#ヒョンデ
TEXT:烏山 大輔
ぶっちゃけどう違うの!? ミドルクラスEV・3車種をとっかえひっかえ乗ってみた![TET消費者派チェック]

「電気自動車は、電気でモーターを回して走るだけだから、回転の上下によりパワーの出方が変わるエンジン車とは違って、どれも同じようなクルマなんでしょ」 数年前まではそんな声もよく聞いたし、実際にわれわれ自身にも、そうなんじゃないかと思っていた部分もあった。 そして今回、電気自動車の3台を直接乗り比べる企画をスタートさせた。その結果、「こんなにも違うものか!」と驚きさえ覚えた。パワーの出し方も違えば、そもそも根本的な「クルマ作り」の考え方さも三“車”三様だった。 TET消費者派チェック概要 THE EV TIMES(TET)では、これまでに掲載してきた「試乗記」とは別の切り口の試乗記を始める。企画タイトルは「TET消費者派チェック」だ。 消費者派チェックでは価格や大きさなどから競合すると思われる数台を集め、同日にクルマを乗り換えながら比較、試乗することで、ドライバビリティ、電費、パッケージングの違い(室内空間と荷室)の差をあぶり出すことを目的としている。BEV(電気自動車)やPHEV(プラグインハイブリッド車)、FCEV(燃料電池車)を購入しようと比較・検討している読者の皆さんの参考になる記事を目指す。 室内空間については、身長172cmのドライバーがポジションをとり、同じ人間が後席に座り前後のヘッドクリアランスと後席膝前スペースを測っている。昭和生まれの人間らしく座高が高めなので、ヘッドクリアランスは厳し目になっている。 電費計測は条件を揃えるため3台で同じコースを同時に走行している。計測方法は東名高速道路の綾瀬スマートインターチェンジを出発し、東名川崎インターチェンジでUターン、綾瀬SICに戻るという往復(約43km)を1セットとし、往路と復路の平均値で比較する。速度は80km/hと100km/hで1セットづつ計測した。 各車ともに本線に合流し、目標速度に達したらACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)をセットし、巡航する。こうすることで一定速度を維持でき、読者の皆さんにも同じ方法で走行することで再現性の高い電費計測としたいのが狙いだ。 3車種の紹介 第1回目の消費者派チェックにあたり、日本のBEVの代表として選んだのは「日産・リーフ」だ。初代モデルは2010年と、今から13年も前にグローバルで世界初の量産車BEVとしてデビューした、BEVのパイオニアだ。その後、2017年に2代目に生まれ変わった。現在のラインナップにはバッテリー容量が40kWhと60kWhの2種類がある。今回の試乗車は60kWhのe+Gグレードを用意した。車両本体価格は583.44万円だ。 2台目は2022-2023インポートカーオブザイヤーにも輝いた「ヒョンデ・アイオニック5」である。2009年に日本市場から撤退したヒュンダイが2022年にヒョンデとブランド名を改め再上陸した。 新生ヒョンデにエンジン搭載車はなく、BEVのアイオニック5とFCEV(燃料電費車)の「ネッソ」の2車種のみ。アイオニック5には5つのグレードが用意されているが、今回の試乗車はAWDで72.6kWhのバッテリーを積むトップグレードのLounge AWDだ。車両本体価格は599万円とリーフとほぼ同じになった。 3台目はアメリカ代表のBEVメーカーテスラから「モデル3」を用意しようとしたが、取材日程に合う広報車の都合で「モデルY」になった。モデルYはモデルXに次ぐテスラの2車種目のSUVだ。現在のモデルYは3グレード構成で、試乗車はAWDのパフォーマンスである。バッテリー容量は非公表、車両本体価格は727.9万円だ。 モデルYのみSUVということで、3台が揃うと全高の違いが大きいかと想像していたが、リーフは1,565mm、アイオニック5が1,645mm、モデルYが1,624mmということで写真でもお分かりの通り、際立った差はなかった。特にハッチバックスタイルに惑わされて単体だと小さく見えるアイオニック5だが、実は全長4,635mm、全幅1,890mmとかなりの大柄だ。 価格ではリーフとアイオニック5が、大きさではアイオニック5とモデルYが、ライバルとして比較されることは十分にあり得そうなので、結果としてこの3台になって良かったのかもしれない。 リーフの回はこちら。 アイオニック5の回はこちら。 モデルYの回はこちら。 日産 リーフ 全長:4,480mm 全幅:1,790mm 全高:1,565mm ホイールベース:2,700mm 車両重量:1,680kg 乗車定員:5名 交流電力量消費率:161Wh/km(WLTCモード) 一充電走行距離:450km(WLTCモード) 最高出力:160kW(218ps)/4,600-5,800rpm 最大トルク:340Nm(34.7kgm)/500-4,000rpm バッテリー総電力量:60kWh モーター数:前1基 駆動方式:FWD(前輪駆動) フロントサスペンション:ストラット リアサスペンション:トーションビーム フロントブレーキ:ベンチレーテッドディスク リアブレーキ:ベンチレーテッドディスク タイヤサイズ:前後215/50R17 最小回転半径:5.4m 荷室容量:435L(フロント無し) 車両本体価格:583万4,400円   ヒョンデ アイオニック5 全長:4,635mm 全幅:1,890mm 全高:1,645mm ホイールベース:3,000mm 車両重量:2,100kg 前後重量配分:前1,060kg、後1,040kg 乗車定員:5名 […]

