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シンプルで好ましい操作性
ならばシフトのセレクターはどこにあるのかというと、ステアリングコラムの右側、ウインカーレバーの下にレイアウトされている。先端を上にひねればDレンジ、下側にひねるとRレンジ、最先端のボタンを押すとPレンジ、である。最初は軽く戸惑ったが、すぐに慣れるし、慣れればとても使いやすい。
同じように使いやすさを感じたのは、物理スイッチの方が操作しやすい機能は物理スイッチとして残されていることだ。ダッシュボードには横長のパネルの中にデジタルメーター用とインフォテイメントシステム用のどちらも12.3インチのモニターが並んでいるのだが、近頃のトレンドのようになっているタッチパネルですべてを操作させようとしているのではなく、操作できることをわかりやすく振り分けている。すべてを把握できているわけではないが、基本、停止しているときに操作するものはタッチパネルで、走行中でも操作するものは整然とレイアウトされた物理スイッチで、という具合に考えられてiいるように思えた。
それなりの数の物理スイッチあるのにゴチャついた感じがまったくしないのは、デザインの巧みさというべきだろう。インテリアは全体的にシンプルな印象で、過ごしやすい空間だ。ちょっとしたリビングルーム感覚、といってもいいかもしれない。よっぽどゴージャスな空間をお望みなら別の選択をするべきかもしれないが、といってこちらも質感が悪いわけじゃない。ファブリックパッドやヘッドライニング、フロアカーペットなどにはサトウキビから抽出された糸を使用した繊維を、シートとやドアトリムなどにはリサイクルペットボトルで作られた糸を、ステアリングやドアなどには菜の花とトウモロコシから抽出した成分からなるバイオ塗料を、本革シートには亜麻の種から抽出した植物性オイルを活用した皮革を使うなど、地球に優しい素材を使っているのだが、見た目からはこれみよがしな主張は伝わってこない。穏やかで優しいインテリア。好感度が高いな、と感じる。
ラゲッジルームも5人乗車時のVDA法で527L、リアシートを倒せば1016Lと、ホイールベースの長さを考えたら優秀と言える数値。フロンドフードの下にも後輪駆動モデルで57L、四輪駆動モデルで24Lのスペースが用意されている。
まだ走り出してもいないうちに、日常生活の相棒にするといいかも、という気持ちになってきた。
Hyundai IONIQ5 Lounge AWD スペック