2024年9月
TEXT:TET 編集部
免許がなくても参戦できる! マツダが「MAZDA SPIRIT RACING GT CUP 2024」を開催

「バーチャルからリアル」も夢じゃない! マツダは、PlayStation 5およびPlayStation 4用ソフトウェア「グランツーリスモ7」によるeモータースポーツ大会、「MAZDA SPIRIT RACING GT CUP 2024」を開催する。 モータースポーツをより身近で、気軽に楽しめるものにすることを目指し、2022年より活動を開始した「倶楽部 MAZDA SPIRIT RACING」。2023年からはドライバー本人の夢を叶え、モータースポーツのすそ野の拡大に貢献し、モータースポーツの文化を発展させることを目的に、チャレンジプログラム「バーチャルからリアルへの道」を実施している。 その一環として、引き続き2024年もeモータースポーツ大会「MAZDA SPIRIT RACING GT CUP 2024」を開催。参加クラスは「Challenge Class」と「U-17 Class」の2クラスだ。 「Challenge Class」の開催期間は2024年10月6日(日)~11月24日(日)。実車でのレース挑戦を目指す18歳以上の方が対象の、マツダ車両ワンメイクによるオンラインシリーズ方式。全5戦開催、4戦有効ポイント制。第4戦はコラボレーションラウンドとして、マツダ車両に加え、TOYOTA GAZOO RacingとSUBARUの車両も選択可能とし、3社車両混走でのレースを実施する。優秀な成績を収めた者には、リアルレースへの挑戦イベントに招待される予定だ。 「U-17 Class」の開催期間は2024年11月3日(日)~11月24日(日)。6歳以上17 歳以下のドライバーの方が対象。車種・コースは固定で、タイムのランキングを競うタイムアタック形式で実施。開催期間中は何度でも挑戦可能だ。 なお、各大会のエントリー方法、参加資格、使用車両などの詳細は、「MAZDA SPIRIT RACING GT CUP 2024」のサイトにて順次公開される。気になる方は是非チェックしてみてほしい!

TAG: #eモータースポーツ #グランツーリスモ #レース
TEXT:TET編集部
沖縄県のレンタカー店「BYD ドルフィン」を大量導入! じつは浅からぬ関係の沖縄とBYD

130台もの大量導入に至った背景とは? 「ありかも、BYD」のキャッチフレーズで乗用EVの積極的な展開を進めるBYDが、D&Dホールディングスの100%子会社で、事業者向けレンタカー業務を行うバンクレンタカーに、コンパクトEVの「ドルフィン・ロングレンジ」を計130台導入した。 実際に車両を運用するのは、D&Dホールディングスの関連子会社であるエバーグリーンモビリティと、D&Dマネージメントの2社だ。いずれも沖縄県内の店舗で8月29日からレンタカーとして運用を開始している。 エバーグリーンモビリティが運営する「エイビスバジェット・レンタカー 那覇空港店」では、2024年3月から試験的に10台のドルフィン・ロングレンジをレンタカーとして導入していた。今回はそれに次ぐ導入にあたり、90台を加えて計100台体制での本格運用に入る。なお、先行導入した10台は豊見城市と災害時の緊急電源として、避難所などに提供する協定を結んでおり、追加の90台についても同様に提供していく予定だという。 D&Dマネージメントは、2023年7月からBYD正規ディーラーである「BYD AUTO 沖縄」を運営しているが、今回のレンタカーに関しては「バジェット・レンタカー 石垣空港店」と「バジェット・レンタカー 宮古空港店」などで運用されるという。 BYDのEVが大量投入されることになった理由は、沖縄の自然環境保護にほかならない。しかし、排気ガスが出ず環境負荷が小さいからといって、電費を気にしながら沖縄県内を走りまわっていたら、レンタカー利用者は気疲れしてしまうが、そこは心配無用だ。 一般社団法人沖縄しまたて協会がまとめた「レンタカープローブデータを用いた観光交通特性調査」では、沖縄県内のレンタカーの平均走行距離は287.7kmという結果が報告されている。実際ドルフィン・ロングレンジを本格導入する前におこなった試験運用では、多くの利用者は経路充電を利用していないのだという。すなわち、クルマを返却するための充電を除けば、クルマを借りてから返すまでの間に、充電を気にする必要がないということだ。これにより、ドルフィン・ロングレンジは沖縄県内での運用に十分な航続能力が備わっていることが実証され、今回の大量導入につながった。 数字が示す沖縄でのBYD人気 じつはBYD、沖縄県とは浅からぬ関係にある。2017年に大型EV観光バス「K8」を10台導入したのを皮切りに、日本市場専用に開発されたコミューターサイズの小型EVバス「J6」は、これまでに沖縄県の自治体が計19台採用している。絶対数でいえばまだまだ数が少ないEVバスだが、これまで300台余りを導入し国内シェア8割を獲得したBYDの実績から考えれば、沖縄県の導入台数はその約1割にあたり、全国でもEVバスの導入に積極的な自治体が多いことがわかる。 一方の個人向け乗用EVは、2023年3月に「BYD AUTO 沖縄」がオープンして以来、2024年8月までに県内で236台の登録があったという。これも2023年1月から始まったBYDの乗用EV販売開始以来、2024年8月までに全国で2700台ほどの登録があったことを考えると、全国47都道府県のなかでも、沖縄でBYDが人気なことがうかがい知れる。 なお、BYDとしては、今回のEVレンタカー130台の導入により、県内外の多くの人にEVを体験してもらい、良い印象をもって今後のEV選びでBYD製を選択してもらえることが目標だとしている。また、レンタカー利用が終了したあとの車両は、今年から始まった認定中古車制度の基準に照らし合わせて、手ごろに乗れるEVとして全国の正規ディーラーで中古車販売がなされる予定だという。 BYDは公共交通の一端を担うEVバスと、個人利用が主となる乗用EVの双方で、沖縄の自然環境保全に対して地道に貢献してきている。その貢献に対し、ひとりでも多くの利用者が「ありかも、BYD」と思ってもらえたら、感慨もひとしおだろう。