TAG: #アイオニック5 #テスラ #ヒョンデ #モデルY #リーフ #日産
TEXT:烏山 大輔
ヒョンデ、新型電気自動車「コナ」の予約受付を開始、予定価格は税込400万円から

ヒョンデは9月27日、11月に発売を予定しているバッテリー電気自動車(BEV)の「コナ」の予約受付を開始した。 4グレード展開で予定価格は400万円から 発表された日本でのグレードと予定価格帯(税込)は以下の通りだ。 Casual:400万円~420万円 Voyage:450万円~470万円 Lounge:480万円~499万円 Lounge two-tone:480万円~499万円 1-2ヶ月後の発売予定にもかかわらず「予定価格帯」としているのは、円相場の動きを警戒したものだろう。今後の「確定」価格発表を待ちたい。 仮にCasualグレードが400万円だった場合、コナは給電機能(V2H/V2L)を有し、国からは65万円の補助金が見込めるため、実質335万円で購入可能になるだろう。 東京都民の場合は、都からさらに45万円の補助金が期待できるので290万円になる。自宅に太陽光発電設備がある場合はさらに30万円がプラスされ、合計140万円も安くなり、260万円で購入できる可能性がある。 ボディカラーは落ち着いた色のモノトーンが6色、ツートーンのみビビッドな黄色や赤が選択できる。 駆動方式はフロントにモーターを搭載したFWD(前輪駆動)のみだ。 バッテリーは2種類 Casualは48.6kWh、その他のグレードには64.8kWhの容量を持つバッテリーが搭載される。 一充電走行距離の発表はなかったが、同じくヒョンデのBEVであるアイオニック5の数値(※)を参考にすると、おそらく48.6kWhは415-440kmほど、64.8kWhは550-580kmほどと推測できる。 Casualとその他グレードの価格差は50万円だ。プラス100kmの「航続距離」という安心を50万円で入手できる。 ※:アイオニック5もバッテリー容量が2種類あり、一充電走行距離をバッテリー容量で割ると、いずれも電費は約8.5km/kWhになる。コナはアイオニック5よりも200kgほど軽いので、多少の上振れを考慮して推計した。

TAG: #KONA #コナ #ヒョンデ
TEXT:烏山 大輔
発売前のEV「ヒョンデ・コナ」を代官山T-SITEで展示開始 「ボルボEX30」「BYDドルフィン」などライバルも強敵!

