#その他モビリティ
カナダ・バンクーバー市内の風景(photo=福田 雅敏)
TEXT:福田 雅敏
カナダ・バンクーバーにEVが多い理由は公共交通の影響⁉︎……市の歴史が支えてきた電動モビリティ

バンクーバーはカナダの横浜・相模原・小田原⁉︎ 今年5月の大型連休を利用して訪れたカナダ・バンクーバー。市内では思いのほか多くのEVが走っており、さらに日本未導入の高性能EV「ルーシッド」のショールームを拝見したことは前編にて触れた。今回は後編として、バンクーバーはどんな街なのか、なぜEVが普及しているのかなど、考察を書いてみたい。 バンクーバー市というと、名前は知っていてもどの程度の規模を持つ都市なのか知らない人も多いだろう。バンクーバーは面積115km2で人口65万人を有する都市である。 ちなみに日本の都市で面積が近いのは神奈川県小田原市で、人口が近いのは相模原市になる。 街の雰囲気だが、豪華客船が寄港する港町であり、空港が近いほかコンベンション・センター/マリンスタジアム/中華街/多数の公園があり、横浜市に近いといった感じか。ちなみに街を走るバスはニューフライヤー社製のトロリーバスで、排ガス臭さがなく治安が良い。 外部給電式のEV「トロリーバス」は、1948年から市民のアシ バンクーバー市内にEVが多いことを考察してみると、トロリーバスの影響は少なからずあるかもしれない。トロリーバスは路面電車のバス版のようなもので、道路の上方に張り巡らせた架線から電源をとる外部電源式のEVと言える。 バンクーバー市内のトロリーバスは、1948年から運行されている歴史のある交通機関で立派なEVである。そのため、バンクーバー市民はEVに対するアレルギーが少ないのかもしれない。

TAG: #THE視点 #その他モビリティ #充電インフラ
「ドローン展2023」より(photo=福田 雅敏)
TEXT:福田 雅敏
マニアックなホビーが人を救う……小さな技術開発の上で飛んだ「ドローン」と「空飛ぶクルマ」

自治体も注目するドローン 去る6月25日〜27日、幕張メッセ<千葉市美浜区>にて、国内最大のドローン展示会「Japan Drone 2023」と「次世代エアモビリティEXPO 2023」が開催された。前回のレポートにて、ドローンに期待される役割が多岐にわたっていることが理解いただけたと思う。 ドローンの活躍の場は水中にも及ぶ。さらに運用は民間以外の公的機関も注目している。今回は後編として、水中ドローンや自治体の取り組みなどを紹介する。 海洋プラスチックゴミを収集 炎重工は、水中のゴミを集めるドローン「掃除屋ジンベイ」を展示していた。川や海で使用でき、問題となっている「海洋マイクロプラスチック」を収集するのにも有用なドローンと言えよう。水難救助ドローンなども展示していた。

TAG: #THE視点 #その他モビリティ #ドローン
「ドローン展2023」より(photo=福田 雅敏)
TEXT:福田 雅敏
飛ぶだけではない“一芸”を……社会インフラ化するドローンが目白押しの展示会

EVの媒体でなぜドローンか 本媒体は“EV”の専門媒体であるが、「EV=Electric Vehicle」の本来の意味に倣い、自動車を中心に電動化された様々な乗り物を取り上げている。 昨今、新たなモビリティとして注目を浴びているのが、「ドローン」と「空飛ぶクルマ」であろう。空飛ぶクルマは特に、2025年に開催される「大阪・関西万博」にて実用化が期待されており、自動車メーカーも投資を加速している。空飛ぶクルマという言葉に「空飛ぶデロリアン」を連想した人も多いのではないだろうか。心が沸いたあの映画の世界が目前に迫っているのだ。 去る6月25日〜27日、幕張メッセ<千葉市美浜区>にて、国内最大のドローン展示会「Japan Drone 2023」と「次世代エアモビリティEXPO 2023」が開催された。ドローンは単なる「R/C」と思ったら大間違いである。空飛ぶクルマのベースはドローン技術にあると言えるし、何より配送業務や災害支援等に期待されている。ドローンと空飛ぶクルマを支えるのは電動技術だ。バッテリーや燃料電池を使用し、モーターを駆動するという機構はEVと同様。EVとは切っても切り離せない存在と言える。 今回は、この2つの展示会で見た最新のドローンと空飛ぶクルマを紹介する。現在のドローンは空を飛ぶのみならず、水中さえも泳ぐ。さらに用途は、筆者がする以上に多岐に渡っていた。 高所作業をサポート 西武建設では、“一芸”を加えたドローンを開発している。ホバリングしながら、高所のコンクリートに穴をあける機体で、「接触作業を目的としたソフトロボットハンド搭載ドローン」。 ドローンに人の手のロボットが付いたもので、建築研究所と東京理科大学と共同開発しているという。 足場を組むのが困難な高所作業に対応したドローンを開発する計画もあるという。危険な箇所の作業をサポートするのはドローンならではの特徴だが、ペイロード(搭載物重量)と滞空時間の課題があるという。