TAG: #BYD #EVバス #ドルフィン #レンタカー #沖縄県
TEXT:TET編集部
とにかくこの形に惚れたんです! 日本中から124台もの日産アリアが集結した「日産アリア全国オーナーズミーティング2024」に潜入した

全国から日産アリアが124台が集結! クルマ趣味と切っても切り離せない関係にあるのが「オフ会」ではないだろうか。 自慢の愛車を会場に持っていき、展示しながら同じ趣味嗜好を持ったオーナーたちと交流を深めるのは、趣味の世界の醍醐味のひとつ。実際、一生の仲間と知り合うこともあれば、結婚相手が見つかる……なんてのも珍しくない。 今回は、そんなクルマ関係のオフ会のなかでも、ちょっとユニークな集まりに潜入したので、その模様をお伝えしよう。 TET編集部が真夏真っ只中の7月末に訪れたのは、山梨県のふじてんスノーリゾート内にある駐車場。足を踏み入れると、その光景に圧巻された。そう、会場内に所狭しとギッチギチに日産アリアが集まっているのだ。その台数なんと124台。間違いなく日本イチの日産アリアのオフ会だ。 このイベントは、「日産アリア全国オーナーズミーティング2024」というアリアオーナーによるアリアオーナーのためのオフ会で、2回目の開催となる。主催は、LINEのオープンチャットやX(旧Twitter)を軸に活動する、「NISSAN ARIYA Owner’s CLUB JAPAN(以下:AOCJ)」。2023年に行った第1回イベントは100台のアリアが集まったそうだ。 参加者は、LINEのオープンチャットに参加しているアリアオーナー(もしくは納車待ちオーナー)たちで、運営もすべてチャット内のボランティアたちが運営している。 今回はAOCJで会長を務めるJMKさんと、事務局を務める335さんに、イベントの特徴やアリアについて話をうかがった。 まず、この集まりを企画したキッカケは、「アリアの納期」を探るために解説したオープンチャットだったという。と、いうのもJMKさん。アリアが発表された際にデザインに一目惚れ。「これは買うしかない!」となり、契約に至ったそうだ。 しかし、契約するまでの関門はまだ低いのだが、ひとつ大きな問題に直面した。それが、納期遅延だ。アリアの販売はコロナ禍真っ只中にスタートした。故に、当初販売予定だったグレードはどんどん販売を延期し、納期も延び続ける状態。いてもたってもいられず、「いまの納車状況はどうなっているのか」、「アリアをいち早く手に入れた人たちはどんな生活をしているのか」などなど、とにかくアリアに関する情報がいち早く欲しかったそう。 そこで目をつけたのが、LINEのオープンチャットによるリアルタイムでのやり取りだ。AOCJの代表を務めるJMKさんを筆頭に、「いまのアリアの状況」や「アリアと送る生活」を、多くの人から集めたいという想いから、AOCJというグループが発足した。最初は数人だったチャットも、急速にメンバーを増やして現在400人以上が在籍しているとのこと。 しばらくして、335さんの手元にも無事にアリアが届き、待ちに待ったアリアと送る新しいカーライフのスタートだ。実際手に入れて、335さんはアリアのどんなところが気に入っているのだろうか? 「アリアはとにかく快適です。