ヒョンデは9月1日から28日まで、代官山T-SITEで年内に発売する「コナ」を展示する。同車は日本で発売する2台目のBEV(バッテリー電気自動車)だ。同時期に発売されるライバルとも比較してみる。 ナンバープレートの「0927」 今年の6月に行われた会見では「コナを秋頃に導入予定」とヒョンデ関係者から聞いた。 そして今回の発表と同時に公開された写真に注目すると、ナンバープレートは「0927」だ。 この数字は発売日を示しているのか、それとも9月27日に、発売に関する次なる情報発信を予定しているのだろうか。 いつの間にか四面楚歌 ヒョンデは今年3月の時点で、コナを日本に導入すると発表していた。そしてこの半年の間にボルボから「EX30」という強力なライバルが出現した。 ボルボは、EX30だけで年内に2,000台を受注するという目標を掲げており、同車のワールドプレミアからわずか2ヶ月で日本での発表にこぎつけた。ヒョンデもうかうかしていられない。 この2台の代表的なスペックは下記の通りだ。 コナ(ロングレンジ) 全長:4,355mm、全幅:1,825mm、全高:1,575mm、一充電走行距離:490km(EU仕様基準)、最高出力:160kW(218ps)、最大トルク:255Nm、バッテリー総電力量:65.4kWh EX30 Ultra Single Motor Extended Range 全長:4,235mm、全幅:1,835mm、全高:1,550mm、一充電走行距離:480km(欧州参考値)、最高出力:200kW(272ps)、最大トルク:343Nm、バッテリー総電力量:69kWh、車両本体価格:559万円 全長は120mmコナの方が長いが、全幅と全高、航続距離、バッテリー容量の差はわずかで、EX30の方がパワフルだ。 コナの価格は、兄貴分のアイオニック5が479万円からであることを考えると、400万円台前半からのスタートは間違いないだろう。ロングレンジのベースグレードでも500万円に達しなければ、EX30に対して価格面では明確なアドバンテージになる。※コナにはバッテリー総電力量が48.4kWhのスタンダードもある。 そしてアジアのライバルであるBYDも9月20日に「ドルフィン」の発売を予定している。スペックは下記の通り。 ドルフィン(ロングレンジ) 全長:4,290mm、全幅:1,770mm、全高:1,550mm、一充電走行距離:476km(WLTC)、最高出力:150kW(204ps)、最大トルク:310Nm、バッテリー総電力量:58.56kWh 現時点で価格は発表されていないが、300万円台に入ってきて、補助金によって支払いを200万円台まで減らせれば、こちらもとても強力なライバルだ。 コナの弱点は、多くの立体駐車場(高さ制限1,550mm)に入庫できない1,575mmの全高だ。あと25mmなのでとても惜しい。この点はヒョンデ関係者にも直接確認したが、この高さのまま発売するとの回答だった。 これまでBEVは、価格の3〜5割を占めるとされるバッテリーコストの影響もあり、それを“隠しやすい”高価格帯のクルマのリリースが多かったが、ここにきてBEV軽自動車との溝を埋める値段のモデルが一気に発売される。 年末にかけて上記3車を街中で見る機会も増えるだろう。 この戦いに日本メーカーが参戦していないのは少し残念だが、全速力でのキャッチアップを期待して、長い目で今後の戦況を見守っていきたい。

