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EV買い替えたらアレ? ケーブル届かないじゃん! フロントだったりリヤだったり右に左にとEVの充電口が各車バラバラなのはなぜ?


TEXT:山本晋也 PHOTO:山本晋也/TET 編集部
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自宅に充電器を設置する際は注意が必要

たとえば欧州系EVで右リヤフェンダーに充電リッドを置いていることが多いのは、道沿いに充電器を用意して、路上駐車時に充電するという社会インフラを考えていることへの対応と考えられる。イギリスを除く欧州では左ハンドル(右側通行)なので、左ハンドル圏をメインに考えれば、右側に充電リッドを配置することは合理的といえるのだ。

逆に、日本のような右ハンドル圏で同様のアプローチをするのであれば、左側に充電リッドを置くことが理想的となり得る。ただし、道路脇に置く充電インフラがそもそも正しいアプローチなのか。その場合に急速充電と普通充電のどちらが公共充電として適切なのか、という方向性も各国で異なるため、単純化するのは難しい面もある。

社会実験として東京都内の道路沿いに設置された急速充電器

世界各国で充電インフラの方向性が統一されないという前提に立つのであれば、とくにグローバルモデルについては、どの国や地域でも“メリットがない代わりにネガも出ない”場所に充電口を置くことがデザインに求められる。

そう考えると、左右どちらからでも同じようにアプローチできるフロントに充電リッドを置くというのは現時点においては最大公約数的に正しい判断といえそうだ。もちろん、リヤの中央に充電リッドを置いても同じことはいえるが、現時点でリヤバンパーに充電口を置いているのはメルセデス・ベンツくらいだったりする。

EVの充電口のイメージ

ところで、EVの充電口の位置が統一されていないというのは、自宅に普通充電設備を整えるときの課題として意識する必要がある。

自宅に充電設備を用意するというのは戸建てであるケースが多数派だろうが、建物と駐車スペースの位置関係は千差万別。充電器(EV用コンセント)への配線のしやすさを優先しすぎると、EVによってはつなぎづらいと感じることもあるだろう。充電設備の設置時に所有しているEVに最適化したレイアウトにすると、充電口の位置が異なるEVに乗り換えたときに使いづらく感じることもあるだろう。

自宅での普通充電は「基礎充電」といわれるほど日々利用するものなので、ここでのストレスは愛車への満足度を大きく左右するファクターになってしまう。EVの充電口が前にあったり後ろにあったり、はたまた右にあったり左にあったり、と統一されていない状況が続く前提で、充電設備のレイアウトを考える必要もありそうだ。

EVのイメージ

なお、筆者個人としては、右ハンドル圏で使う限りにおいては、右リヤフェンダーに充電リッドがあると、運転席を降りてから充電プラグを刺すまでの動線がスムースで、ストレスが少ないと感じているが、いかがだろうか。

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