形も一目惚れしただけあってめちゃめちゃ格好いいですし、車内も広くて質感も高いので、総合的に見て文句なしですね。通勤で片道50kmほど乗っているので、ほぼ毎日100kmほど使っていますが、バッテリーの劣化も見られませんし。じつは私、アリアを2年でもう7万km近く乗ってるんですよ(笑)」と衝撃的なことをサラッと語る。 ただ、あまりにも快適なため、そんなに長く乗ったという感覚はないそう。 電気自動車といえば、車重から来る重さでタイヤの劣化も気になるポイントだが、335さん曰く、「この純正のブリヂストンの純正装着タイヤはめちゃめちゃ長持ちします。じつはまだ未交換なんです」と、オーナーならではの声も聞くことができた。 実際にタイヤを見せていただいたが、まったく限界まで使っている感じもなく、まだまだ余裕そう。ちなみに335さん、基本的に仕事から帰宅して自宅の200Vで充電することがメインなようで、ランニングコストも抑えられているんだとか。 「補助金もあったので、定価だとかなり高価なクルマですが、価格を少し抑えて買えたこともうれしいですね。ただ、東京の人たちが羨ましいです。熊本は政府の補助金以外ほとんど出ませんから……」と、補助金に対する不満をチラリと漏らす場面も。 これには、インタビュー中に周囲にいたユーザーからも、「東京はズルい!」という嘆きが聞こえた。電動化を国を挙げて進めていくなら、こういった不公平な現状を一刻も早く打開するべきだと、取材を通して強く感じた。たしかに、東京では政府から補助金(約90万円)と追加で約100万円の補助金が出るのに、そのほかの居住地では、政府の補助金は受けられても自治体からはほぼゼロなんてケースも珍しくない。 これを知ってしまうと、正直かなり馬鹿らしいのも事実。本当にクルマが必要なのは、首都圏ではなく地方部なので、多くの関係者が意見しているように、補助金の体制は見直す必要があるだろう(そもそも補助金ありきの売り方にも問題がありそうだが……)。 JMKさんと335さんは、今後このオフ会をもっと拡大して、アリアの輪を広げて、より幅広い層で楽しみたいと、今後の展望についても語ってくれた。今回のイベントの参加層は20〜30代が20%で、40代以降が80%と高めなこともあるほか、アリアを購入する層は、日産好きは多いものの、クルマが趣味だったという人はそれほど多くないという。まだまだオフ会という楽しみ方を知らない人が多いことから、アリアを通じて、仲間と楽しむカーライフや、EVの楽しさをさらに伝えたいとのことだ。 そんな新しいオフ会の形を提案してくれる、アットホームな雰囲気がウリの「日産アリア全国オーナーズミーティング2024」は、10月20日に岡山で開催されることも決定している。 アリアのオーナーはもちろん、これからEVの購入を検討している人には、ユーザーたちの生の声が聞ける貴重な機会となること間違いなしなので、以下のURLより要チェックだ。 AOCJ公式Xアカウントはこちら

TAG: #イベント #オフ会 #カスタマイズ
TEXT:TET 編集部
ヒョンデの野心的な中長期戦略「ヒョンデ・ウェイ」発表! 2030年までに年間販売台数555万台を実現しそのうちEVは200万台を目指す

