#バッテリー
TEXT:烏山 大輔
通勤車を電気自動車に変えて、職場で充電!Hakobuneによる新しいEVの活用法

株式会社Hakobune(東京都千代田区、代表取締役社長: 高橋 雅典)は、個人が所有管理するクルマを会社から貸与するEVに変えて、職場で再エネにより充電する「EV通勤 × 再エネ職場充電」の「Hakobune」というサービスを提供している。サービスの詳細とどんなメリットがあるのかをみていく。 通勤を脱炭素化できる! コロナ渦を経て、リモートでも仕事できるという方が増えた反面、業務内容によっては以前と変わらず、出社がマストな方も当然おられる。また、都市圏では電車通勤も多いと思われるが、郊外や地方においては車通勤がメインの地域もあるだろう。 筆者自身も以前に5年間ほど愛知県で車通勤をしていた時期があった。特に愛知県のような「車社会」がメインの社会では、各家庭に住んでいる人数と同じ台数のクルマがあり、そのうち数台は通勤がメインという状況も珍しくない。 「Hakobune」は、まず個人が所有管理するクルマを、会社が貸与するEVに変えることから始まる。社員は通勤に使えるし、プライベートでの利用もできる。もちろんガソリン代はかからなくなる。会社では社屋の屋根や駐車場などに設置した太陽光発電により、CO2フリーの電気でEVを充電する。自宅に充電器がなくても満充電のEVで自宅に帰ることができる。 社員に貸与されるEVは、会社とHakobuneがレンタル契約する。車両代に加え、保険とメンテナンスも含んだ月額料金を、会社と社員がシェアする。通勤分は会社が負担、プライベート分は個人が負担するという考え方なので、社員の車所有コストは下がる可能性が高い。会社側も通勤手当や交通費よりも少額になるかもしれない。 会社が駐車場などに設置する太陽光発電は、Hakobuneが費用を負担するPPA(Power Purchase Agreement)方式のため会社側の負担はない。 EVはこれまで、自宅での基礎充電、もしくは外出先では高速道路のサービスエリアやパーキングエリア、ショッピングモール、ディーラーなどでの急速充電が主流だったように思える。そこに数時間は確実に停めたままになる職場での基礎充電を加えるという視点が新しい。

TAG: #バッテリー #充電 #充電インフラ
TEXT:烏山 大輔
蓄電池としてコスパに優れる電気自動車はどれ?一番は国産車ではなく輸入車だった!

BEV(バッテリー電気自動車)が搭載している大容量のバッテリーは、クルマを走らせるだけではなく、V2H(Vehicle to Home)を活用すると、BEVから家に給電もできる。ではBEVを蓄電池として考えるとコスパが良いのはどのモデルになのだろうか。家庭用蓄電池も合わせて考察してみる。 家庭用蓄電池は割高!? 家庭用蓄電池は、ウェブで調べてみるとバッテリー容量が4〜16kWhで100〜250万円ほどが相場のようだ。設置工事費込みの価格のため、蓄電池単体の価格は不明だが、工事費は30〜50万円ほどのようなので、蓄電池は1kWhあたり12.5〜17.5万円と試算できる。 また、アメリカのBEVメーカー「テスラ」もパワーウォールという蓄電池を販売している。バッテリー容量は13.5kWhで価格は110万円※と思われる。1kWhあたり8.15万円だ。パワーウォールは最大10台まで拡張して設置が可能という特徴もある。 ※以前はホームページに価格を掲載していたと記憶しているが、現在はなくなっており、テスラの認定販売施工会社への問い合わせフォームからしか価格を知る術はなさそうだ。 どれくらいの蓄電池容量があれば良いのか 一般的に4人家族が1日で消費する電力は10〜12kWhとされている。実際のご自身の使用量は、夏か冬の冷暖房を使用する時期が一番多いと思われるので、明細書やウェブで確認すると良いだろう。 自宅に蓄電池を設置すると、太陽光発電の電力を溜められることに加えて、災害による停電時に電気を使えることも大きいと思う。 日本での停電で思い出されるのは、2019年9月、千葉県に大きな被害をもたらした台風15号によるものだ。93万戸が停電し、その完全復旧には16日間もかかった。 さすがに16日は長すぎるとしても、例えば5日分の電力50kWhをパワーウォールで賄おうとすると、パワーウォールを4台設置する必要があり、それだけで少なくとも440万円、さらに工事費もかかる。 自宅に設置するだけの蓄電池に数百万円を使うのであれば、「動く蓄電池」であるBEVを買って、普段の生活の足にも使えた方が良いのでは。そうであればコスパとしてどのクルマが一番良いのだろうか。

