#マグニトー
ジープ ラングラー マグニトー 3.0 コンセプトのサイドビュー
TEXT:小川フミオ
ジープのピュアEVコンセプトに試乗!まさかのMTを採用する「らしい」理由とは?

ジープファンがこぞって集まる恒例イベント、「イースター・ジープ・サファリ」が2023年4月に米国ユタ州で実施された。そこで自動車ジャーナリスト・小川フミオ氏が試乗したのが、ラングラー・ルビコンベースのピュアEVコンセプト「ラングラー マグニトー 3.0」。電気のチカラでオフロードを走破する新感覚のドライブとは、一体どのようなものなのだろうか。 オフロードの“野獣” ジープ乗りの大祭典ともいえる「イースター・ジープ・サファリ(EJS)」が、2023年4月1日から9日にかけて開催。そこで一般にお披露目された「ジープ・ラングラー・マグニトー3.0」が注目を集めていた。 2023年で57回を数えるEJS。舞台は、米国ユタ州モアブのキャニオンランズ国立公園。 レッドロックと呼ばれる鉱物を大量に含んだ岩で知られ、木がほとんど生えていない岩場が、急斜面を構成。トレッカーやバイク乗り、そしてもちろん4WDファンに人気の場所だ。 毎回、EJSのタイミングでコンセプトモデルをどっと並べるのが好例になったジープ。驚くのは、見せるだけでなく、ジャーナリストに試乗の機会を提供してくれることだ。 既報のマグニトー3.0も例外でない。「オフロードビースト」なんてジープが紹介するBEVのコンセプトモデルで、私はキャニオンランズの岩場をがんがん走れたのだ。すごいトルクに汗かいた。 最大トルクは1,220Nm! マグニトーのおさらいを簡単にしておこう。 「1.0」の登場は2020年。ピュア電動のドライブトレインを持ち、「環境適合性とオフロード性能を追求した」と、ジープブランドのヘッドを務めるジム・モリスン氏が説明してくれた。 ベースは、ラングラー・ルビコン。3010mmのホイールベースも変えていないというが、マグニトーはコンパクトに見える。「キャビンのデザインと大径タイヤのせいでしょう」とデザイナー。 パワーのあがった「2.0」は2021年に登場。635hpの最高出力と1,152Nm(!)の最大トルクを持ち、ロッククライミング性能の高さを誇っていた。 そして、2023年には「3.0」が登場した。最高出力は285hpで、最大トルクは370Nm。ダッシュボード上のスイッチによって、650hpと1,220Nmへと切り替えが可能だ。 スタイリングイメージは、2.0から引き継いでいるものの、グリルをはじめ、ボディはより薄くなったイメージ。Bピラーのデザインも変更されて躍動感が増した印象だ。

TAG: #MT #マグニトー #ラングラー
ジープ ラングラー マグニトー 3.0 コンセプトのフロントビュー
TEXT:小川フミオ
ジープはEV時代をどう生き抜く?電気のチカラは4×4に変革をもたらすか

