ボルボのグローバルでの2023年4月と1月〜4月までの販売台数から、電動化を進める同社の実績を観察する。 リチャージモデル(BEVとPHEV)のシェアが拡大 ボルボは2023年4月の世界販売台数が51,976台と前年同月比10%増だったことを発表した。この販売台数は、88%増(4,709台→8,830台)と大幅に伸びたBEV(バッテリー電気自動車)が牽引した。 地域別では、欧州は販売台数が5%増加し20,804台となった。リチャージモデルのシェアは63%に達し、BEVのシェアは26%だった。 一方、中国では販売台数が46%増加し、12,543台となった。リチャージモデルの販売台数は86%増加(677台→1,260台)し、シェアは10%。まだまだ伸び代が大きいように感じる。 米国では販売台数が4%減少し、9,611台となったが、リチャージモデルのシェアは31%に達した。BEVが71%増加(793台→1,356台)したことが大きい。 ボルボのBEVまたはプラグイン・ハイブリッド(PHEV)パワートレインを搭載した電動化モデルである「リチャージ」は、世界で販売されたボルボ車全体の40%を占めた。BEVのシェアは17%であった。 また、2023年1月から4月にかけてのボルボの販売台数は214,914台で、こちらも前年同期比10%増となった。 SUVが売れ筋 同じく23年4月を車種別で見ると、販売台数のトップは16,658台(全販売台数に占める割合は32%)の販売数を記録したXC60、前年同月比で11%増加した。次いで13,740台(同26%)を販売したXC40、8,179台(16%)を販売したXC90が続く。XC40とXC90は前年同月とほぼ同じ水準である。この3車種合計で74%と大多数を占めることとなる。 販売台数のトップ3は全てSUVとなった。さらにボルボは新たなフラッグシップとしてBEVのEX90を投入する。そして小型BEVのSUVとなるEX30の発表は来る6月に迫る。これらのSUVによって、ますますボルボの勢いが加速しそうだ。 2040年までにクライメートニュートラル(温室効果ガス実質ゼロ)企業になることを目指すボルボは、2025 年にグローバルでBEV販売の割合を50%まで伸ばし(日本国内におけるEV販売の割合は45%)、2030年までにグローバルで販売するすべての新車をBEVにするという目標を掲げている。