エネルギー転換時代に世界のリーディングカンパニーへ 自動車ブランド「ヒョンデ」を抱える韓国のHyundai Motor(現代自動車)は、2024年8月28日に新たな中長期戦略「Hyundai Way」を発表した。 「2024 CEO Investor Day」と題されたイベントにおいて発表されたヒョンデ・ウェイでは、自動車製造にとどまらず、さまざまなモビリティ分野に進出することで、ゲームチェンジャーとしての地位を強化すると発表。エネルギー事業者としての役割を強化し、水素社会を実現することで、エネルギー転換時代にグローバルトップクラスのリーダーシップを維持できる企業へと生まれ変わることが明言された。 しかし、現代自動車が水素社会の実現に向けて突き進むからといって、自動車ブランドの「ヒョンデ」も水素一辺倒に転換するのかといえば、そうではない。EVとハイブリッド車の競争力を強化するため、バッテリー内製化に向けた取り組みや自動運転技術の進化、さらに既存エンジンを活用したレンジエクステンダー方式のEVを市場投入することでの価格競争力や、新興国市場対応など、あらゆる側面から変化するモビリティ社会に対し、柔軟に対応していくことが強調された。 発表内容をすべて網羅すると膨大な量になってしまうため、当記事では主にモビリティ分野に特化し、「Hyundai Way」における重要なトピックスを「新型EV車の市場投入計画」、「次世代向けハイブリッドシステムの導入」、「バッテリー製造の内製化」、「自律走行車の開発」、「水素技術開発」の5つの項目に分けてお伝えしたい。 新型EV車の市場投入計画 概要は次の通りだ。 ・2030年までに、2023年比30%増の世界年間販売台数555万台を目指す ・2030年までに世界で年間200万台のEV販売を目指す ・一充電航続距離が900kmを超える新EVである「EREV」の新モデルを北米と中国に導入予定 ・2030年までに、手頃な価格帯から高級車、高性能車に至るまで、全21車種のEVフルラインアップを揃える 2023年に世界年間販売台数が421万台に達し、世界の自動車メーカーのトップ3入りを果たしたヒョンデ。2030年までにはそれを555万台まで伸長させ、そのうち200万台がEVになるという未来を描く。 しかし、ヒョンデ自身は直近のEV需要減速を自覚しており、レンジエクステンダー方式(エンジンで電気を発電しモーターで走行する方式)のEVを投入することで、高価なバッテリーの搭載容量を減らして価格競争力を確保する。これにより、誰しもがEVならではの走行性能を手軽に体感できる環境を整え、将来のEV需要が回復した際には、消費者が自然にEVへ移行できる下地づくりを目指すとしている。なお、ヒョンデはこのレンジエクステンダー方式のEVを「EREV」と呼び、航続距離は900㎞以上を目指して開発中だ。 この戦略は日産がたどった道とも類似している。世界初の量産EVとして「リーフ」をデビューさせ、そののちにレンジエクステンダー方式の「e-power」を搭載した「ノート」で一気呵成にEVの普及とシェア拡大を強めた。今回の「Hyundai Way」では、BEVの「アイオニック5」をはじめとしたEVでイメージ作りをしっかり行ったうえで、2026年末までを目標に北米と中国でEREVの生産を開始し、2027年には本格的な販売に移行して量産EVメーカーとしての地位を確保する構えだ。なお、このEREVは北米市場向けにヒョンデブランドとその上級ブランドであるジェネシスから、それぞれDセグメントSUVとして世に送り出され、8万台以上の販売を目指すことが公表された。 また、ヒョンデは現在低迷中のEV需要が回復する時期を2030年と見込んでいる。それまでに生産能力の増強を行い、北米では2024年に、韓国でも2026年に新工場が立ち上げられる予定だ。 「EV は交通手段の未来ですが、すべての顧客が切り替える準備ができているわけではないことを認識し、顧客の好みに積極的に対応しています。そのため、ICE(内燃エンジン)、ハイブリッド、プラグイン・ハイブリッド(PHEV)、EV、水素燃料電池車など、さまざまなパワートレインを提供し続けていきます」とヒョンデは中長期戦略を語っている。 次世代向けハイブリッドシステムの導入 ひとつめの説明ですでに長くなってしまったので、ここからは駆け足でお伝えしたい。 現在コンパクトカーや中型車を中心に7車種で展開するハイブリッドシステムを、大型車や上級ブランドのジェネシスまで計14車種に倍増させる。なお、ジェネシスはEVのみのモデルを除いた全車種でハイブリッドが選択可能になるという。 同時に、次世代ハイブリッドシステム「TMED-Ⅱシステム」を搭載した量産車を2025年1月にデビューさせる予定だ。そして、この強化されたハイブリッド機能を活用して、ハイブリッド車の販売台数を2028年までに2023年比で40%以上の増加となる133万台を目標としている。このうちハイブリッド需要が急増するとヒョンデが予想する北米では、2030年までに販売台数を69万台に増やす計画だ。