TAG: #EX30 #コナ #ドルフィン #ヒョンデ
TEXT:曽宮 岳大
アイオニック5オーナー、ななみんさんにスマートハウスのコスパについて教えてもらった

ご自宅をスマートハウス化し、ヒョンデ アイオニック5を“動く蓄電池”として愛用されているななみんさん。前編では、そのお家を見せてもらったが、実際に住まわれて、どのようなメリットを感じ、コスパについてはどうなのかなど、気になる質問をぶつけてみた。ご本人いわく、「これで電力会社に依存することなく、安心して快適に過ごせる」と満足そう。詳しくうかがってみた。   電力フローの可視化により、楽しく節電 約10kW(システム容量9.5kW)の大容量な太陽光パネルを設置されたということですけど、具体的にはどれぐらい発電でき、電気代はどの程度セーブできたのでしょうか? 「季節によりますが、我が家の1ヶ月の電力消費量は600〜1,200kWh以上です。スマートハウス化してからは買電量が200kWh以下まで下がりました!特に今年の7月は猛暑にも関わらず買電電力量を100kWh未満に抑えられて感動しました。電気自動車の電力も太陽光で賄っているため、クルマの維持費がガソリン車と比較してかなり抑えられていますし、売電収入も入っています」 「買電に関して補足すると、東京電力は消費電力量に応じて第1段階、第2段階、第3段階と単価が上がっていくんです。スマートハウス化する前は、我が家は常に300kWh以上の第3段階の単価だったのですが、それが第2段階、あるいは第1段階まで下げられると、ポイ活のようにわくわく楽しくなりました」 世間一般的には電気代が上昇していますが、そういうニュースを見ても心が揺れなくなりましたか? 「以前は、今月の電気代はいくらだろう、もしかしたら10万円超えてしまうか、などと話をしていたんですけど、最近は落ち着いてニュースを見られるようになりました(笑)。やはり自給自足って大事だね、と。今後もし水道料金が高騰することになったとしたら井戸を掘ろうかとか。そんな冗談のような会話をしています(笑)」   電力会社に頼らない生活ですね。 「そうですね、天候に左右されるので、完全なオフグリッドまでは難しいとしても、なんちゃってオフグリッドというか、電力の自給自足をできる範囲の中で楽しく続けることが目標ですかね」   設備投資にも相当な費用がかかっていると想像しますが、どれぐらいの期間で元が取れそうでしょうか? 「太陽光パネル導入にかかる費用一式で、一般的に1kWあたり20万円以下だったら妥当な価格と考えて良いと思います。我が家の場合は太陽光パネルは足場の設置など含めた施工費やパワーコンディショナーなど含め、トータルで210万円ぐらい。V2Hは施工費含め160万円ぐらいでした。ただ、V2Hは工事費込みで半分ぐらい補助金が出ています。電気料金の減額分と売電収入などを計算すると約10年で元が取れ、それ以降はボーナスタイムです。なお、EVでなくてもクルマを購入すると費用が発生しますので、ここにクルマの費用は含んでいません」 費用面以外に、何かスマートハウスのメリットを感じていますか? 「災害があった場合の安心感も大きいと感じています。もし停電があったとしても、アイオニック5に蓄電しておけば数日は暮らせるだけの電力量がありますし、太陽が出てくれば昼間は勝手に発電してくれるので、スマホも家電も問題なく使えるでしょう。仮に停電しても電力が使えるという安心感は大きいですね。我が家はアクアリウムをやっていますし、年老いた猫さんも居て、電力が使えないと困るので。これはコスパでは測りきれないメリットだと思います」 「あとは私自身がガジェット好きなので、こうしてスマートフォンなどで、太陽光パネルの発電量や、消費電力量がリアルタイムで見られることにも魅力を感じています。例えば、コーヒーメーカーや電子レンジを動かすと、消費電力量が増えるのが瞬時に分かったり、電力のフローが可視化されるので、太陽の出ているうちに洗濯をしようとか、節電も楽しくできるんですよ」 >>>次ページ “自家消費率”を上げて賢くおトクに

TAG: #アイオニック5 #オーナーインタビュー #ヒョンデ
TEXT:曽宮 岳大
「私は家電感覚でこのクルマを選びました」アイオニック5オーナー、“ななみん”さんに聞くEV活用法

そのクルマの魅力や楽しみ方をオーナーさんに語ってもらうオーナインタビュー企画。今回ご登場いただくのは、「ヒョンデ アイオニック5」を所有されている“ななみん”さん。聞けば彼女は、自宅の“スマートハウス化”という壮大なプランを計画し、その一環として電気自動車(EV)を導入したのだという。詳しくお話をうかがうべく、彼女のご自宅におうかがいした。   「蓄電池を買うよりEVの方がおトク」ということで購入 “ななみん”さんが自動車免許を取得されたのは、30代を過ぎてから。お仕事が忙しかったのもあるが、それほどクルマ好きというわけではなかったことも、免許取得が遅れた理由だった。そんな彼女がアイオニック5を“愛機”として迎えるに至ったのは、スマートハウスの実現に向け、色々調べていくなかで、「蓄電池を買うより、EVを買う方がおトク」という結論に行き着いたから。EV導入の際に重視したことは、性能云々より、蓄電池としてのコスパだったのだ。そのあたりの経緯をうかがった。 「もともと都内に住んでいたんですけど、コロナ禍を機に勤めている会社がリモートワークを継続する方針を発表したので、それで都内より広い家に住めるよう千葉の郊外に引っ越したんです。その際、戸建てを購入するなら、スマートハウス化をやりたいなという思いがありました。太陽光パネルや家庭用蓄電池のことを色々調べていったところ、求めるバッテリー容量の蓄電池が高額で、電気自動車以上の価格だったんです。だったら電気自動車を買ってそれを“動く蓄電池”としても使おう、その方が一石二鳥だということになって、それで電気自動車の購入を検討し始めました」 EVの中でもアイオニック5を選んだ理由は? 「EVを導入しようとしたのは去年(2022年)。その時点で販売されている電気自動車を色々調べました。蓄電池として使うからにはバッテリー容量が大きい方が良いんですけど、バッテリー容量が上がるにつれて車両価格が高くなってしまう。十分なバッテリー容量があり、その中で価格とのバランスが良かったのがアイオニック5でした」 他に検討したクルマはどのあたりですか? 「日産リーフとアリアを検討しましたね。アリアだと90kWh仕様という選択肢もあったのですが、900万円近くなってしまい、蓄電池用途ではコスパがあまりよくないと考えました。リーフの方は実は購入直前まで行ったんですけど、納期の問題からパスさせていただくことに。あとこれは後で運用してみて分かりましたが、我が家の屋根に積んだ約10kWの太陽光パネルに対し、バッテリー容量が40〜60kWhクラスだとちょっと心許ないんです。結果的に、バッテリー容量とコスパと納期がアイオニック5を選んだ大きな決め手ではありましたけど、72.6kWhのバッテリー容量があるアイオニック5にして正解だったなと思っています」 >>>次ページ 車中泊しても快適です