TAG: #BEV #バッテリー #蓄電池
TEXT:御堀 直嗣
EVの価格が下がり続ける理由は、バッテリーにあり!:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第12回

電気自動車(EV)の技術について、いまさら聞きにくい基本的なことから詳しく丁寧に説明していく本コラム。今回は高いと言われるEVの新車価格について、その理由を解説する。 半分になった軽自動車EVの新車価格 電気自動車(EV)の新車価格は、エンジン車に比べれば、なお高い傾向にある。それでも、次第に下がりはじめているのも事実だ。 2009年に量産市販EVとして初めて売り出された三菱「i-MiEV」は、消費税5%込みで当時459.9万円だった。昨年発売された三菱「eKクロスEV」は、消費税10%込みで239.8~293.26万円である。消費税額をそれぞれ引いた車両本体価格で比較すると約46%の値下がりで、13年で軽EVの値段が半額近くになったことになる。 2010年に発売された初代日産「リーフ」は、当時376.425~406.035万円だった。現在の2代目リーフは408.1~444.84万円で、ニスモやオーテックの仕様になるとさらに高額になる。初代リーフ時代の消費税は5%で、現在は10%なので、消費税額を引いた車両本体価格で比較すると、廉価車種のX同士で28万円ほど現行リーフが割高な計算になる。 ただし、初代リーフの前期型は、リチウムイオン・バッテリー(以下、LiB)搭載容量が24kWhであるのに対し、現行リーフは40kWhなので1.6倍になり、これによって一充電走行距離が初代リーフ時代のJC08モード比較で2倍に伸びている。車載バッテリー容量の増加だけでなく、LiB自体も、正極(+)材料が、初代はマンガン酸リチウムであったが、現行車は三元系と呼ばれる、コバルト/ニッケル/マンガンの元素を組み合わせた高性能仕様となっている。このことが車載バッテリーの容量増大だけでなく、一充電走行距離を2倍に伸ばした背景になる。 バッテリーの進化については、三菱の「i-MiEV」と「eKクロスEV」の例でも同様で、バッテリーの正極材料がいまは新しくなっている。 リチウムイオン・バッテリーをいかに安く入手するか EVの新車価格は、製造原価の多くを占めるLiBに左右されるといわれている。車両原価の約20%がバッテリー代だとの話もあり、駆動用のバッテリーをいかに安く調達できるかによって、EV価格は左右される傾向が強い。 まず思い浮かぶのは、安い材料を電極に使うバッテリー材料の開拓だ。そのひとつが、三元系と呼ばれるバッテリー素材の燐酸鉄への切り替えや、ほかにナトリウムイオン・バッテリーの模索という将来構想もある。 もうひとつは、eKクロスEVがi-MiEVより大幅に安くなった背景に、三元系のLiBを使いながら、リーフと同じバッテリーを流用しているので、日産「サクラ」を含めた大量生産の効果も効いてくることがある。世界的に“ギガファクトリー”と呼ばれ、LiBを大量生産する工場建設が進んでいるのも、原価が高いとされるLiBをいかに安く手に入れるかという戦略における投資だ。LiB自体の原価も、高価な材料を使いながら量産効果などもあって、2010年からの6年間で一気に1/4に下がったとの報告も出ている。 加えて、生産工場が世界的に広がることにより、製造されたバッテリーの輸送費を抑えられるようになったことも理由のひとつといえるのではないか。 2021年に、米国テスラが「モデル3」の価格を廉価車種で約82万円安くし、500万円を切る429万円になって、日本での販売台数を急速に増やしたことがある。値下げの理由は、中国の上海にギガファクトリーが完成し、そこから日本へ完成車両を輸出したため、米国からの輸出に比べ輸送費が大幅に減ったと説明している。逆に、中国から遠い米国に出荷されたモデル3は、値上がりになったという話だ。