TAG: #THE視点 #その他モビリティ #ドローン
「大阪・関西万博」にて岩谷産業が運行するFC船(photo=岩谷産業)
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
水素燃料電池は船舶をも動かす……岩谷産業が「大阪・関西万博」で日本初のFC船を運行へ[2023.07.25]

中之島ゲートから大阪・関西万博の会場となる夢洲をつなぐ航路に日本初就航 におい・騒音・振動などがない快適な旅客船が誕生へ 【THE 視点】岩谷産業は7月20日、2025年に開催される「大阪・関西万博」にて、水素燃料電池船(FC船)を運行すると発表した。中之島ゲートから大阪・関西万博の会場となる夢洲をつなぐ航路にて、国内初となるFC船による旅客運航を行う。運航は京阪グループの大阪水上バスに委託する方向で進めているという。 今回のFC船は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業として採択されている。 船の概要は、全長30m×全幅8m。定員は150名で船速 は10ノット(およそ20km/h)。運行時にCO2や環境負荷物質を排出しない高い環境性能を有するだけでなく、におい・騒音・振動のない快適性も備えている。 デザインは、カーデザイナーの山本 卓身氏が手掛けた。「水素の先進性を訴求すべく、未来を感じられる斬新なデザイン」を意識したようだ。本船は海上の「動くパビリオン」と位置付け、「大阪・関西万博」会場までの移動を特別な体験に変えることで水素エネルギーの魅力を世界に発信することを目指すという。ちなみに山本氏は、プジョー・シトロエンの市販車やコンセプトカーなどのデザインを担当している。 岩谷産業は、1941年に水素の取り扱いを開始して以来、製造から輸送・貯蔵・供給・保安まで一貫した全国ネットワークを築いている。FCEVに乗る筆者としては非常に身近な企業で、先の週末も2回ほど岩谷産業の水素ステーションを利用した。 岩谷は、水素事業におよそ1,800億円を投資すると発表している。今回のFC船は無関係ではないだろう。 昨今は、港湾や船舶の脱炭素化も求められるようになっている。商用FCEVと同様に、FC船は水素充填時間がバッテリー式よりも少なくて済むと思われる。その分、港に長時間停泊する必要や停泊場所の限定がないため、港湾内の交通整理も楽になるだろう。旅客だけではなく、タンカーなどへの応用も期待したい。 今回の発表は岩谷の水素事業への意気込みを強く感じ取れた。筆者もFC船に乗ってみたいと思う。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★KGモーターズ、超小型EV「ミニマムモビリティ」をMaaSに活用……1人乗りの自動運転EV事業を検討 ※MaaS:地域住民や旅行者一人一人のトリップ単位での移動ニーズに対応して、複数の公共交通やそれ以外の移動サービスを最適に組み合わせて検索・予約・決済等を一括で行うサービス(政府広報より) ★★ステランティス、サムスンと合弁でアメリカに2ヵ所目のバッテリー工場を建設へ……2027年初頭に生産開始を計画、34GWh/年の初期生産能力 ★★スカイドライブ、ベトナムの無人航空機事業のCTグループと「空飛ぶクルマ」導入に関する覚書を締結……最大100機の大規模プレオーダー ★新電元工業、最高出力150kWのEV用急速充電器「SDQC2F150シリーズ」が充電器の国際通信規格「OCPP」に対応……事業者が独自に料金や決済方法を設定可能になる規格、「eモビリティ・パワー」が対応済み ★スカイドライブ、大阪における空飛ぶクルマの航路実現性を調査……「大阪・関西万博」での実装を見据え、離着陸ポートや航路を検証 ★つちうらMaaS、JR常磐線神立駅<茨城県土浦市>にてグリーンスローモビリティの実証実験を開始……神立駅西口地区循環として導入(乗車無料)、2023年7月18日〜2024年2月29日まで ★テラモーターズ、道の駅「伊勢本街道御杖」<奈良県御杖村>にEV用充電器を導入……50kWタイプの急速充電器を導入予定 ★自然電力、エネルギー管理システム「シゼン・コネクト」が東京ガスのEV導入支援サービスに採用……再エネ発電や蓄電池・EVなどのエネルギーリソースを集合的に制御可能なシステム デイリーEVヘッドライン[2023.07.25]

TAG: #THE視点 #その他モビリティ #燃料電池(FC)

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