2024年6月
TEXT:TET 編集部
キャデラックが新型EV「オプティック」を発表! クラス最高の室内空間を誇るエントリーモデル

10以上の地域でグローバル展開 現地時間2024年5月29 日、キャデラックは新型EV、「オプティック(OPTIQ)」を発表した。 「リリック」、「エスカレード IQ」、「セレスティック」、そして来年発表予定の「ヴィスティック」を含む、キャデラックのEVラインアップに加わることになる。 初公開されたヨーロッパは意外にも、10以上の地域で販売される予定だ。 「オプティック」はスポーティな走りに貢献する、デュアルモーター全輪駆動を装備。 85kWhのバッテリーパックと標準装備のデュアルモーター全輪駆動推進システムが、最高出力300馬力、最大瞬間トルク354lb-ft(キャデラック推定値)を発揮する。 ドライブモードは、日常的な運転に適した「ツアー」、ドライビングの強化とステアリング操作の向上を図る「スポーツ」、ホイールのスピンを防止する「スノー/アイス」、ブレーキ操作の応答性やステアリングフィールなどを好みに合わせて調整できる「マイモード」を用意。 「ワンペダルドライビング」では、あらゆる運転条件下でアクセルペダルのみで車両を減速および停止させることが可能だ。また、このシステムは前進運動エネルギーを電気に変換し、必要時に使用できるようバッテリーパックに蓄積する。 さらに、ドライバーがステアリングに装着された専用の感圧パドルで減速または停止させることができるドライバー制御のブレーキ機能、「リジェン・オン・デマンド」を搭載。 フル充電時の航続距離は、卓越した空力性能により300マイル(キャデラック推定値)を実現。DC急速充電では約10分間で79マイルの航続距離を追加する。 「アルティウム」プラットフォーム、「アルティウム」ドライブ・ユニット、そして低燃費タイヤ(LRR)の採用も航続距離に貢献。ベント付きリヤスポイラー、ディフューザーなどにより、デザインを損なうことなく空力性能を向上させた。 デュアルレベル・チャージコードは、家電用の4極コンセント(専門家による取り付けが必要)、または標準的な3極コンセントに接続できる。 エクステリアは、ファストバックスタイルの視覚的な軽快さとキャデラック特有のクロスオーバーEVのスタイリングを融合。 大胆なプロポーションのホイールとタイヤは、「オプティック」のアスレチックなキャラクターを際立たせている。 インテリアにはハイテクで快適、そしてつながりが感じられるようなデザインを採用。 キャデラックのラグジュアリーに独自の解釈を加え、イルミネーションや装飾、直感的に操作できる車載テクノロジー機能を搭載した。 33インチ対角の高度なLEDディスプレイは9k解像度で10億色以上を投影。 パターン入りアクセントファブリックは100%リサイクル素材から作られた糸で織られており、ペーパーウッド材はチューリップ材と新聞のリサイクルペーパーを同量ずつ使用している。 荷室容量と2列目はセグメント最高の広さを誇り、広々としたラグジュアリーな空間を実現している。 スーパークルーズドライバーアシスタンス技術には、高精細GPSマッピング、ドライバーアテンションシステム、車線変更機能、ステアリングライトバーを標準装備。 安全・運転支援技術についても、アダプティブ・クルーズ・コントロール、ブラインド・ゾーン・ステアリング・アシスト、エンハンスト・オート・パーキング、フォワード・コリジョン・アラートなどを標準装備する。