TAG: #Hyundai Motor Group #ヒョンデ #事業戦略 #現代自動車
TEXT:中谷明彦
【試乗】二度見必至の存在感は普通のコナとはまるで別モノ! イメージを大きく変えたヒョンデ・コナ「N Line」に乗って感じたマルとバツ

「N Line」はドレスアップがメイン ヒョンデといえば韓国の自動車メーカーとして世界的に知られている。とくに欧州では人気が高く、日本メーカー各社をシェアで大きく上まわっている地域もある。 近年はとくにモータースポーツ活動を活発に行なっていて、トヨタ自動車も参戦しているWRC(世界ラリー選手権)やTCRワールドツアー(旧世界ツーリングカー選手権)などにも積極的に参戦。トヨタやホンダ、フォード、アウディに伍して好成績を収めている。2024シーズンは国内のTCR ジャパン戦にワークス参戦。韓国人ドライバーを擁してシリーズを席巻している。 そのヒョンデが同社の旗艦EV車であるアイオニック5をベースにハイパフォーマンスグレードとしてNモデルを仕立て、圧倒的な走行性能を披露して我々を驚かせたのも記憶に新しい。 今回、さらにコンパクトSUVである「コナ」をベースに「N Line」を追加設定して登場させたというので早速試乗してきた。 アイオニック5は「N」だがコナは「N Line」とネーミングしていることには訳があった。N Lineはパフォーマンスを徹底的に磨き上げた「N」ではなく、Nのスポーツフィールにフィーチャーしたスポーツイメージが与えられた仕様となっているのだ。メルセデスAMGのイメージを継承したメルセデス・ベンツの「AMGライン」やBMWの「M」モデルをイメージさせるBMW「Mスポーツ」などと類似している。 コナ N Lineはドレスアップチューニングがメインであり、パワートレインやサスペンションなどの機能部分はベースのコナを踏襲している。動力性能やドライバビリティ、電費などもコナのベース車と同じというわけだ。 しかし、実車を眼前にしてみると、ベースのコナとは随分とイメージが変化していることがわかる。 ベースのコナは、どちらかといえば地味なデザインで、あまりカッコいいと思わせるスタイルではなかった。ヒョンデには欧州系デザイナーが大勢いて、クルマ好きウケするスタイリッシュなデザインのモデルが多いが、コナはあえて目立たない大衆向けとしてデザインされているかのようだった。 それがN Lineとなると街なかで人を振り向かせるほどの存在感を纏わされている。細かなディテールを見てみると、フロント部はバンパー・グリルデザインが一新され、まるで別のクルマであるかのごとくイメージが変化した。ラジエターグリルのなかにも凝った加飾が施され、遠目にも見栄えがいい。 ボディサイドはサイドモールディングがボディカラーと同色となり、サイドシル部にはブラック塗装のスポイラーが装着された。また、コナの特徴だったベルトラインのシルバーモールディングもマットブラックに塗装され、スポーティさを醸し出しつつスポーツSUVを名乗るに相応しい無骨な逞しさも体現している。また、タイヤ&ホイールが19インチと大径化されたのもインパクトがある。 リヤビューではルーフスポイラーが大型化され、かつ左右分割のマルチスポークマウント方式を取り入れ、まるでWRCラリーマシンを彷彿させるかのような出で立ち。リヤバンパー下部もブラック塗装にアップスイープ形状を施した形状で迫力がある。 一見、コナのベース車よりひとまわり以上に大きくなったように見えるが、ボディディメンションは全長が30mm長くなっただけだという。