TAG: #EV知識・基礎の基礎 #バッテリー #御堀 直嗣
TEXT:御堀 直嗣
開発競争が激烈! 電気自動車用リチウムイオン・バッテリー:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第11回

進化を続けるリチウムイオン・バッテリー 電気自動車(EV)の技術について、いまさら聞きにくい基本的なことから詳しく丁寧に説明していく本コラム。今回はリチウムイオン・バッテリーを題材とする。 電気自動車への懸念として、いまだにバッテリー火災などの不安を訴える声がある。一方で、ガソリンエンジン車も、故障や事故などで燃えるということは起きており、いずれにしても危険性への正しい理解が必要だ。 多くのEVの動力源であるリチウムイオン・バッテリーの正極(+)材料は活物質と呼ばれ、量産化でまず使われたのは、コバルト酸リチウムだ。その結晶構造は層状になっており、リチウムイオンを多く含むことができる。つまり充電容量が大きいということだ。 しかしながら弱点もある。充電の際にはリチウムイオンが負極(-)へ移動するので、コバルト酸リチウムの結晶構造からリチウムイオンが抜けていく。ここで、過充電してしまうと、コバルト酸リチウムの結晶からリチウムイオンがすべて抜け出てしまうので、結晶構造が崩れやすくなる。これによって短絡(ショート)が起き、発熱や発火が起きてしまうのだ。それが、携帯電話やパーソナルコンピューターの火災事故などにつながった。 そこで、過充電にならないよう充電することが求められ、たとえば100%まで充電しないようにするとか、充電器に過充電を予防する制御を織り込むなどによって、安全を保とうとしてきた。しかし、満充電にしてこそ、その電気機器の性能を長時間、存分に使えるのであって、少なめの充電に抑えては、使い勝手を悪くする。そこは電気自動車(EV)でも同様で、一充電走行距離が短くなってしまう。 そこで、「三菱i-MiEV」や初代「日産リーフ」は、正極(+)にマンガン酸リチウムを用いた。この結晶構造は“スピネル”と呼ばれ、マンガンの結晶構造に崩れにくい柱が備わっている。その安全性については、本コラム第3回で説明した。 かつて、EVの走行距離に不満が指摘された背景に、より安全を重視したリチウムイオン・バッテリー電極の採用があったのだ。 安全を保ちながら、より長い一充電走行距離の実現のため現在使われているのが、三元系と呼ばれる正極(+)材料だ。“三元”とは3つの元素を指す。コバルト、ニッケル、マンガンの3種の元素を組み合わせている。コバルトはリチウムイオンを多く含み、ニッケルはエネルギー密度が高く、マンガンはスピネル構造によって安全性が高い。それぞれの元素の特徴を活かし、より高性能でありながら安全性を確保したリチウムイオン・バッテリーができあがった。 中国産リン酸鉄リチウムイオンの登場 しかし、コバルトは資源量に限りがあり、ニッケルも材料費が高騰しはじめている。資源をより安定的に、かつ安価な素材で電極を構成することがEV普及の鍵となりはじめた。 そこに登場したのが、リン酸鉄リチウムを正極(+)に用いるリチウムイオン・バッテリーだ。オリビン構造と呼ばれる強固な結晶構造を持ち、常温で塑性変形しにくく、熱安定性も高いため、安全性に優れるとされている。一方、三元系に比べ1セル(バッテリーの最小単位)の電圧がやや低く、充電容量が少ないともいわれる。 中国のBYDは、“ブレードバッテリー”と呼ぶ長細い電極形状で、容量の確保に一手を打った。小分けされたバッテリーを何個も組み合わせるよりも、電極を細長くし面積を稼いだバッテリーのほうが1枚の電極面積を大きく取れる。一方で組み合わせによって生じるセル間の配線を減らすことができる。このため、バッテリーケース内の空間を有効活用することで容量不足を補える。 米国のテスラも、「モデル3」の量販にあわせるようにリン酸鉄のリチウムイオン・バッテリーの採用に踏み切り、こちらはCATL(中国)の箱型バッテリーを、モジュールに組むことなしにセルを並べることで、車載量を稼いでいるのではないかとみられる。 いずれに場合も実用上の難点はとくにみられていない。リン酸鉄の正極は素材の希少性に左右されにくく、毒性もないなどの特徴があるが、バッテリー製造に手間がかかるともいわれる。

