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発売後72時間で約5000台が売れた! ドイツのプレミアムEVセダンキラー「ファーウェイSTELATO S9」の恐るべき競争力


TEXT:高橋 優 PHOTO:EV NATIVE/THE EV TIMES
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「Stelato S9」から自動運転システムADS3.0をリリース

他方で、Sクラスに対抗するためには内外装の質感の徹底追求は必須でしょう。まず目を見張るのが、ショーファーカーとして最重要となる後席の快適性について、12方向電動調整、およびレッグレストを搭載するゼログラビティシートを採用。しかも、助手席を折りたたむことが可能となり、レッグレストとともに完全に足を伸ばしてくつろぐことが可能です。

Stelato S9のシート

もちろんシートヒーター、シートクーラー、シートマッサージは標準設定。また、リヤにはタッチスクリーンだけではなく、32インチもの投影スクリーンが装備されており、映像視聴であったり、ビデオ通話を行うことが可能です。

Stelato S9のモニター

さらに、ファーウェイとして重要なのが、それらのインフォテインメントシステムを駆動するHarmony OSの存在です。すべてのシステムが統合されており、直感的、かつシームレスな操作を実現します。

また、エグゼクティブ向けのプライバシー空間の確保という観点で、後席側の窓ガラスは全方向電動サンシェードが搭載。その上、スーパープライバシーモードと名付けられた、車内のマイクやカメラの機能をワンクリックでオフにすることが可能となり、乗降時に記録を抹消することも可能です。

さらに、プライバシーサウンドシールドと名付けられた、一列目に対する音を遮断する機能は、機密性の高い電話対応なども車内で可能となります。

Stelato S9のシート

また、フレグランス機能も、パリで受賞歴のある有名な調香師による特別な香料を含む3種類を標準搭載。さらに音響システムも、ファーウェイが独自にチューニングする最大2080Wを発揮可能な25スピーカーシステムのファーウェイサウンドを標準搭載。

静粛性対策も徹底し、時速40km/hと60km/hにおけるラフな路面環境、および時速80km/hと120km/hにおける整備された路面状況のすべてにおいて、Sクラスと7シリーズの静粛性を凌駕。乗り心地という観点でも、CDC付きのエアサスペンションを標準設定し、Sクラスをベンチマークとして、起伏路面や路面が荒れている状況などのさまざまな項目で、Sクラスよりも優れた乗り心地を実現しています。

Stelato S9の静粛性のイメージ

※ドイツ勢が得意とする時速120km/hの高速巡航において、S9は59.2dBと、メルセデスS450LやBMW 735Liよりも静粛性が高い

また、安全性について、高張力鋼の配合割合も80.6%と剛性を高めながら、エアバッグも9つ搭載。緊急回避性能を示すエルクテストも時速81.4km/hを実現しており、これもSクラスなどの競合のガソリン車を圧倒しています。制動距離も時速100kmから32.77mで停止可能です。

Stelato S9の安全性能のイメージ

そして、S9においてもっとも特筆するべきは自動運転システムでしょう。すでにファーウェイは中国全土において、高精度マップを必要としない、高速や市街地を問わない自動運転システムADS2.0をリリース済みです。そして、最新バージョンであるADS3.0をS9からリリース。9月末までに、発売済みのM5、M7、M9、およびLuxeed S7にもOTAでリリース予定です。

安全性やスムースさを高めることによって、中国市場における自動運転分野のリーダー的ポジションを、さらに確固たるものにしようとしてきています。

Stelato S9の自動運転のイメージ

発売開始72時間の段階で5000台弱もの確定注文を獲得しながら、さらに最初の週末までに8000台程度の確定注文数にまで増加したとも報告されています。EQSが月間100台程度しか売れないような高級BEVセダンセグメントにおいて、ゲームチェンジャー的な存在となり得るのか。果たして、ドイツ勢がこれまで支配してきていた高級車セグメントで、ファーウェイがどこまで成功を収めることができるのか。

ますます存在感を高めるファーウェイの動向には目が離せません。

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