コラム
share:

アリアよりも130万円安くて230kmも長く走れる! ヒョンデ新型IONIQ 5のスペックが驚異的な内容だった


TEXT:高橋 優 PHOTO:EV NATIVE/THE EV TIMES
TAG:

高いコスト競争力でライバル車を圧倒

それでは新型IONIQ 5が、競合の電動SUVであるテスラ・モデルY、日産アリア、トヨタbZ4Xとどれほどの競争力を実現できているのかを比較していきましょう。IONIQ 5はなんといっても航続距離703kmを確保しており、モデルYも507km、アリアも470km、bZ4Xでさえ567kmとエントリーグレードとしては圧倒的です。さらに、電費性能も126Wh/kmと、モデルYよりも優れた電費性能を実現。

収納スペースも520リットルを確保しながら、トランクも57リットルを確保しており、モデルYと比較すると見劣りするものの、アリアやbZ4Xよりも広大でありSUVとしても実用的でしょう。

そしてモデルY RWDの533.7万円に対して、IONIQ 5は523.9万円と10万円ほど安く、bZ4Xと比較してもより安価です。とくにアリアと比較すると130万円以上も安価に購入可能であり、やはりIONIQ 5のコスト競争力が段違いであるといえます。

ヒョンデIONIQ 5の内装

また、EV性能だけでなく標準装備内容を比較しても、
・旧モデルで不評だったUSB Aポートを廃止してCポートに完全移行
・ワイヤレス充電も搭載し、センターコンソールのデザインを変更
・レッグレスト付きの電動シート調整とともにシートヒーター、シートクーラーが標準装備。後席もシート調整が可能
・ワンペダルドライブが可能
・手動でのバッテリープレコンディショニング機能
・全窓ガラスに対して2重ガラスを採用することで静粛性アップ
・レーンチェンジ機能付きのレベル2ADAS
・車内コンセント、および充電口からのV2L機能。V2L用のアダプターも標準装備
・ファーサイドエアバッグを含めた、合計7つものエアバッグシステム
・車両保証は5年10万km。バッテリー保証も業界標準の8年16万km

このようにエントリーグレードでも必要にして十分な装備内容を実現しています。

表

ちなみに上級グレードのLoungeでは、
・助手席側のレッグレスト付きの電動シート調整
・後席の電動シート調整とシートヒーター
・64色のアンビエントライト
・電動シェード付きのガラスルーフ
・BOSEの8スピーカーシステム
など装備内容がさらに充実しています。それでも574.2万円と、アリアと比較しても85万円も安価に購入可能であり、IONIQ 5のコスト競争力が頭ひとつ抜けていると感じます。

表

その一方で、多くの人がIONIQ 5に対して懸念しているのがアフターサービス体制でしょう。ところが現状の整備拠点を確認してみると、IONIQ 5が発売されてから着実に増え続けており、基本的には日本全国の主要な都市には提携整備工場が存在します。たとえば北海道にも、札幌と帯広の2カ所に存在しています。

ヒョンデの整備工場

少なくとも近隣に在住している方であれば、そこで整備メンテナンスすればいいわけであり、仮にバッテリーパックの交換などの横浜の工場での修理が必須となっても、ロードサービスも無償で対応してくれるため、じつはそこまで心配する必要もないと感じます。

このようにして、今回ビッグマイナーチェンジが行われたIONIQ 5はEV性能が飛躍的に改善しながらお値段ほぼ据え置きであり、競合と比較してもコスト競争力が高いことが見て取れます。とくに東京東雲、横浜、名古屋、京都四条、富山、岡山、福岡、沖縄にはショールームが存在するので、まずはその地域に住んでいる方でIONIQ 5に興味がある方は試乗しにいくのがいいでしょう。

ヒョンデのショールーム

新型モデルの投入によって、ヒョンデが2025年どれほどの販売台数を達成することができるのか。ヒョンデジャパンは今後5年間で販売台数を10倍に拡大させる方針を表明したものの、果たして実現可能なのか。2025年春に投入される小型EVのインスターの販売動向も含めて注目です。

TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
「58協定」未加入国のクルマを日本で売るのは難しい! なのに未加入のアメリカや中国のクルマが日本で売られるカラクリとは
20万円も高かったのに20万円安くしか売れない! EVの将来はリセールバリューの向上努力にアリ!!
ブレーキダストを封じ込めて環境対策! メルセデス・ベンツが開発したEVならではの技術「インドライブ・ブレーキ」ってどんなもの?
more
ニュース
ファッション&アウトドア好きにも刺さるEV! ヒョンデ「インスタークロス」が先行予約開始でいまなら秋キャンプにも間に合う
一充電走行可能距離はついに1000km超え! 日本でもっとも長く走れる新型EV「Audi A6 e-tron/S6 e-tron」シリーズが登場
走るために必要な電力は太陽光発電で自給する! ソーラーパネルを装備した3輪モビリティ「スリールオータ」の特別仕様車を限定30台発売
more
コラム
BYDがエンジンありのクルマを日本に導入予定! 気になるPHEV「シーライオン6」はやっぱり低価格で勝負!!
ただエンジンがバッテリー&モーターに変わるワケじゃない! EVシフトは製造業の産業構造が変わるほどの大きな出来事だった
150kWの急速充電器ならアッという間に満タンなハズ……があれ? EVの充電量が思ったよりも回復しない理由
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】いい意味で「EVを強調しない」乗り味! 本格4WDモデルも用意される期待のニューモデル「スズキeビターラ」に最速試乗
【試乗】5台の輸入EVに一気乗り! エンジン車に勝るとも劣らない「個性」が爆発していた
【試乗】CR-Vに中身を乗っけただけのプロトなのにもう凄い! ホンダの次世代BEV「0シリーズ」に期待しかない
more
イベント
公道レース「フォーミュラE東京」が帰って来る! チケットを持っていなくとも無料で1日遊び尽くせる2日間
災害に備えて未来を楽しむ! 「AWAJI EV MEET 2025」の参加はまだまだ受付中
災害時にも活躍できるEVの可能性を淡路島で体験! 「AWAJI EV MEET 2025 from OUTDOOR FEELS」開催決定
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択