TAG: #EV知識・基礎の基礎 #バッテリー #御堀 直嗣
TEXT:TET編集部
トヨタが米国でのバッテリーEV生産工場を決定、バッテリー工場に追加投資

トヨタ自動車は、需要が拡大する米国市場でのバッテリーEV(BEV)の供給に向けて、米国におけるBEVの生産工場の決定と、バッテリー工場への追加投資を発表した。 2025年からToyota Motor Manufacturing Kentucky, Inc.(TMMK)において、BEVの3列シート新型SUVを生産開始する。トヨタが米国でBEVを生産するのは初めてであり、同車両には、Toyota Battery Manufacturing, North Carolina(TBMNC:写真)で生産するバッテリーを搭載する予定。 トヨタの北米統括会社であるToyota Motor North America, Inc.(TMNA)と豊田通商は、今後のバッテリーの需要増を見据え、将来の拡張に備えた土台づくりとして、現在建設中のTBMNCに、21億ドルを追加投資し、インフラ整備を進めることを決定した。今回の発表で、TBMNCへの総投資額は59億ドルに達した。TBMNCは、拡大する電動車の需要に必要なリチウムイオン・バッテリーを生産・供給する。 TMNAの小川哲男CEOはこう述べている。「カーボンニュートラルの実現に向け、できる限り早く、できる限り多くのCO2排出量を削減することを目指してまいります。この目標を達成するためには、お客様のニーズを満たす電動車のラインナップを提供する必要があります。米国初のトヨタ単独の車両生産拠点であるTMMKと、最新の工場であるTBMNCが、電動車のラインナップを拡げるため、BEVとバッテリー生産を開始し、未来に向け走り出すことを楽しみにしております」 トヨタは米国において、トヨタとレクサスの両ブランドで22種類の電動車を提供しており、過去2年間で米国での事業に対して80億ドル以上を投資してきた。 グローバルでは、フルラインナップメーカーとして、これまで累計2,300万台以上の電動車を販売してきた。2025年頃までには、グローバルで販売する全車種を、電動専用車もしくは電動グレード設定車とする予定。2026年までに、年間150万台のBEV生産を基準としてペースを定め、10モデルの投入を計画する。さらに2030年までに約5兆円を投資することを公表している。 トヨタは、できる限り早く、できる限り多くのCO2排出量を削減していくために、あらゆる国と地域における様々なニーズにマルチパワートレインで柔軟に対応し、できる限り多くの選択肢を提供していくとしている。

TAG: #アメリカ #バッテリー #工場
TEXT:TET 編集部
トヨタ、定置用蓄電池システムを開発。東京電力ホールディングスなどとコラボし、秋田県で実証実験を開始