TAG: #N Line #試乗
TEXT:高橋 優
BYDシールで1000km走って「充電性能の安定性」に衝撃! リアルワールドでも「コスパ最強」が証明された

BYDの最新セダン「シール」のEV性能をチェック! BYDの最新セダンであるシールRWDで恒例の1000kmチャレンジを行いました。BYDのフラグシップEVがどれほどのEV性能を実現することができたのか。途中の電費や充電の様子を詳細リポートします。 まず、1000kmチャレンジの前提条件は以下のとおりです。 *走行ルート 海老名SA下り(神奈川県) ↓ 加古川北IC(兵庫県) ↓ 海老名SA上り(神奈川県) *走行条件 ・途中充電のための停車以外はノンストップで海老名SA上りを目指す ・車内の空調システムはつねにONにして快適な状態をキープ ・追い越しなど含めて、制限速度+10%までは許容 ・渋滞や充電エラー、充電渋滞など、車両の問題以外についてはトータルのタイムから除外 ・車種それぞれのオドメーターとGPS上の距離を補正(今回のシールRWD・19インチ純正タイヤ装着の場合はGPS距離よりも2.2%短く表示されているため、オドメーター上で978kmの段階でゴール) ※シールは当該トリップの電費情報が表示されません。他方で直近50kmの区間電費が表示されるので、50km毎に電費をメモ。すべてを平均して電費を算出しています。 1)海老名SA下り→湾岸長島PA下り(150kW級急速充電器) ・走行距離:298.2km ・消費電力量:100%→43% ・平均電費:約6.52km/kWh(152Wh/km) ・外気温:29℃→29℃ ・充電セッション:43%→85%(27分) まず、この区間で驚くべきは、300km先の目的地に充電残量43%で到着しているという点です。確かに120km/h制限区間の流れが悪かったため、空いている場合と比較すると電費がよく出てしまっているものの、それでもSOC60%弱で海老名〜名古屋を走破。これだけでもシールに搭載されている82.56kWhの大容量さを実感できるでしょう。 また、充電について、SOC85%まで充電を入れられた理由は、シールの充電性能の高い安定性です。というのも、シールはSOC60%前半まで105kWを発揮しながら、SOC80%前半まで80kW前半を維持することができます。この後、湾岸長島PA上り線までは150kW級急速充電器がないため、90kW級で発揮できる80kW前半を入れ切ってしまっています。なぜなら、途中の90kW級を使用する際に先客がいたり途中でEVが充電を始めると、充電出力を分け合ってしまい、規定どおりの出力を発揮できない可能性があるからです。 いずれにしても、このフラットな充電カーブは、テスラのような高い充電出力が一瞬しか発揮されず、断続的に充電出力を絞るという挙動よりも、一般ユーザーにとってわかりやすい仕様だと感じます。 2)湾岸長島PA下り→加古川北IC(折り返し)→草津PA上り(90kW級急速充電器) ・走行距離:325.1km ・消費電力量:85%→14% ・平均電費:約5.94km/kWh(168Wh/km) ・外気温:29℃→27℃ ・充電セッション:14%→31%(15分) すでに折り返し地点を超えました。1000kmチャレンジの最長区間での平均電費は約168Wh/kmと、120km/h制限区間を含む1回目よりも電費が悪化する結果に。120km/h制限区間の流れが少し悪かったことを考慮に入れても、160Wh/kmは切るだろうと推測していたので、やや残念な結果に。 そして、草津PAに設置されているのは90kWであることから、すぐ先の湾岸長島PAの150kWを使用したほうが充電時間を短縮できるので、ここでは湾岸長島PAに辿り着けるぶんだけの充電に留めています。

TAG: #充電 #長距離
TEXT:TET 編集部
EVに関心があっても導入に踏み切れないタクシー事業者多数! 広島でbz4Xを導入した事業者の陰に「電脳交通」の存在あり

