インタビュー
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フォルクスワーゲンのアイコン、ゴルフの存続やいかに。VW首脳陣に訊く電動化のミライ


TEXT:小川フミオ
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VWゴルフ GTIの歴代モデルスケッチ

電動化への道を急ピッチで切り拓くフォルクスワーゲンだが、やはりクルマ好きとして気になるのは、彼らを象徴するプロダクトであるゴルフの行方だ。ベーシックカーの王様であるゴルフもまた、BEV化を果たすのか、否か。フォルクスワーゲン乗用車部門セールス・マーケティング&アフターセールス担当取締役、イメルダ・ラベー氏に自動車ジャーナリスト・小川フミオが切り込んだ。

VWゴルフ Rのフロントビュー

ゴルフは電動化するのか?

BEV時代を迎えつつあるいま、フォルクスワーゲン(VW)はどのような製品戦略をとっていくのだろう。

Love Brandであるために、というVWの目的を達成する手段として、「手の届きやすいBEVを提供する」こととともに「顧客が欲しくなるVWモデルを増やす」というものもある。

とりわけ昔からのVWファンだったら、もっとも気になるのは、ゴルフの行方ではないだろうか。はたして電動化するのか。するとしたら、いつなのか−−。

VWのセールス&マーケティング担当重役のイメルダ・ラベー氏に、その質問をぶつけてみた。

──ID.シリーズにラインナップが集約されていくのかどうかわかりませんが、仮にそうなると、早晩ゴルフはなくなってしまうのでしょうか。

ゴルフは残ります。VWはゴルフ。ゴルフはVW。そのイメージは大事にしていきたいと思っています。ただ、(初代ゴルフが1974年に発売されたあと)他のアイコニックなプロダクトが、折りにふれて顧客に受け容れられてきています。直近でいうと、SUVが大人気の日本市場におけるティグアンです。指名買いをしてくれるモデルに成長しています。

VW ID.BUZZのロングホイールベースバージョン。フロントビュー

──2023年6月初頭に北米で発表したID.Buzzロングホイールベースのように、かつて北米で高い人気をもっていたマイクロバスのイメージを現代に活かしたモデルを作れるのも、フォルクスワーゲンの強みですね。

私たちの製品戦略は、過去のアイコン的なプロダクトを、BEVのポートフォリオ(ラインナップ)のなかにうまく組み込んでいくことです。まさにID.Buzzはいい例で、アイコニックな製品を完全にBEV化できて、かつ大きな評判を呼んでいます。

 

VWゴルフ GTIのファンミーティングイメージ

GTIやRの生産は当面継続へ

──ということは、ゴルフのBEV化も比較的容易であると?

いえいえ。ブランドのヘリテイジをきちんと反映しつつ、これからの製品戦略に沿ったプロダクト。これが私たちがプロダクトを開発する際の基準です。かりにゴルフを電動化するとしたら、ゴルフのアイデンティティを完全に反映したプロダクトでなくてはなりません。なにをもってゴルフをゴルフと認めるか。出来上がったプロダクトを、消費者がゴルフと完璧に納得してくれなくてはならないのです。そのコンセプトが完全に出来上がるまで、電動化したゴルフは発表しません。

──日本市場ではBEVの市場占有率が、たとえば北欧と較べると著しく低いと思います。かりにBEV化したゴルフを出されても、ファンは戸惑うのではないでしょうか。いまの話を聞いて、ホッとしているファンもいるかもしれません(笑)

日本に限らず、BEVのシェアが低い市場はいくつもあります。私たちとしても、ある日とつぜんICE(エンジン車)の販売を取りやめるようなことはしません。ICEパーフェクションといって、当面はゴルフGTIやRなどを含めて、エモーショナルな価値をもつモデルは生産を続けますし、性能向上だって図っていきます。ゴルフも同様です。ICEとして、より磨きをかけたモデルを2024年後半に発表します。電動化はその次の時代に向けて、ということになるでしょうね」

<完>

(プロフィール)
Imelda Labbé(イメルダ・ラベー)氏
フォルクスワーゲン乗用車部門
セールス・マーケティング&アフターセールス担当取締役

1967年に、フランス国境ちかくの南西ドイツ(Steinfeld/Pfalz)で生まれ、ユニバーシティ・オブ・マンハイムで経営学を学ぶ。その後米スタンフォード・ユニバーシティで経営学の修士号を取得。1986年から2013年にかけて、独オペルで経験を積んだのち、2013年にVW傘下のシュコダに転職し、同社取締役会のスポークスパースンに。2016年からVWグループでグローバルのアフターセールスなどを担当。2022年7月1日より現職。

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