TAG: #アイオニック5 #オーナーインタビュー #ヒョンデ
TEXT:烏山 大輔
ヒョンデ、ドリフトもできるアイオニック5 Nをグッドウッドで発表。650psのハイパワーBEV

ヒョンデの高性能ブランド 「N」から初のBEV(バッテリー電気自動車)である「アイオニック5 N」が発表された。ヒョンデは今後も「電動化された、いくつものNモデル」の登場を計画している。 Nブランドの電動化の一歩目 ヒョンデ・モビリティ・ジャパンの記者会見などでもその存在が関係者から語られていたアイオニック5 Nのデビューの舞台は、イギリス伝統のイベント「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」だった。 今年5月にもイタリアのコンコルソ・デレガンツァ・ヴィラデステ2023において「N Vision 74 Concept」を披露するなど、ヒョンデのグローバルでのプロモーションの巧さと力の入りようを感じる。 日本に再参入し、アイオニック5とネッソの販売台数はまだ4桁には届いていないと思われるが、ヒョンデはグローバルではトヨタ、フォルクスワーゲンに次いで第3位の販売台数を記録している。日本市場での数字だけを見ていてはヒョンデの世界的な動きを見失うだろう。 今秋、日本への導入が予定される「コナ」(N モデルは設定されているが日本に入るかは未定)は、アイオニック5よりもリーズナブルな価格設定になるであろうから販売状況もより勢いが増すはずだ。アイオニック5 Nとコナの日本での正式発表を待ちたい。 なお、アイオニック5 Nは下記の通り相当な追加装備と機能があり、ボディにも手が加えられている。現状のアイオニック5のトップグレードであるLounge AWDが599万円であることを踏まえると750万円を下回ることはないのではと予想する。 ドリフトとコーナリング性能の向上のために ヒョンデがアイオニック5を「ドリフトできる電気自動車」に仕上げるにあたって重要視したのは、過激な走りに負けないボディを作り上げることだったようだ。リリースで最初に書かれていることからも彼らの思い入れが伝わってくる。ヒョンデは2014年からWRCに参戦し、2019年にマニファクチャラーズチャンピオンに輝いた。そのレースで得た経験が、アイオニック5 Nのボディ開発に生かされているのかもしれない。 アイオニック5 Nでは、ベースモデルのアイオニック5(305ps)の倍以上となるモーターパワー(478kW/650ps)と、車体にストレスがかかるドリフト走行にも耐えられるように、42箇所におよぶ追加溶接と2.1mの追加接着剤によるホワイトボディ構造の強化、モーターとバッテリー取り付け部の強化、フロントとリアのサブフレームの側面剛性アップを実施。21インチ鍛造アルミホイールによりバネ下重量の軽減も図った。 BEVならではの機能として、減速時にモーターを発電機として使い、その時の抵抗で減速Gを生成する回生ブレーキがあるが、アイオニック5にも回生ブレーキを使った、いわゆるワンペダルドライブが可能なi-Pedalが装備されている。 このi-Pedalの回生ブレーキシステムを応用したのが「N Pedal」だ。同システムはエネルギー回生効率よりもコーナリング性能を優先したもので、減速Gを利用した荷重移動によりシャープなコーナーへの進入を可能とする。さらに回生ブレーキは、メインのブレーキとして機能し、必要に応じて機械式ブレーキがブレーキ力を補う仕組みとなっている。これによりサーキット走行時には、機械式ブレーキの耐久性向上に寄与するようだ。 N専用の回生ブレーキは、ヒョンデが「業界トップレベル」と謳う最大0.6Gの減速力を発揮し、ABS作動下でも最大0.2Gの減速力を維持する。さらにサーキット走行に左足ブレーキを使用する場合など、ブレーキペダルとアクセルペダルの同時操作も可能だ。 機械式ブレーキのアップグレードも忘れていない。アイオニック5 Nは、ヒョンデ最強を誇るブレーキシステム「N チューンド・ブレーキ」を採用する。直径400mmの大径フロントディスクに4ピストン・モノブロックキャリパー、リアには360mm径のディスクブレーキを搭載している。 ドリフト走行をサポートする「N ドリフトオプティマイザー」は、テールスライド時にドリフトアングルを維持するのに役立つ機能。後輪駆動のMT車のクラッチ・キック・アクションを模倣した、トルク・キック・ドリフト機能により、即座にドリフト体勢に持ち込むことが可能という。 N トルク・ディストリビューションは、フロントとリアのトルク配分を11段階に調整可能で、さらにリアアクスルのe-LSD(電子制御リミテッド・スリップ・ディファレンシャル)が、コーナリング性能とコントロール性を最適化する。