「電脳交通」とは何者か? 徳島県に本社を構える電脳交通が、広島県の「よしじまタクシーグループ」に属する吉島タクシーと大竹交通のEVタクシー導入にあたって、その導入支援として情報提供および要望に基づいた提案を行い、パートナー企業である三菱オートリースとの連携からトヨタbz4Xをグループ全体で3台導入し、2024年8月23日からの運行を実現させた。 電脳交通とは、倒産リスクを抱えていた実家のタクシー会社を、ネットを活用した集客や低価格で導入できるソフトウェアを駆使したローコストオペレーションの構築などで経営再建に結び付けた近藤洋祐氏(現・電脳交通代表取締役)が、その経験をもとにITエンジニアの坂東勇気氏(現・電脳交通 最高技術責任者)とタクシー業界のDX化を加速させて企業体力の強化をサポートするために業務支援ツールを開発したのを機に立ち上げたタクシー会社発のベンチャー企業だ。 現在はクラウド型タクシー配車システムや配車業務委託サービスなど、タクシー業界全体のコスト削減や人手不足を補うITソリューションの開発と人的サービスの提供支援を生業としている。そのひとつに「EVタクシー取次サービス」というタクシー事業者向けサービスが存在する。 EVの導入に関心はあるものの、運用への懸念を持っているタクシー事業者は多く、電脳交通がタクシー事業者144社に実施したアンケート調査では、6割以上がEVタクシーに関心を持っていると回答した一方、具体的な商談に関心があるのは3割以上に留まったと語るのは、電脳交通の事業開発部部長の滝川浩司氏だ 。 そこで、電脳交通がもつオートリース事業者や自動車メーカーとの提携実績から、EVタクシーの導入に向けた情報提供や導入先の課題抽出、要望の聞き取りなどを行い、導入を支援するために生まれたのがこの「EVタクシー取次サービス」だ。このサービスを介してEVタクシーの導入事例が増え、具体的な運用が共有されることで、EVタクシーがより普及していくと電脳交通は考えている。 今回、このサービスにより、電脳交通が三菱オートリースに取次を行いEVタクシーの導入を実現したのが、広島県内でタクシーを運行する「よしじまタクシーグループ」だ。 よしじまタクシーグループが考えるEV導入のメリットとは? 導入のきっかけは、電脳交通からのEVタクシーに関するアンケートFAXだったと語るのは、よしじまタクシーグループ取締役の木本慎吾氏。当初は「EV車をタクシーにするのは無理だ」「充電の運用が不安」「導入コストが高い」といった否定的なイメージを持っていたそうだ。しかし、電脳交通や三菱オートリースとの出会い、試乗会の参加、すでにEVタクシーを導入しているタクシー事業者との交流を通じて、導入のハードルが下がったという。 導入の最大の目的は、地球環境への配慮だ。また、ガソリン価格の高騰に加え、LPガスも物価高騰の影響で値上がりしている。全国的にガススタンドの廃業が進んでおり、ガススタンドがないエリアも出てきた状況を踏まえると、これらの問題解決にはEVタクシーの導入が必要だと感じたという。同時に今回の導入が経費削減にも繋がることを、同社は期待している。 また、よしじまタクシーグループ代表取締役の木本弘三氏は、環境面に加え広島県の観光立県を目指すなかでEVの導入を約3年前から進めていたと語る。今回は3台のEVタクシー導入ではあるが、これが世界遺産の宮島・厳島神社や風光明媚な瀬戸内を抱える広島県の自然環境保護につながるきっかけになれば本望だろう。 導入されたEV3台はすべてトヨタのbz4Xだ。よしじまタクシーグループは長年トヨタ車を愛用しており、「トヨタだから」という信頼感が選定理由のひとつになっているという。さらに、SUVタイプで広い車内空間と快適性を備えており、広島を訪れるインバウンド観光客のニーズにも対応できるのも理由だ。 タクシー業界は慢性的な人手不足に直面しており、この問題は経営の危機に直結する。今回のEVタクシーの導入を通じて、業界が前向きな方向に進むとともに、「このクルマに乗ってみたい」「このクルマを運転してみたい」と思う人が増えることを期待しているそうだ。とくに若い世代がタクシー業界に興味を持つきっかけになればと同社は願っている。 コロナ禍の厳しい経営状況を経て、今度はオーバーツーリズムが叫ばれるほどのインバウンド需要で事業の急速な縮小拡大に迫られたタクシー業界。さらには折からの物価高騰によるランニングコストの増大。EVはこうした変化に対しての救世主となり得るのか。今後の動向に注目したい。

TAG: #bZ4X #タクシー #よしじまタクシーグループ #広島県 #電脳交通
TEXT:TET 編集部
買っていきなりレースを走るだと!? ヒョンデ「アイオニック5 N」の記念すべき納車第1号オーナーの声

