スーパーハイト軽のEVは日本メーカーにもなかった
今後に登場するEV(電気自動車)の注目車種はBYDラッコだ。軽自動車サイズのEVで、全高が1700mmを超えるボディにスライドドアを採用する。日本でもっとも人気の高いスーパーハイトワゴンのカテゴリーに含まれ、ホンダN-BOX、スズキ・スペーシア、ダイハツ・タントのようスタイルのEVになる。
いままで海外メーカーが軽自動車を手がけたことは皆無ではないが、いずれも既存のコンパクトな車種のボディを軽自動車規格に合わせたものだった。

しかしラッコは違う。軽自動車の専用設計だ。将来的にラッコと同じプラットフォームを使った小型車を海外で売る可能性はあるが、ラッコ自体は、日本だけで販売できる軽自動車だ。今後のBYDは、ラッコの開発を通じて獲得した国内市場の知見を生かし、日本で通用するEVを積極的に投入するのだろう。
この背景には、EVが二酸化炭素の低減を目的に、今後は売れ行きを伸ばす有望なカテゴリーなのに、現時点では国内で売られた乗用車の約2%に留まる事情もある。つまり、BYDが軽自動車でスーパーハイトワゴンのラッコによって売れ行きを増やすと、将来の日本において、EVのトップメーカーになることも不可能ではない。BYDが実質的に日本専売というリスクを伴った軽自動車のラッコを新規開発した背景には、日本のEV市場を制覇する狙いもあると思われる。
このラッコの動向を踏まえると、日本のメーカーは守りが甘い。日産サクラ&三菱eKクロスEV、ホンダN-ONE e:は、すべて全高を1600〜1700mmに設定したハイトワゴンだ。ラッコやN-BOXなどのスーパーハイトワゴンに比べると、全高が100mm前後は低く、スライドドアも採用していない。

軽乗用車の売れ方を見ると、前述のとおりスーパーハイトワゴンの人気が高く、軽乗用車の販売総数に占める割合も50%に達する。そうなれば、軽自動車のEVを作るとしても、ラッコのようなスーパーハイトワゴンになって当然だ。



















