TAG: #アイオニック5 N #ヒョンデ
TEXT:栁 蒼太
モバイルサービスカー「ヒョンデQちゃん」を導入

ヒョンデモビリティジャパンは4月18日、整備専用車両「モバイルサービスカー(通称:ヒョンデ Qちゃん)」の稼働を開始した。 快適なカーライフを モバイルサービスカーは、ヒョンデが販売している「アイオニック5」をアフターサービス用に改造したものだ。軽整備作業に関わる整備工具一式を含め、ホスピタリティを届ける様々な装備を備えたモバイルサービスカーとなっている。 ヒョンデ車オーナーからの問い合わせを受けた場合、想定される整備内容や距離、近隣の協力整備工場へのアクセスを考慮しながら速やかに指定場所へ直行する。なお、本サービスは、専門テクニシャンが出張費無料で整備を行う。オーナーは、整備に関するタイムロスを軽減しながらも、快適なカーライフを得ることができる。 EVの本領発揮 特殊工具を含む整備用具や事務手続きのためのプリンター電源、さらにホスピタリティとして修理中に提供する淹れたてのコーヒーなども、アイオニック5のV2L(Vehicle to Load)機能を活用する。 今後は車両から車両への給電を可能にするV2V(Vehicle to Vehicle)機能を実装し、走行中の急な不具合やバッテリー切れ(電欠)に対応する「ロードサイドアシスタンス(RSA)」の展開も予定している。 ヒョンデ Qちゃんは、まずはヒョンデカスタマーエクスペリエンスセンター横浜(CXC横浜)に導入し、今後全国へ徐々に展開される予定だ。

TAG: #アイオニック5 #ヒョンデ #メンテナンス
TEXT:栁 蒼太
ヒョンデ、「アイオニック6」が「ワールドカーオブザイヤー」ほか3賞受賞

ヒョンデのオールエレクトリック専用ラインナップブランド「IONIQ」の第2弾モデルである、アイオニック6が「ニューヨーク国際自動車ショー」にて、「ワールドカーオブザイヤー」、「ワールドエレクトリック ビークル」および「ワールドカーデザインオブザイヤー」を受賞した。今回の受賞でヒョンデは、2022年の「アイオニック5」の3冠に続き、2年連続の3冠達成となった。 アイオニック6は、ヒョンデ独自の電気自動車用プラットフォームであるE-GMPアーキテクチャーを最大限に活用し、800V対応でわずか18分で10~80%の充電が可能な超高速充電機能、広々とした車内空間が特徴だ。また、同車は「シングルカーブの電動ストリームライナー」を標榜しており、車体の緩やかなカーブによって、空力的にも有利となっている。以上のような工夫により、エネルギー効率を良くしている。 なお、アイオニック6にはバッテリー容量が77.4kWhの上位グレードと、同53kWhの標準グレードが用意されている。上位グレードは、満充電時の航続距離が610km以上(WLTPモード)で、後輪駆動車と四輪駆動車を設定している。四輪駆動車における駆動システム全体の最高出力は239kWで、最大トルクは605N・mに達する。また、標準グレードはRWD車のみとなっている。 ヒョンデは、2030年までに17車種のバッテリー電気自動車を導入する計画をしており、今後も世間のEV市場を先導していく存在になっていくかもしれない。

TAG: #アイオニック6 #ヒョンデ
TEXT:栁 蒼太
10代の大学自動車部員がエニカ(Anyca)でアイオニック5(IONIQ5)に乗ってみた!

