シリコンを上まわる耐熱性や耐電圧性
半導体は、あらゆる電子機器に不可欠な部品だ。EVに限らず、エンジン車でも電子制御なしでは機能しない時代になっている。
その半導体に、革命的な期待がかかっている。それがダイヤモンド半導体だ。ダイヤモンド半導体とは人工ダイヤモンドで作る半導体で、既存のシリコン半導体に比べ高温や高電圧で動作が可能である点が、自動運転や人工知能(AI)においてパワー半導体としての優位性として期待されている。
ダイヤモンド半導体は高周波かつ高出力の性能に優れエネルギー効率が高いため、使っているときの発熱が少なく放熱性にも優れる。数値での比較では、高い電圧に対してはシリコンの約33倍、電子の移動のしやすさは約5倍、耐熱性は約8倍だそうだ。
電子制御には常に熱の課題がある。したがって放熱性のよい場所に設置するなどの配慮が必要だ。また、AI時代を迎えようとする今日、冷却のための膨大な電力を確保する策として、マイクロソフトは米国スリーマイル島の原子力発電所で事故を起こしていない原子炉を購入するとの話まで出てきている。
EVでは、駆動用のリチウムイオンバッテリーの発熱に対する冷却が知られるところだが、自動運転が導入されれば、センサー情報から運転操作へつなげる電子制御がより高い機能を求められ、発熱が問題になっていくだろう。
もちろん冷却で対処する必要もあるだろうが、そもそも発熱しにくい制御の仕組みを構築できれば、部品点数を減らして原価を抑えることにも役立つのではないか。なおかつより高い機能を搭載することができる。
ダイヤモンド半導体への期待は高いが、まだ開発が続けられている最中で、量産への道筋はこれからとなる。量産化に際し、原価はどうなっていくのか? あるいは、AIなどほかの産業との取り合いなどによる品不足になる可能性があるのかどうか? どのようにして実用化へ至るのかはまだ定かではない。
それでもクルマはもはやEV+自動運転へ向かいつつあり、その機能を満たすうえで新たな電子部品が不可欠なことは明らかだ。そのひとつとなるかもしれないダイヤモンド半導体の動向は注目に値する。ダイヤモンド半導体が話題になる背景には、日本がその開発で先行しつつあるという理由もある。
世界では半導体の動向で株価などが影響を受けている。そこに、日本の勢力がどこまで食い込むことができるのか。いよいよ時代は21世紀の新しい産業の競争に目を向けさせようとしているようだ。
















