ジープは2023年4月に、ファンに向けた恒例の大イベント「イースター・ジープ・サファリ」を米国ユタ州モアブで開催した。ラングラーのピュアEV化コンセプトである「マグニトー」の最新進化形をはじめ、プラグインハイブリッド機構を搭載したコンセプトカー陣を出展。EV時代を見据えた「オフロードの雄」の可能性を大々的にアピールしてみせた。同イベントで、自動車ジャーナリスト・小川フミオ氏がジープの電動化戦略について開発者へインタビューした。 ラングラーの将来はピュアEVに? BEVだ水素だeフューエルだと、代替燃料の未来がやや混沌としている。しかし、いまは正解が見えないからと、従来の内燃機関にこだわっていては、競争で何周も遅れてしまう。 ジープも、例外でなく、電動車に熱心に取り組んでいる。 電動化戦略第1弾として市販された4×e(フォーバイイー)なる同社のプラグインハイブリッドシステムは、日本でも「レネゲード」「ラングラー」「グランドチェロキー」で紹介ずみ。 2023年4月の「イースター・ジープ・サファリ」では、「ラングラー・ルビコン4×e 20周年記念モデル」を運転する機会をジャーナリストに提供。オフロード性能の高さをアピールした。 同時に、ピュアEVの「ジープ ラングラー マグニトー 3.0 コンセプト」も、このとき登場。ラングラー・ルビコン4×eの試乗会場になったキャニオンランズ国立公園で話題を集めた。 電気で「4×4の限界をさらに超える」 マグニトー3.0は、ジープによれば「ラングラーの将来に向けてのコンセプト」。2021年の「マグニトー1.0」、2022年の「マグニトー2.0」の、いってみれば進化形だ。 1.0から3.0へと段階的に変わっていくなかで、出力がどんどん上がっている。3.0のトルクはなんと1,000Nmを超過。「4×4の限界をさらに超える」ことが開発テーマと、ジープではしている。 「イースター・ジープ・サファリに集まるジープの熱狂的なファンにお披露目して、彼らがどう思うか、もらったフィードバックを製品に活かしたい」 ジープの副社長であり、北米の事業をひきいるジム・モリスン氏は、キャニオンランズで、私たちにマグニトー3.0のドライブの機会を提供するにあたって、こう述べた。 「ここは、試験場みたいなものです。今年(2023年)のサファリへの出品車(マグニトーを含めたプロトタイプ)の核は、電動化と高い動力性能にあります。それを体験していただきたい」 4×eは米国で一番売れているPHEV ジープが用意した資料にも、下記のように書かれている。 「大地を走破し、岩場を駆け上がる性能という、四輪駆動のポテンシャルにおいては、ジープに比肩しうるクルマはないと証明するのがコンセプトモデルです」 オフロード性能の強化や、車高のリフトアップ、ファットなタイヤの採用による、いわばマッスル化は、いまもジープのファンが期待するもの、とジープでは理解。 いっぽう、自動車界にはフル電動化の波が押し寄せてきている。ジープがこれを無視していられないのも事実。 ジープは、たとえば、ピュアEV化したラングラーを、2024年に北米市場に投入するとホームページに記している。 「私たちの4×eは、米国においても最も売れているPHEVです。これ(4×e)はジープが向かう方向へのステッピングストーンです」 モアブで出会った、ピート・マイロ氏はそう教えてくれた。このひとは、ラングラーと、ピックアップ版であるグラディエーターの開発責任者(ヘッド・オブ・ビークルデベロップメント)。

TAG: #マグニトー
TEXT:TET 編集部
650馬力・6速MTのEVオフローダー。ジープ「ラングラー マグニトー3.0コンセプト」を初公開

ステランティス傘下のジープブランドは、新たなEVオフロードカーのコンセプトモデル「ジープ ラングラー マグニトー3.0」を発表した。最高出力650hp、最大トルク1,220Nmを6速MTで操るというモンスターEVはどんな特徴を持っているのか。その内容に迫ってみたい。 巨大タイヤを駆動する高出力電動ユニット まず、マグニトー3.0のネーミングにピンと来た向きは、かなりのジープ通。今回のコンセプトは2021年の「マグニトー」、2022年の「マグニトー2.0」に続くマグニトーシリーズ第3弾だ。スパルタンなラングラーの2ドアモデルをベースに両サイドのドアを取り払い、過激なリフトアップを施した外観は最新型でも踏襲され、マグニトー3.0のリフト高は3インチ(約7.5cm)。その高められた車高に合わせ、20インチ・オフロードホイールと40インチ・マッドテレーンタイヤを装着し、迫力の佇まいを生み出している。 ロールバーがむき出しとなるリアエンドの処理やEVらしいブルーを基調としたボディカラーについても、シリーズのアイデンティティとしてマグニトー3.0へとキャリーオーバーされている。一方、2.0でブラックアウトされ迫力が増したフロントグリルは、3.0ではさらに小型化されボディ構造むき出しの部分が増えたことで、より強そうな雰囲気を見せる。 このほか外観では、ドア開口部が乗降に配慮した形状に変更されたほか、Bピラーも6cm後方に移動された。サイドビューがチョップトルーフの雰囲気をさらに強めたのも特徴で、これはフロントフェンダー後端を約5cm延長し、フロントガラスを12度傾斜させたことが強く効いているようだ。 マグニトー3.0の発表の場は、米国ミシガン州オーバーン・ヒルズで毎年開催されるファンイベント「イースター・ジープ・サファリ」。57回目となる本年は4月1~9日の日程で開催される。 >>>次ページ MTの電気自動車の先駆け

TAG: #マグニトー #ラングラー

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