日本での納車第1号オーナーの購入きっかけは試乗会 2024年6月5日から日本での販売が開始されたヒョンデのハイパフォーマンスEV「IONIQ 5 N(アイオニック5 N)」の納車が8月27日から開始された。 これにともない、納車第1号となるオーナーにヒョンデがインタビューを実施したので、その模様をお伝えしたい。 電動化時代にも変わらない「ドライビングの愉しさ」を追求した「アイオニック5 N」は、ハイパフォーマンスモデルならではの性能やさまざまな機能が搭載されたモデルだが、実際に購入したユーザーには高性能車を好むレース経験者から、家族でも毎日の走りを愉しみたいと考えるユーザーまでいるようで、じつに間口の広いハイパフォーマンスEVになっているそうだ。 今回、ヒョンデ・カスタマー・エクスペリエンス・センター横浜で、「アイオニック5 N」の記念すべき日本納車第1号となったオーナーに対し、納車を祝うセレモニーが開催された。オーナーの小峰さんは、5月に大阪府泉大津で開催された「アイオニック5 N」の試乗会において、そのパフォーマンスの高さに感銘を受けて購入を決意したのだという。では、オーナーご本人に「アイオニック5 N」の印象や今後の展望をうかがおう。 ひとことでまとめると「遊べるクルマ」それがアイオニック5 N ──なぜ今回ハイパフォーマンスEVの「アイオニック5 N」を選んだのでしょうか? 「仕事の営業⾞として使う、家族と旅⾏に⾏く、といった普段使いもできることが前提にありつつ、サーキットでも⾛れる部分に魅⼒を感じて購⼊しました。さらに、アイオニック5 Nはセッティングを簡単にカスタマイズできること、また、この値段でここまでのスペックのクルマはほかにないと思い、絶対に購⼊したいという気持ちがありました」 ──では、初めて試乗した際の印象はいかがだったでしょうか 「率直にサーキット仕様だなと感じました。搭載機能のひとつであるドリフトモードなど、サーキットでどこまでも⾃由に遊びたくなります。感想をひとことでまとめると『遊べるクルマ』です。じつは、試乗する前にアイオニック5 Nを予約していたのですが、乗り⼼地と実際の車体の⾊味を確認するため、試乗を 2 回⾏いました」 ──今後している特典やプログラムはありますか? 「このクルマのさまざまな機能に対して理解を深めるため、⾛⾏会やオーナー会を企画してもらえたら、ぜひ参加したいです。購⼊したほかのオーナー仲間の皆さんと、トルク配分や⾛⾏設定について、どんなセットが良かったのかなどを定期的に情報交換できることを楽しみにしています」 オーナーはレースへの参戦も計画! ──9月28日に富士スピードウェイで開催される電気自動車のレース『EV GP第5戦』に、このアイオニック5 Nで参戦されるとうかがいました 「今回のレースにはアイオニック5 Nが3台出場するという話を聞いているので、そのなかで1番になりたいです。さらに、富士のコースはほかのクルマでも走ったことがあるので、これまでのベストタイムを目指せるよう頑張ります」 ──ずばり、EV GPで勝つにはどうしたらいいでしょうか? 「モーター、温度、バッテリーの持ちなど、すべてを計算してアクセルとブレーキを踏まなければならないので、その駆け引きがEVレースの魅力だと感じています。(標準車の)アイオニック5で出場した筑波のレースでは、最初からアクセル全開で行けたのではないかという反省も残ったので、今回の富士のレースでは最初からアクセル全開でゴールまで走り抜けたいと思います」 ──でも今回のレースではアイオニック5 N独自の「Nモード」が使えます。勝負の行方を左右する鍵になりますよね? 「期待はあります。ただ、どの設定がベストなのかというノウハウが今は無いので、逆にヒョンデの方にいろいろと教えて欲しいです(笑)。 レースに出場するほかのアイオニック5 Nのレーサーの方々ともコミュニケーションを取ったうえで挑みたいですね」

TAG: #IONIQ 5 N #アイオニック5 N #ヒョンデ

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コラム
電費は抜群! 充電性能も文句なし! BYDシールの実走行テストでわかったEVとしての高い能力
BYDシールで1000km走って「充電性能の安定性」に衝撃! リアルワールドでも「コスパ最強」が証明された
日本で発売直後なのに中国では年次改良で新型登場! BYDの新型SEALの実力がヤバい
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インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
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試乗
【試乗】二度見必至の存在感は普通のコナとはまるで別モノ! イメージを大きく変えたヒョンデ・コナ「N Line」に乗って感じたマルとバツ
ボルボEX30で11時間超えの1000km走行チャレンジ! 課題は90kWまでしか受け入れない充電性能
EV専業の「テスラ」とEVに力を入れる従来の自動車メーカー「ヒョンデ」! モデルYとコナを乗り比べるとまったく違う「乗りもの」だった
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イベント
目のつけどころが「シャープ」なEVコンセプト発表! 「LDK+」を「SHARP Tech-Day’24 “Innovation Showcase”」で公開
1万km走行相当の利用券が10名に当たる! テスラがスーパーチャージャー10周年を記念したキャンペーンを実施
免許がなくても参戦できる! マツダが「MAZDA SPIRIT RACING GT CUP 2024」を開催
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