トヨタ自動車と東京電力ホールディングスは5月29日、両社の蓄電池技術を融合した定置用蓄電池システムを開発したと発表。本年秋頃より、トヨタ系商社の豊田通商および豊田通商の子会社で風力・太陽光発電事業を行うユーラスエナジーホールディングスとも連携し、秋田県鹿角市に立地する大規模風力発電所「ユーラス田代平ウインドファーム」において実証実験を開始するとのことだ。 拡大が見込まれる蓄電池市場 今回両社が実証実験に取り組むのは、蓄電池を直流電源として接続し電力系統や各種電気機器に交流電力を供給する「PCS」と呼ばれる設備と、複数台の電気自動車用バッテリーを組み合わせたシステム。カーボンニュートラル達成のためには利用拡大が必須の再生可能エネルギーだが、天候等に左右される風力発電や太陽光発電はどうしても発電量が不安定になりがちだ。 ただし、一旦発電した電力の一定量を蓄電池に蓄え、電力需要に応じて随時取り出すことが可能になれば、課題の多くが解決する。そのため、東京電力を始めとする電力会社にとって、大容量でコストが安く、効率に優れた蓄電池システムの開発は達成したいテーマのひとつなのだ。 一方、トヨタなど大手自動車メーカーは、既に電気自動車用バッテリーで様々なノウハウを蓄積しており、蓄電池技術については一日の長がある。さらに、自動車メーカー自身にとっても、電気自動車を廃車にする際などに発生する使用済み車載用バッテリーの処理は大きな課題。特に、今後電気自動車が広く普及していけば、大量の使用済みバッテリーが自動車メーカーの手元に残ることとなるから、蓄電池システムでのリユースを含め、その有効活用については今から見通しを付けておきたいところだろう。 こうした両社のニーズが一致して実現したと見られる今回の実証実験では、トヨタの電気自動車に採用されている車載用バッテリーや制御部品と、東京電力の系統接続に関する知見とを融合して、定置用蓄電池システム(1MW/3MWh)を共同開発。このシステムを設備容量7,650kWを誇るユーラス田代平ウインドファームに設置し、蓄電池の充放電に関する最適運用や電力系統の安定化に資する制御などを数年程度かけて確認していく。 >>>次ページ 車載用バッテリーのリユースも視野に

TAG: #SDGs #バッテリー #リユース
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
ホンダ、リチウムイオン・バッテリーの国産化を推進……デイリーEVヘッドライン[2023.05.01]

GSユアサ/ブルーエナジーと協力関係を強化 2027年4月より量産体制へ 【THE 視点】本田技研工業(ホンダ)/GSユアサ/ブルーエナジーの3社は4月28日、リチウムイオン・バッテリーの共同研究開発体制について連携を強化すると発表した。 ホンダとGSユアサはかねてよりリチウムイオン・バッテリーの共同研究開発の体制を深めてきた。今回は、そこにブルーエナジーも加えての量産投資計画が、経済産業省の施策「蓄電池に係る供給確保計画」に認定された。これにより、今後拡大が見込まれているバッテリーの国内需要に対応していくという。 事業総額約4,341億円のうち、助成金額はその約3分の1の約1,587億円(最大)となる。生産規模は20GWh(国内)で、2027年4月に生産ラインを稼働させ、同年10月より本格量産を開始。2030年にかけても順次ラインを立ち上げて量産体制を整えていくという。 生産規模の20GWhという数値は、バッテリー容量50kWhのEVに換算すると、40万台分に相当する。ホンダの2022年の国内生産台数は64万台程度なので、2030年には6割程度のバッテリー生産能力を国内に持つことになる。これでようやくホンダが電動化に向けて動き出したように感じる。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★エネオス、法人会員向けEV充電サービスを開始……経路充電サービス「ENEOS Charge Plus」にて展開、100%再生エネルギーを使用した充電も可能 ★★凸版印刷、パワー半導体事業を開始……ウェハーを製造代行受託、製造プロセスはJSファンダリ新潟工場内に ★★米国カリフォルニア州、2036年以降販売の中・大型車もZEV以外を禁止に……ゴミ収集車とローカルバスは2039年までにZEVでなければならないとも規定 ★ステランティス、バッテリー用のニッケルと硫酸コバルトをオーストラリアから調達……アライアンス・ニッケル社の株式を11%(920万ユーロ/約13 億9,000万円)購入 ★ボッシュ、アメリカで炭化ケイ素(SiC)半導体の製造を計画……アメリカの半導体企業「TSIセミコンダクターズ」を買収、EV需要に対応しカリフォルニアにて生産へ ★メルセデス・ベンツ、2023年第1四半期のEV販売台数が5万1,639台……前年同時期比89%増、グループ全体の販売台数は50万3,483台[詳細はこちら<click>] ★ヤマハ、広島G7サミットに合わせた自工会展示ブースに電動製品を出展……「ひろしまゲートパークプラザ」<広島市中区/5月18日(木)~21日(日)>にて、EVスクーター「E01」などを展示

