェ・タイカン」を見かけたほか、「トヨタ・プリウス・プライム(日本名:プリウスPHV)」が利用していた。「プリウス・プライム」は日本よりも多く見かけた。
ちなみにバンクーバーのFCEV事情だが、バンクーバーは燃料電池(FC)メーカー「バラード」の本拠地である。そのためか、市内には水素ステーションが5ヵ所ほどある。FCEVも「トヨタ・ミライ(初代)」を見かけた。FCEVが普及する可能性も大いにある。
日本の都市と似ているバンクーバー、日本もEV普及のポテンシャルを持っている
筆者の今回の旅行はプライベートなので、市内観光のほか、渓谷の吊り橋渡り、美術館巡りなど1週間ほど漫喫をしたわけだが、思いのほか街にはEVが走っていたので今回のレポートとさせていただいた。
バンクーバーは港町だけに、豊富なシーフードを活かした寿司をはじめ、日本食レストラン・カナディアンビーフ・そしてワインといった食も楽しめる街でもあった。もし読者でバンクーバーに行く方がおられたら、街の雰囲気をもちろん最優先に楽しんで欲しい。加えて街行くEVや充電設備等も見ると、新たな発見があって面白いのではないだろうか。
カナダ・バンクーバー市内は集合住宅が多く、日本の都市と大きく離れた環境ではないように思える。ということは、日本でもバンクーバーのようにEVを普及させるポテンシャルはあるはずだ。
もちろん、そこに至るまでは行政・民間業者・市民の理解と協力が不可欠なのだが、日本もEVの普及に向けてさまざまな方面が動き出している。一気にとは言わないが、少しでもEVへの理解と普及が日に日に進むことを願っている。