EV(電気自動車)界隈で、ひときわ注目を浴びている、ヒョンデのIONIQ5(以下、アイオニック5)。今回は、現役の大学自動車部員の目線で、約120kmの走行を通して感じたことを書き綴る。 著者は日々競技車両に接しているとはいうものの、まだ免許取り立ての19歳。それゆえ、報道向けの広報車では保険がカバーされないケースがある。それでもどうしてもEVに接して、運転したいという意欲から、若年者でも簡単に車両を借りることができるカーシェアサービスのAnyca(以下、エニカ)を利用して試乗した。本記事の最後にエニカの使用方法を簡単にまとめたので、アイオニック5が少しでも気になったら試してみて欲しい。 世界が認めるEV まずは、アイオニック5の基本的な「おさらい」をしたい。2022年2月に日本市場へ導入されたヒョンデのアイオニック5は、革新的なデザインをまとったSUVタイプのBEV。WLTCモードで498~618kmという実用的な航続距離とすぐれた動力性能を備える。充実した快適装備や安全装備を備え、同クラスの車種と比べてもコストパフォーマンスに優れた一台だ。日本の「2022−2023インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」を初め、数多くの賞を世界中で獲得している。 乗り込んだ瞬間の満足感 キーを持って車に近づくだけで、ドアノブがポップアップして、出迎えをしてくれる。車内に乗り込むと、流行のメーターパネル用とインフォテイメント用の大型スクリーンが目に飛び込む。 室内を見渡せば、広々とした空間が広がっている。フラットフロア、スライドコンソール、パノラマサンルーフなど、広く感じる仕掛けが目白押しだ。それらの工夫もいいが、そもそも3.000mmのロングホイールベース、SUV並の車高であるため、どの座席に座っていても広い。

TAG: #アイオニック5 #エニカ #ヒョンデ
TEXT:TET 編集部
2023ワールド・EV・カー・オブ・ザ・イヤーの第2次選考車決まる……デイリーEVヘッドライン[2023.02.15]

第2次選考5台中3台が韓国車、デザイン性が高評価か 【THE 視点】「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」の主催団体は、「2023ワールド・エレクトリック・ビークル・オブ・ザ・イヤー」(2023 WEVOTY)の第2次選考モデル5車種を発表した。 「2023 WEVOTY」の対象となる車両は、年間5,000台以上生産されている必要があり、今回対象となるのは、2022年1月1日から2023年3月30日の期間内に販売されているEVとなる。 「2023 WEVOTY」の第2次選考に選ばれたのは「BMW i7」「Genesis(ジェネシス) GV60」「Hyundai Ioniq 6(ヒョンデ・アイオニック6)」「Kia Niro EV(キア・ニロEV)」「Lucid Air(ルシード・エア)」の5車種。 「i7」はBMWのフラッグシップEV。2モーター四輪駆動で、航続距離650kmの圧倒的な性能と、これまでの7シリーズから一変した格調のあるスタイリングが評価されたのではと推測する。 「GV60」は、ヒョンデの高級ブランド「ジェネシス」のSUV型EV。ハイパフォーマンスモデルが存在し、前後それぞれに160kW(218ps)のモーターを搭載、システム総合出力は320kW(436ps)を実現。0–100km/h加速はわずか4.0秒。航続距離は368kmとなるが、プレミアムSUVらしいスタイリングが評価されたと思われる。 ヒョンデ「アイオニック6」は、昨年ヨーロッパで予約受注が開始されてから、24時間以内に限定2,500台を完売した今話題の4ドアクーペEV。「アイオニック5」の上位モデルとなり、四輪駆動システム全体の最高出力は239kW(325ps)、最大トルクは605Nm(61.7kgm)に達し航続距離は610km以上。複数の円弧を重ねたかのような独特なスタイリングが評価されたと推測する。 「ニロEV」は、ヒョンデ・グループのEV。これもSUVタイプのEVだが、一目でわかるエッジの効いたスタイリングに加えて約4万ドル(約520万円)とリーズナブルな価格が評価されたと想像する。 「ルシード・エア」は米国のメーカーで、テスラ・モデルSよりも高級感を狙った4ドアEV。3モーター駆動で最高出力1,217ps。0–100km/h加速はわずか2秒のモンスター仕様ながら、外観は4ドアセダンとされ、内外装とも上品に仕上げられている。価格は3,500万円程度と高額だが、「羊の皮をかぶった狼」のようなパッケージングが評価されたのではと推測する。 エントリーリストには日本車も含まれていたが、2次選考に残されたEVは3台が韓国車だった。ただ、デザインはどのEVも「ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤー」も受賞できるほど魅力的なもの。このデザインもEVの普及に寄与しているように思う。 昨年行われた第1回の「2022 WEVOTY」を受賞しているのは「ヒョンデ・アイオニック5」。同時に「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」と「ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤー」も受賞し3冠を達成した。 「2023 WEVOTY」は、2023年4月ニューヨーク・モーターショーで発表される予定。 選考された5車種のうち「BMW i7」しか日本で売られていないのは、日本市場がいまだEVに対して未成熟な市場だと言われているような気がして寂しく感じた。是非、今回選考されたモデルは日本での販売を考えてほしい。ちなみに今回の選考車の画像は下部のギャラリーで確認してほしい。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★コスモエネルギーHDと岩谷産業、水素ステーション事業のための合弁会社を設立……「京浜トラックターミナル平和島SS」(東京都大田区)内に施設を建設予定、燃料電池車を中心に供給予定[詳細はこちら<click>] ★コスモ石油、神奈川県逗子市・横須賀市に日産「サクラ」「リーフ」を納入……休日はカーシェア、平日は公用車に使用 ★東京ガス、埼玉県ふじみ野市市役所に太陽光発電およびEV充電システム導入の共同検証について合意契約を締結 ★三輪小型車「トゥクトゥク」のEVを活用したモビリティサービスのeMoBi(エモビ)、4,000万円資金を調達……交換式バッテリー採用に向けての車両開発資金などに ★TI企業のe-Grid、タイ・バンコクのEVバイク効率向上に協力……NEDOの国際実証事業に採択され、EVバイクの消費エネルギーおよび運転者の行動を解析 ★リロバケーションズ、温泉旅館「箱根風雅」および会員制リゾート「ポイントバケーション加賀山中」にEV用充電器を設置……「エネチェンジ」の機器 ★業務でクルマを使用するユーザーの9割が「走行距離課税」に不安……カーリース「定額カルモくん」展開のナイル調べ。全体の約75%の回答者が導入に対し「困る」

