ライバルに引けを取らない競争力
それでは、TZが直接競合することになる車種を市場別に比較してみましょう。まず主力マーケットの北米市場は、ヒョンデIONIQ9やキアEV9などがすでに発売されているものの、これらは大衆ブランドであるため、トヨタブランドのハイランダーEVが競合することになります。よってTZが直接対決することになるのはLucid Gravityでしょう。とくにGravityのエントリーグレード“Touring”は、89kWhバッテリーを搭載したAWDグレードです。航続距離はEPA基準で542kmを確保し、TZよりも小さなバッテリー容量で、より長い航続距離を確保しています。
Gravityは800Vシステムを採用することで、急速充電性能でもリード。最高出力418kW、最大トルク1100Nmを実現し、0-100km/h加速でも4.2秒とTZをリードしています。
また、TZの残念な部分としては、フロントトランクを確保できていないという点でしょう。全長でやや小さいGravityには230リットルというフランク容量が確保されており、トランク部分の収納スペースも大きいことから、これらの点からも、大型SUVセグメントでEVスタートアップLucidが優れたEVを開発している様子が見て取れます。
日本市場については、ほぼ競合がいないというブルーオーシャンとなります。ただし、唯一比較対象として適当なのがテスラ・モデルY Lの存在でしょう。モデルY Lと比較すると、TZは車両サイズがひとまわり大きいものの、3列シート搭載の6人乗り電動SUVという観点では同セグメントの競合といえます。EV性能の最大の違いは航続距離がモデルY Lのほうが有利という点でしょう。とくに大型SUVセグメントは複数人を乗せて長距離を走行するケースが想定されるため、高速走行の実電費がどれほどを達成できるのかには注目するべきでしょう。
いずれにしても、今回レクサスがワールドプレミアを開催したTZは、現在需要の高まるSUVセグメントにおいて、3列シートの6人乗りという新たな選択肢をEVとして提供しようとしてきています。とくにEVシフトが停滞する北米市場において、TXのEVバージョンとしてどれほどの販売台数を達成できるのかには注目が集まります。そのうえで、我々日本市場にも2026年冬に導入されることが決定しており、EVの選択肢が増えるという点で期待せずにはいられません。レクサスが新型RZ、さらに新型ESとEVを立て続けに投入しており、それに続くTZが日本国内でどれほど受け入れられるのかにも注目する価値がありそうです。






















































