ホンダが生き残るためにすべきこととは
ホンダのEV事業戦略の大幅見直しに驚いた人が多い。3月12日のオンライン会見では、「0(ゼロ)シリーズ」の「サルーン」、「SUV」、そしてアキュラ「RSX」の販売と開発を中止すると発表したからだ。

その後、ソニーホンダモビリティの「アフィーラ」についても開発の中止を明らかにしたわけだが、3月12日の会見で三部社長はEV事業環境が急激に変わっている点を強調していた。
具体的には、アメリカでは第2次トランプ政権による環境規制の緩和が進み、その一環でEV関連の補助金が廃止されるなど、EV普及に対する逆風が吹いている点を挙げた。一方で、中国では政府の施策によってEV市場は拡大したが、中国地場メーカーがホンダの想定をはるかに上まわるスピードで商品を市場導入したことで競争が激化していると指摘した。

また、この発表に関するプレスリリースには、次のように記載されている。
「中国やアジアでは、自動車の顧客価値が燃費や室内空間などのハードウェアから、お客の好みに合わせて進化し続けるソフトウェアの領域へと移行している」
「これを背景に新興EVメーカーが短期間で車両開発やADAS(先進運転支援システム)をはじめとしたソフトウェア・デファインド・ビークル(SDV)領域を強みに急速に台頭し、競争が激化している」

「こうした厳しい競争環境の下で、ホンダは新興EVメーカーなどと比較してバリューフォーマネーのある商品を提供できず、競争力の低下を招いた」
つまり、ホンダは現在の中国市場全体、及び中国EV市場に対して戦略を大幅に見直す必要があるとの認識がある。

その上で、ホンダがこれから目指す中国EV市場対策は大きくふたつあると、筆者は見る。
ひとつ目は、「トリプルハーフ」。日本の自動車メーカー各社が直近で、通期決算報告の際に用いた表現。車両開発における、コスト、工数、リードタイムをそれぞれ半減させるというものだ。ここではAI(人工知能)の積極的な活用が必須だ。これは中国対策だけではなく、ホンダの場合はインド市場対策でもある。ホンダ社内でのこれまでの常識をゼロベースで見直す大きな変革となるだろう。
ふたつ目は、ユーザーのニーズの明確化だ。いわゆる「中国ユニーク」(中国市場特有の商品性)に対する認識を改める必要がある。その上で、グローバル市場でのニーズの変化と中国ユニークを完全に分離させるのか、それとも一部を融合させるのかなど、難しい選択が迫られるだろう。

中国EV対策のみならず、ホンダのクルマづくりの変革の行方を今後も注視したい。


















































