EVヘッドライン
share:

EVと人を“同時充電”……日産が「悟空のきもち」とコラボ、EVオーナー専用スパを高速SAに開設[2023.07.24]


TEXT:福田 雅敏、ABT werke
TAG:
ヘッドマッサージのイメージ(photo=ゴールデンフィオールド)

EVの充電20分間でドライバーも回復させる専用マッサージコースを開発
充電を“待つ”時間から“活用”するサービスの契機となる予感

【THE 視点】頭のもみほぐしサービス「悟空のきもち」を運営するゴールデンフィールドは7月20日、東名高速足柄サービスエリアにおいて、EVオーナー向けのマッサージサロンを期間限定でオープンすると発表した。本取り組みは、日産自動車発のEVオーナー優遇サービス「グリーン・パス」にの一環として実現した。

EVを充電する間、ドライバーも同時に回復させるEVオーナー専用スパ「FULL-CHARGE SALON(フルチャージ・サロン)」を、東名足柄サービスエリア上り<静岡県御殿場市>にて2023年7月21日(金)より、新名神宝塚北SA上下集約<兵庫県宝塚市>にて8月24日(木)より期間限定でオープンする。利用対象者はEV充電の全利用者となる。

サロンの運営は「悟空のきもち」が担当する。日産・新潟大学と共同でEVの運転疲労と回復について試行錯誤・実証実験を経て、運転疲労に特化した「ドライバー専用リラクゼーション」を作り上げた。EVの充電時間を20分と設定し、マッサージもそれに合わせたコースとなるようだ。

ほぼ全ての人を10分で眠らせるという「悟空のきもち」の得意分野を活かし、施術後の眠気を残さない専用技法を開発したという。新潟大学との実証実験では、短い施術時間でも疲労の緩和と減少が見られたとのこと。

ちなみにサロンの施設には、環境に配慮するため廃棄物由来の素材を混合した再生素材「SOLID」を使用しているという。再生素材の活用は、EVにおいても世界的に導入の流れがある。

施設には、同乗者も利用可能な休憩ラウンジも用意。レストランガイドブック「ゴ・エ・ミヨ 2022」でベストパティシエ賞を受賞した加藤 峰子氏監修のもと、廃棄果物やオーガニック素材を有効活用した“身体をチャージする”スペシャルドリンクも提供するという。

EVの急速充電時間は平均的に30分。その間、EVもドライバーも同時に“充電”するという発想は素晴らしい着眼点だ。しかも「悟空のきもち」は国内の5店舗全てが向こう3ヵ月待ちの予約という状況で、キャンセル待ちが71万人もいるという超人気サービスである。今回の施策もかなりの人気が出るのではないだろうか。

人気サービスを利用できるという面白さもあるが、マッサージを受けることにより事故を未然に防ぐことにもつながるだろう。今後徐々に増えてくるだろう大型のEV用充電施設にも設置して良いと思う。

こういったサービスが増えれば、EVの充電時間がただ“待つ”時間から“活用”する時間へと変化する。新たなビジネスが生まれる予感がする。
(福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー)

★★ステランティス、充電制御機器とインバーターを統合した新型バッテリー「IBIS」のプロトタイプを発表……車体スペースをさらに効率化、10年以内に実用化へ

★★トヨタ、月面探査機「ルナクルーザー」に再生型の燃料電池を採用……2029年の打ち上げに向けて2024年中から開発

★★自動車用のノイズキャンセリング技術が日本で体感可能に……イスラエルのSilentiumが名古屋オフィス<JPタワー21階/中村区>に体感シートを用意、EV化で目立つようになったロードノイズを除去

★BMW、中国上海にR&Dセンターを開設……次世代のEV「ノイエ・クラッセ」開発の重要拠点に

★ZMP、自動運転EVバス「RoboCar Mini EV Bus」の最新型の受注を開始……独自の自動運転OS「アイザック」を搭載、OSのOEM供給も開始[詳細はこちら<click>

★岩谷産業、「大阪・関西万博」にて世界初のFC船を運行へ……中之島ゲートから万博会場の夢洲のルートに就航、カーデザイナーの山本 卓身氏がデザインを担当

★ニデック(旧日本電産)、2024年4月〜6月期の売上高が601億5,200万円……四半期ベースで過去最高、「イー・アクスル」事業も黒字化

★東京都、江東区新砂地区の水素ステーションの運営業者を公募……FCEVバス・トラックに対応した大型のステーション、7月20日〜8月18日まで

★三菱重工、「船舶向けゼロエミチャージャー普及推進協議会」を設立……EV船舶用充電インフラの規格化を目指す

★空飛ぶクルマのASKA、米国連邦航空局(FAA)に型式証明申請……陸上走行も可能な「A5」を申請、レンジエクステンダー方式のEV

★テスラ、橋本スーパーチャージャー<神奈川県相模原市>にて特別試乗会を実施……7月29日(土)開催、「モデル 3」「モデル Y」を用意

★岩谷産業、「液化水素貯槽の大型化に関する研究開発」がNEDOの助成対象に……トーヨーカネツとの共同研究事業、2030年ごろに本格稼働する水素発電事業に液化水素の貯蔵が有用

デイリーEVヘッドライン[2023.07.24]

TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
ブレーキダストを封じ込めて環境対策! メルセデス・ベンツが開発したEVならではの技術「インドライブ・ブレーキ」ってどんなもの?
ヒョンデの魅力を日本に伝える新たな拠点! 「ヒョンデ みなとみらい 本社ショールーム」がグランドオープン
中国から地球上最強コスパの新星EV現る! IMモーターL6の驚くべきスペックとは
more
ニュース
日産が不況にあえいでいるのがまるで嘘のようなほど絶好調! 2024年に日本一売れたEVは3年連続で日産サクラだった
1度乗ればわかるJCWの圧倒的パフォーマンス! お台場にて「JCW RACING NIGHT presented by MINI」を5月9日に開催
全国41番目の正規ディーラーがオープン! 三重県内では四日市に続き2店舗目となる「BYD AUTO 松阪」
more
コラム
EV買い替えたらアレ? ケーブル届かないじゃん! フロントだったりリヤだったり右に左にとEVの充電口が各車バラバラなのはなぜ?
「サイバートラック乗りたいぞ」じゃあ並行輸入……とはいかない! エンジン車と違ってEVの並行輸入に存在する高いハードルとは
コスパで比較するとEVはヒョンデが圧倒! スズキやホンダの新EV登場でますます激化する日本の電気自動車市場
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】CR-Vに中身を乗っけただけのプロトなのにもう凄い! ホンダの次世代BEV「0シリーズ」に期待しかない
【試乗】二度見必至の存在感は普通のコナとはまるで別モノ! イメージを大きく変えたヒョンデ・コナ「N Line」に乗って感じたマルとバツ
ボルボEX30で11時間超えの1000km走行チャレンジ! 課題は90kWまでしか受け入れない充電性能
more
イベント
災害に備えて未来を楽しむ! 「AWAJI EV MEET 2025」の参加はまだまだ受付中
災害時にも活躍できるEVの可能性を淡路島で体験! 「AWAJI EV MEET 2025 from OUTDOOR FEELS」開催決定
売り物ではなく概念を展示するモデリスタ! 正体不明なトヨタbZ4Xはブランドの「新化」という概念を示すスタディモデルだった【大阪オートメッセ2025】
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択