コラム
share:

台数が増えたらやっぱり問題も増えた! EV乗りが「急速充電スポット」で見かけるトラブル事例TOP3


TEXT:琴條孝詩 PHOTO:TET 編集部
TAG:

AIなどを活用した新たな解決策も必要か

<TOP1:充電待ち列横入り問題>

さて、どこでも起こっていると思われるのが、EV充電ステーションでの古典的なトラブルのひとつである「横入り問題」だ。充電待ちのクルマが続々と列を作るなか、「だれが先だったのか」という問題で駐車場が戦場と化すことがある。とくに明示的な待機場所がない、混雑する高速道路のサービスエリアや休日のショッピングモール、観光地などで顕著になる。

紳士的に順番を守るドライバーもいれば、無謀に割り込もうとする者も。疲れた顔でドライバー同士が視線をぶつけ合い、ときには口論に発展することもある。差し当たっての対策としては、充電ステーション管理者による明確な案内表示や、アプリによる順番管理システムの導入が考えられるが、そういう仕組みを取り入れているところはまだ少ないようだ。

充電のイメージ

<番外編:想定外のケーブル問題>

そのほか、充電ケーブルにまつわる問題がある。急速充電器のケーブルは太くて重い。そのため、取りまわしに苦労する人も多い。ケーブルを引っ張りながら歩いていると、隣のクルマにケーブルが当たってしまうことがあるのだ。「ガリッ」という音とともに、隣のクルマに傷をつけてしまった瞬間、充電スタンドは修羅場と化してしまう。

また、充電ポートの位置によっては、ケーブルが車体に接触し続けることもある。長時間の充電中、強風にあおられたケーブルが車体を擦り続け、クルマに戻ると車体に傷が。これぞ「EVユーザー泣かせの落とし穴」である。充電時は細心の注意を払う必要がある。

充電のイメージ

<その他技術的課題も>

充電器においては、技術面でも充電器の故障や通信エラーによるトラブルが発生している。決済システムの不具合や、充電器と車両間の通信エラーにより、充電が開始できないケースも少なくない。充電計画に入れていた充電器が故障で使えないと、最悪「電欠」になってしまう。また、寒冷地では、バッテリーの温度が低下し充電速度が大幅に低下することで想定以上の待ち時間が発生することがある。

このように、EVの普及に伴ってユーザーが増えるにつれ充電スポットでのトラブルが増加傾向にある。しかし、これらの多くは利用者間の相互理解とマナーの向上、そして充電設備の技術的進化により解決可能な問題である。メーカーやインフラ事業者も、より使いやすい充電環境の整備に向けて、ハード・ソフト両面での改善を進めている。

今後はAIによる混雑予測や予約システムの導入など、新たな解決策も期待される。と同時に、利用者のモラル向上も重要な課題となっている。EVオーナーはぜひとも寛大な心で充電器まわりのトラブルを少しでも減らすよう配慮していきたい。

TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
リーフのバッテリーパックをバラして積むって意外に大変! 初代フィアット・パンダのEV化に挑戦してみた【その5】
「58協定」未加入国のクルマを日本で売るのは難しい! なのに未加入のアメリカや中国のクルマが日本で売られるカラクリとは
20万円も高かったのに20万円安くしか売れない! EVの将来はリセールバリューの向上努力にアリ!!
more
ニュース
これまでに40万人が参加したeモータースポーツイベント! 「Honda Racing eMS 2025」の開催が決定
ついに「コルベットがEV」に!? 2種類のコンセプトカーでシボレーが未来のハイパフォーマンスカー像を描く
ホンダが2026年に発売予定の新型EVは「アシモ」も搭載! アキュラRSXプロトタイプを米国・モントレーで初披露
more
コラム
「EVが燃えた」はなぜ刺激的なニュースになるのか? 「だからEVは危険」は偏りすぎた思考
中国1強になりつつあるEVの現状に待った! GMが新開発した「LMRバッテリー」でアメリカが狙うシェア奪還
欧州は「EVブランドの確立」を目指さなくなった? EVの車名から考えるEVの立ち位置
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】いい意味で「EVを強調しない」乗り味! 本格4WDモデルも用意される期待のニューモデル「スズキeビターラ」に最速試乗
【試乗】5台の輸入EVに一気乗り! エンジン車に勝るとも劣らない「個性」が爆発していた
【試乗】CR-Vに中身を乗っけただけのプロトなのにもう凄い! ホンダの次世代BEV「0シリーズ」に期待しかない
more
イベント
公道レース「フォーミュラE東京」が帰って来る! チケットを持っていなくとも無料で1日遊び尽くせる2日間
災害に備えて未来を楽しむ! 「AWAJI EV MEET 2025」の参加はまだまだ受付中
災害時にも活躍できるEVの可能性を淡路島で体験! 「AWAJI EV MEET 2025 from OUTDOOR FEELS」開催決定
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択