TAG: #THE視点 #バッテリー #国内ビジネス
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
クボタ、リチウムイオン・バッテリー市場に参入……デイリーEVヘッドライン[2023.04.27]

リチウムイオン・バッテリー用の負極材を2024年から量産 農機の電動化も見据えての事業化か 【THE 視点】クボタは4月25日、リチウムイオン二次電池の負極材料「チタンニオブ複合酸化物」の量産を2024年末に開始すると発表した。 「チタンニオブ複合酸化物」は、一般的にリチウムイオン・バッテリーの負極材料として用いられる黒鉛と比べて、電池の長寿命化や優れた急速充電性を実現しうる材料である。 クボタはこれまで、自動車用ブレーキパッドなどの摩擦材に用いられる「チタン酸カリウム<TXAX(ティーザクス)>」を開発・生産するなど、チタン酸化合物を産業向けに供給してきた。 その量産実用化で培った固有技術やノウハウを用いて、「チタンニオブ複合酸化物」の合成技術および製造技術を開発し、2024年末に量産を開始する。月間生産能力を50トンから段階的に引き上げていく予定だという。 クボタというと農業企業のイメージが強い。リチウムイオン・バッテリー材料の開発を機に、将来的には自社の農機の電動化も進めていくのだろう。自社製であればコストも抑えられ、さらに新材料を使用することで国産のバッテリー技術の進化にもつながる。 今回参入するクボタは、将来の農機の電動化を担う重要なポジションにいるのかもしれない。期待したい。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★ホンダ、EVモデルの日本投入時期を発表……2025年に「N-ONE」ベースのEV、2026年にSUVを含む小型EV2機種を発売[詳細はこちら<click>] ★★大阪府豊中市、「電気自動車等購入支援補助金」を新設……20万円/1台を補助、令和5年4月1日(土)から令和6年2月29日(木)までの初年度登録車両(EV・FCEV・PHEV)が対象 ★★BYDグループ、プレミアムブランド「ヤンワン」のEVモデルを発表……大型SUVの「U8」やスーパースポーツの「U9」、そのほかハイエンドブランド「デンツァ」のニューモデル「D9」なども [詳細はこちら<click>] ★ホンダ、EVスクーター「EM1 e:」を2023年中に日本で発売……着脱式バッテリー「ホンダ・モバイル・パワー・パック e:」を搭載 ★BYD、三重交通にEVバスを納車……小型の「J6」を2台、伊勢市から受託しているコミュニティバス「おかげバス」にて運行 ★GMとサムスン、アメリカにバッテリーセル工場を建設……30億ドル以上を投資し、2026年に操業開始予定 ★ヒョンデ、SKオンとバッテリーセル生産の合弁会社を設立……米国ジョージア州に工場を建設予定 ★BMW、「i5」のテストの進捗を公開……サスペンションコントロールと運転支援システムの開発が最終段階[詳細はこちら<click>] ★BYD、商業施設「ららぽーとEXPOCITY」<大阪府吹田市>に出店……4月26日(水)にプレオープン、「ATTO 3」を常設展示 ★EV充電トータルサービスのエネリバー、遠隔制御可能なEV充電サービスを開発……国際規格「OCPP(※)」に対応、導入・設置・運用を初期費用無料でサポート (※)「オープン・チャージ・ポイント・プロトコル」の略、欧米で一般的なEV充電器・管理システムのアプリケーション ★バッテリー開発のノースボルト、トラック大手のスカニアとバッテリーセルを共同開発……150万km分の寿命を実証 ★LGエナジーソリューション、2023年第一四半期の連結収益が8.747兆ウォン(約8,710億円)……四半期の記録で過去最高、北米でのEV需要増が影響 ★EVトラックのニコラ、カナダ・アルバータ州の自動車輸送協会からEVトラックを受注……トラクターヘッド「トレ」のBEVとFCEVモデルをともに受注 ★BYD、欧州に新規モデルを導入……セダンの「シール」とコンパクトハッチの「ドルフィン」を発売 ★ビンファスト、米国カリフォルニア州のクリーン・ビークル・リベート・プロジェクト(CVRP)の対象に……SUVモデル「VF8」が認定、最大7,500ドルのリベートを申請可能 ★シーメンス、ノルウェーのフレイヤと提携……ノルウェーと米国に建設予定のフレイヤのバッテリーセル工場にシーメンスの生産ソリューションを導入 ★電動キックボードシェアのループ、アイ・ネスト・キャピタルから資金調達……サービス拡大による車両調達や事業開発費などに拡充 ★両備ホールディングス、「コストコ群馬明和倉庫店」<群馬県明和町>に期間限定出店……自社製の小型EVトライク「ソレックス RT-01」を展示・販売(5月7日(日)まで) ★電動船が大阪で就航……EV販売株式会社が船舶検査に合格、ドイツ・トルキード製の電動システムを搭載した観光旅客船(全長21.38m)

