日本市場に導入したら……
トゥインゴE-Techエレクトリックの生産は、スロベニアでこれまでもトゥインゴと兄弟車であるスマートを生産してきたノボメスト工場で行われる。その製造工程は、徹底的な合理化が進められたという。開発期間の時間的速さ、生産の合理化など含め、中国製EVに対するルノーの危機感と、対抗すべく行動を起こした本気度が伝わってくるのが、トゥインゴE-Techエレクトリックといえる。

日本市場では、ヒョンデのインスターが近い存在になりそうだ。BYDのドルフィンは、少しそれらより大柄だ。
一方、一充電走行距離はトゥインゴE-Techエレクトリックのほうが短い。インスターがWLTCで427km、ドルフィンは415kmであるからだ。しかし、欧州における日常の移動という視点でみれば、余分なバッテリーを車載して値段が上がるより、一日の移動を満たせれば十分と考える合理性が浸透しており、263kmという数字は悪いとの印象が薄いのではないだろうか。

たとえるなら、日本の軽EVのサクラが180km、ホンダN-ONE e:が295kmなので、一充電走行距離では、こうした軽EVがトゥインゴE-Techエレクトリックの狙いだろう。
では、トゥインゴE-Techエレクトリックを日本に導入するとしたら、どうみるべきだろう。
国内の消費者目線では、競合はインスターやドルフィンと捉えるだろうから、その点では走行距離が短すぎると評価されるのではないか。

また、車両価格について、現状は欧州価格しかわからないが、2万ユーロを切るくらいから(1万9490ユーロ)とされ、それを円に換算すると360万円くらいからとなる。これは価格帯としてはインスターやドルフィンに近いが、それらの廉価車種は300万円を切っている。トゥインゴE-Techエレクトリックは高めと捉えられる可能性がある。
ただし、フランスでは補助金を使うことで1万4720ユーロから手に入れられることになりそうで、この場合は日本円に換算して約265万円になる。
集合住宅(マンションなど)や、月極駐車場での普通充電がまだ十分に広がっていない日本では、なおさら価格と一充電走行距離との関係に、神経質になりやすい傾向がある。

トゥインゴE-Techエレクトリックは、魅力的な見栄えと身近な寸法感覚のEVだ。自宅や勤務先などで基礎充電ができれば、じつは十分な性能でもある。エンジン車の時代から個性あふれるトゥインゴが、EVとなって日本の道を走れば、街の景色も華やかになりそうだ。しかしながら、集合住宅や月極駐車場での基礎充電がまだ十分でないいまの日本では、商品性としてやや厳しさがあるようにも思える。クルマの問題というより、充電の在り方に対する社会の認識のズレだ。





























