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中国から地球上最強コスパの新星EV現る! IMモーターL6の驚くべきスペックとは
BYDの売り上げ鈍化に注目しても意味なし! むしろ心配すべきはテスラか? BYDは利益率も投資額も驚くべき水準だった
いすゞがピックアップトラック「D-MAX」にBEVを用意! バンコク国際モーターショーでワールドプレミア予定
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ニュース
悲願の「全固体電池」が実現間近! ホンダが2020年代後半の量産開始を目標にしたパイロットラインを初公開
東京都に住むEVオーナーは注目!  最新設備の「アウディ・チャージング・ハブ 紀尾井町」の150kWh超急速充電を30分無料開放
EVの充電がプラグを接続するだけに! Terra Chargeがプラグアンドチャージ対応EV充電器を2025年度から設置開始
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コラム
「タイヤの摩耗が早い」「買い取り価格は期待できない」EVにまつわる巷のウワサ6つの真実
AM放送が聴けない「電気自動車」が数多く存在! FMラジオは搭載されているのになぜ?
新車が買えないレベルで人気沸騰中のメルセデス・ベンツGクラス! EVが売れない日本でも「G 580 with EQ Technology」ならバカ売れするか?
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インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
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試乗
【試乗】二度見必至の存在感は普通のコナとはまるで別モノ! イメージを大きく変えたヒョンデ・コナ「N Line」に乗って感じたマルとバツ
ボルボEX30で11時間超えの1000km走行チャレンジ! 課題は90kWまでしか受け入れない充電性能
EV専業の「テスラ」とEVに力を入れる従来の自動車メーカー「ヒョンデ」! モデルYとコナを乗り比べるとまったく違う「乗りもの」だった
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イベント
外からもまる見えな全面ガラスドアも高齢化が進む地域のモビリティとして最適!? タジマの超低床グリーンスローモビリティ「NAO2」が斬新すぎた
EVはレアメタルが詰まった都市鉱山! CEATEC2024でBASC展示が提唱するサーキュラーエコノミーというバッテリーとは
畳めるバイク! 階段を上り下りできるカート! 自由な発想のEV小型モビリティが作る明るい未来を見た!!
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