独自開発のサウンドシステムを搭載
そして、Xiaの最大の強みは、何といってもインテリアの装備内容の充実度合い、そして最新テクノロジーの網羅という観点です。まずインテリアで注目するべきは15.6インチのセンタースクリーンとともに助手席側にも12.3インチのディスプレイを配置。その上で2列目用の15.6インチのスクリーンも搭載。
また、DiSoundと名付けられた独自開発のサウンドシステムを搭載。28スピーカーという豪華仕様であり、リヤ側のスピーカーを取り外して車外スピーカーとしてキャンプなどで使用することすら可能です。さらに、128色のアンビエントライト、窓ガラス全面の2重ガラス化、その上冷温庫も搭載されています。
2列目のキャプテンシートの快適性について、ナッパレザーを採用しながら、レッグレストを含めた全10方向メモリー機能付き電動調整とともに、シートヒーター、シートクーラー、シートマッサージを完備。折りたたみテーブルを搭載していたり、さらに3列目シートも4方向電動調整が可能です。
また、God’ Eye C(DiPilot 100)を採用することで、高速道路上における追い越しや分岐、障害物への回避挙動を実現するハイウェイNOAに対応。シールやシーライオン7などでも採用されている、BYD独自開発の電子制御サスペンション「Disus-C」を標準装備し、乗り心地の改善を実現しています。
さらに、安全性にも抜かりがありません。ミニバンにおいて重要となる剛性を確保するために、高張力鋼とアルミニウム合金の配合割合を79%にまで高めながら、合計10ものエアバッグを搭載。
いずれにしても、大衆ブランドのBYDから発売されるミニバンとして網羅するべき装備内容をほとんど押さえてきており、その値段設定が24.98万元(日本円で約536万円)からのスタートと、極めて競争力が高い様子が見て取れます。
個人的に注目しているのが、すでに12月中のモデルチェンジによってシティNOAにまで対応させてきた兄弟車のDenza D9と、どれほどカニバライズすることになるのかという点です。D9はXiaとの差別化のためにEV性能や装備内容を直近でさらに充実させてきたわけです。
果たしてXiaとD9というダブルミニバン販売戦略によって、現在競争が激化しているミニバンセグメントでBYDがどれほどのシェアを確保できるのか。とくに内燃機関モデルとなるビューイックGL8、トヨタ・シエナ、ホンダ・オデッセイなどのシェアをどこまで奪うことになるのか。さらにZeekr 009、Xpeng X9、そしてLi Auto MEGAというミニバンBEVたちとどのような販売対決を演じるのか。
2025年、さらに競争が激化するミニバンセグメントの販売動向には注目ですし、人気のミニバンセグメントの中国製BEVやPHEVたちが日本市場に導入されることにも期待していきたいと思います。