Xpengの「XNGP」を搭載する最安EV Xpengが大人気車種のMONA M03に対して、ハイエンドADASが搭載された最上級Maxグレードを追加設定しました。発売から1時間で1.2万台以上の注文を獲得することによって、競合となる日産N7の販売にも影響が出る可能性など、競争が激化する中国大衆EVの最前線を解説します。 まずXpengについて、2024年8月末に発売をスタートした大衆セダンのMONA M03が爆発的ヒットを達成。さらに、11月から納車をスタートしている、フラグシップセダンのP7+も月間1万台級の販売台数に到達。これはとくに競合として圧倒的な存在であるシャオミSU7とテスラ・モデル3に次ぐ販売台数であり健闘しているといえます。 この2車種の大ヒットによって、6カ月連続で月間3万台の大台を突破しており好調です。ちなみにXpengは2025年Q1決算においても過去最高の決算内容を実現。Q1販売台数は9.4万台を達成して、前年比+331%という爆増を実現しながら、2023年中盤でマイナスに転じていた粗利益率も15.56%と過去最高水準に到達。さらに営業利益率も-6.59%と、Xpeng史上過去最低水準の赤字幅に抑えることに成功し、2025年Q4における黒字化目標に向けて順調な様子が見て取れます。 そして、Xpengが新たに発売をスタートしたのがMONA M03のMaxグレードです。じつはM03のMaxグレードは、当初2025年2月中に納車をスタートさせる予定だったものの、想定をはるかに上まわる通常グレードの需要によって発売が延期されたのです。実際に通常グレードの販売集中のおかげで、M03は現在月間1.5万台級の販売規模を実現しています。 このグラフは、主要BEVセダンの月間販売台数の変遷を示したものです。トップはシャオミSU7であるものの、4月はM03がNo.2にランクインしています。また、BYDの新型大衆セダンQin L EVも4月は7600台以上を発売。さらに日産N7も大規模納車がスタートし始めており、よってM03としてはMaxグレードを追加することで、競合を迎え撃つ体制を構築しようとしているのです。 今回のMaxグレードにおいてもっとも特筆するべきは、Xpengの最新自動運転システム「XNGP」が標準搭載されているという点です。Xpengの強みはEnd to Endのビジョン方式のハイエンドADASであり、このXNGPを目当てにXpengのEVが人気となっているほどです。 これまでの通常グレードはレベル2 ADASであるXpilotしか搭載されていなかったため、ついにXNGPをM03でも使用可能となり、XpengのハイエンドADASを採用する最安EVとして期待が集まっているのです。 MONA M03は全長4780mm、全幅1896 mm、ホイールベースが2815 mmというミッドサイズセダンセグメントに該当します。車両サイズではテスラ・モデル3と似通ったサイズ感であり、このM0″3″の3もモデル”3″をリスペクトしての命名です。 そしてMaxグレードの発売にあたり、発売開始9カ月という段階でマイナーチェンジを実施しました。とくに新色の内外装カラーを追加設定しながら、ホイールデザインも変更。3.3kWのV2L機能を標準設定したり、シート機能をマッサージにまで対応させるという豪華シートにアップグレード。 これまでのM03の痒いところに手が届くようなマイナーチェンジが発売開始たったの9カ月で行われるという、中国勢の爆速開発体制の様子が見て取れるでしょう。