2025年3月までの納車でスーパーチャージャーが5年間無料
テスラジャパンがモデルYの在庫車両に対して5年間のスーパーチャージャー無料特典を付与しました。このキャンペーン内容の詳細について、2025年3月31日までに納車を完了できる場合に限り、現在ラインアップされているモデルYの在庫車両に対して、納車後5年間のスーパーチャージャーの無料充電特典が付与されます。
ここでキャンペーンによってどれほどお得に運用できるのかを実際に計算してみましょう。
まず月間走行距離が1500km(年換算で1.8万km)の場合、
・モデルYの平均電費は、冬における電費悪化や乗る前エアコンやセントリーモードを使用すると仮定して、年間平均で5km/kWh程度
・充電ロスを考慮に入れると、実際に課金される電力量は約330kWh程度
・電気料金は自宅充電の場合1kWhあたりおおむね30円
・月間の電力料金は約9900円(年間でおおよそ12万円)
・スーパーチャージャーの無料充電特典の期間が5年間
となります。
よって仮にすべての充電をスーパーチャージャーのみで運用することになった場合、5年間でおよそ60万円もの充電料金を節約することが可能となります。
次に、この電力料金の節約がガソリン車に換算するとどれほどのインパクトになるのかを計算していきましょう。今回比較対象にしたのがトヨタのミッドサイズSUVであるRAV4です。とくに燃費性能で優れるRAV4のハイブリッド車の場合、
・EPA基準における燃費性能は39MPG。およそ17km/Lと換算可能
・2025年1月のレギュラーガソリン価格は平均165円程度
・年間走行距離が1.8万kmの場合、年間のガソリン代はおよそ17.5万円
となります。
よって5年間におけるガソリン代は87.4万円が必要となります。
もちろん、この計算方法の場合、RAV4では冬における燃費性能の悪化を考慮しておらず、さらに乗る前エアコンに代替する乗る前アイドリングの使用は想定せず、しかもテスラのセントリーモードに代わる機能は実装されていないという点は押さえておく必要があります。そしてその場合、5年間で車両を動かすのに必要なエネルギーコストの差が、無料充電特典を有するモデルYとRAV4で最大150万円程度つくことになるわけです。
モデルYはRAV4ハイブリッドと比較して圧倒的に航続距離が短いという点は挙げられるものの、
・車両サイズがひとまわり大きく居住空間や収納スペースがより広く確保できている
・動力性能でさらに優れている
・内燃エンジンが搭載されていないことで車内の振動対策や静粛性が優れている
・音響システムやレベル2ADAS性能をはじめとして標準装備内容が充実している
・OTAアップデートに対応しているため、インフォテインメントまわりのUIや車両制御に関連するファームウェアを常に最新の状態にキープすることが可能
などの長所があります。
これらの観点で、モデルYはRAV4よりもユーティリティに優れており、その上で5年間所有した際のエネルギー補充代だけで150万円差がつくとイメージしてみれば、まさに今回のモデルYの在庫車両のコスト競争力の高さを容易にイメージすることができるでしょう。