TAG: #THE視点 #クボタ #バッテリー
TEXT:烏山 大輔
北洲、HEV駆動用バッテリーをリユースした太陽光発電蓄電池システムE-Pillar(イーピラー)を開発 

宮城県の住宅メーカー・建設資材販売の北洲(ほくしゅう)は、太陽光発電蓄電池システムE-Pillarを開発したと発表した。このシステムは、東北大学の田路和幸名誉教授が考案したもので、HEV(ハイブリッド車)に搭載されていた中古の車載リチウムイオン・バッテリーを再利用することで実現している。環境負荷の低減に資する設備などの開発費用を補助する宮城県の補助事業に採択されている。 世界各国が気候変動対策としてEVの普及を加速させている中、車載用リチウムイオン・バッテリーの将来的な大量廃棄が懸念されている。そこで、北洲は家づくりを通して脱炭素社会の実現に向けた取り組みを進め、このようなリユースやリサイクルによる取り組みを行うことで、CO₂排出削減に貢献できると考え、開発に着手した。 今後は、事業化に向けた準備を進め、提携先企業を探していく予定だ。この取り組みが実現すれば、車載用リチウムイオン・バッテリーのリユースの受け皿としてだけでなく、住宅において自家発電・自家消費の仕組みを築くことで、CO₂排出削減に寄与することが期待される。 E-Pillar(イーピラー)の概要 【主に4つの使い方を想定】 1. 太陽光発電で発電した電力をE-Pillarを介してEVに給電(H2V) 2. EVに蓄えられた電力をE-Pillarを介して家電に放電して活用(V2H) 3. 平時には太陽光発電で発電した電力をE-Pillarに蓄電することも可能 4. 非常時には太陽光発電で発電した電力をE-Pillarを介することで安定的に住宅内へ供給

TAG: #V2H #バッテリー #蓄電池
TEXT:烏山 大輔
フォルクスワーゲンとPowerCo(パワーコー)、カナダに過去最大規模のバッテリーセル工場を建設へ

フォルクスワーゲンと同社のバッテリー事業を担う子会社であるパワーコーが、カナダのオンタリオ州、セント・トーマスに、同社にとって過去最大規模のバッテリーセル工場を建設すると発表した。 パワーコーが欧州以外で初めて建設する工場で、年間最大90GWhのセル生産を目指す。 3ヵ所目、かつ最大規模のギガファクトリー セント・トーマス工場はフォルクスワーゲンとパワーコーにとって、ドイツ・ザルツギッター(生産能力40GWh、2025年稼働予定)、スペイン・バレンシア(同60GWh、2026年完成予定)に次いで、欧州以外では初のセル生産用ギガファクトリーだ。 最先端のユニファイドセル(どのVWのBEVでも使える統一規格のバッテリーセル)技術を採用し、北米におけるグループのBEVに使用される予定だ。工場の起工は2024年、生産開始は2027年を見込んでいる。 最終拡張段階で最大90GWh(1台当たり80kWhで112.5万台分、同60kWhで150万台分)の年間生産能力を持つこの工場は、昨年8月にフォルクスワーゲン、パワーコー、カナダ政府が合意した大規模計画の一環で、カナダにおけるeモビリティの推進に向けて、バッテリー生産の価値創造と原材料の確保に重点を置いている。 新工場では最大3,000人の高度技術者の雇用を創出し、さらにこの地域で数万人の間接雇用を生み出す可能性がある。今回の発表は、カナダのジャスティン・トルドー首相、イノベーション・科学・産業大臣のフランソワ・フィリップ・シャンパーニュ氏、オンタリオ州のダグ・フォード首相、オンタリオ州の経済開発・雇用創出・貿易大臣のビクター・フェデリ氏、セント・トーマス市長のジョー・プレストン氏が出席する中で行われた。 フォルクスワーゲン・グループのトマス・シュマル技術担当取締役は、「北米は、当社のグローバルバッテリー戦略において重要な役割を担っています。この地域は、ヨーロッパに次ぐパワーコーの第2の柱となり、北米で製造されたバッテリーセルを北米市場向けに提供します」と述べている。 パワーコーは2030年までに200億ユーロ(約2兆9,600億円)を超える年間収益を上げることが期待されている。 米自動車業界の中心で電池を生産する パワーコーがカナダにセル生産ネットワークを拡大することを決定したことは、フォルクスワーゲン・グループの北米における野心的な成長戦略をさらに実証する。 この戦略には、2030年までに米国とカナダで最も幅広いフルエレクトリックカーのポートフォリオを導入すること、米国とカナダでエレクトリファイ・アメリカ(※)の東海岸から西海岸までの充電ネットワークを拡大すること、2026年にSUVの元祖ともいわれる「スカウト」ブランドの最初のフルエレクトリックバージョン(サウスカロライナ工場で生産する計画)を導入することが含まれている。 ※エレクトリファイ・アメリカ。フォルクスワーゲン傘下の企業で、米国とカナダに充電ステーションを展開している。その一部にはコーヒーバーなどを備えた待合スペースのある「チャージング・ラウンジ」も含まれる。 ギガファクトリーが五大湖自動車回廊地帯の中心に位置する戦略的立地も注目に値する。オンタリオ州ロンドンから南へ約30kmに位置し、トロントやデトロイトなどの大都市からのアクセスも良好だ。工場は、サッカー場210面分に相当する約370エーカー(150ヘクタール)の敷地を有し、1,500エーカー(600ヘクタール)に及ぶ産業・サプライヤーパークの一部となる予定だ。さらにこの工場は100%CO2フリーのエネルギーが供給される予定である。

TAG: #ギガファクトリー #バッテリー #工場

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