TAG: #SUV #オプティック
TEXT:高橋 優
電気自動車は儲からない……は過去の話! EVシフトを急速に推し進める「ボルボ」にみる「収益性の改善」

順調に進んでいるボルボのEVシフト 今回取り上げていきたいのが、北欧の自動車メーカーであるボルボの存在です。このボルボについて重要な前提知識がふたつ存在します。 まずひとつ目が、EVシフトの目標として、2030年までにグローバルで発売するすべての車両をバッテリーEVに置き換えるという、完全バッテリーEVシフトを宣言しているという点です。そして、完全EVシフトの過程において、2025年までにバッテリーEVの販売比率を50%にまで引き上げるという目標値も設定。つまり、来シーズン、ボルボはグローバル販売の2台に1台はバッテリーEVを販売しているということになるわけで、既存メーカーとしては極めてアグレッシブなEVシフト目標を掲げている状況です。 そして、現在ボルボについてはPHEVを7車種ラインアップしながら、バッテリーEVを5車種もラインアップしています。 ちなみに、日本市場においても長らく発売されているXC40 RechargeおよびC40 Rechargeに関しては、2024年2月中にも命名規則の変更を受けて、それぞれ、EX40およびEC40と名称が変更されています。 いずれにしても、現在はそのEX40、EC40、さらには、新型EVであるEX30、および中国市場で納車がスタートしている大型ミニバンEVのEM90、そして2024年前半に生産がスタートするフラグシップSUVのEX90の5車種をラインアップ中です。また、来シーズンにおいて、追加で新型バッテリーEVが投入されるとアナウンスされているものの、具体的にどのセグメントに投入されるのかは不明な状況です。 そして、もう一方のボルボに対する前提知識というのが、中国ジーリーが親会社として存在しているという点です。このジーリーについては、中国EV市場における主要プレイヤーであり、なかでもプレミアムEV専門ブランドであるZeekrに関しては、2024年シーズンにおける年間販売台数目標を23万台に設定するなど、急速にプレゼンスを拡大中です。 さらには、ロータスやスマートなども同じジーリーグループの傘下に属しており、そして重要なポイントというのが、このジーリーグループ全体でEV専用プラットフォームであるSEAを横断して採用することで、グループ全体のスケールメリットを図ってきているという点です。 実際に、ボルボの新型コンパクトSUVであるEX30についてはSEAを採用しており、同じくコンパクトSUVとして、スマートからもスマート#1、そしてZeekrからもZeekr Xが発売されていることから、兄弟車としてラインアップすることでコスト削減へ繋げようとしてきているわけです。 そして、そのような背景において、今回新たに明らかになってきたことというのが、ボルボが2024年第一四半期における最新のEVシフト動向、および収益性を発表してきたという点です。 まず、そのEVシフトの進捗動向に関しては、バッテリーEV販売台数が3.8万台オーバーと歴史上最高の四半期を更新しながら、前年同四半期比でも27%もの増加を記録しています。新車販売全体に占めるバッテリーEVシェア率が20.89%と、ついにボルボ史上初めて、四半期ベースでのバッテリーEVシェア率で20%の大台を突破するという快挙を達成しました。 また、この販売台数増加に大きく貢献したのがEX30の存在です。第一四半期だけで1.45万台もの販売台数を実現。まだ2023年末から納車をスタートしたばかりであるということ、しかも3月単体で行くと8681台もの販売台数を記録したことを踏まえると、このバッテリーEV比率2割越えという数値が、年末にかけて30%へ大きく近づいていくことは、まず間違いないでしょう。

TAG: #EVシフト #VOLVO
TEXT:斎藤 充生
マッチも亜久里もチームを率いて参戦! なぜトムスは「EVカート」に本気なのか?

モータースポーツ業界の起爆剤として期待 違和感を覚えたトムスのEVカート開発 トヨタ車のカスタマイズ・チューニングパーツの開発販売と、国内屈指の強豪レーシングチームを運営するトムスが、ここまでEVカートに熱心だったとは恐れ入った。 遡ること2年前。突如トムスがEVカートの開発ならびに全日本カート選手権にEVクラスを新設すると発表した。それまでレーシングフィールドで培った技術を、市販乗用車向けパーツに還元する形でその開発・技術力を証明してきていたものの、それがレーシングカートとなると少々畑違いな気がした。 それが、2024年5月30日にシティーサーキット東京ベイで行われた全日本カート選手権EV部門の参戦ドライバー最終選考会議、およびチーム体制発表会を取材して、考えが180度変わった。この取り組みに対し、ひとりのモータースポーツファンとして大いに応援したい気持ちになった理由を報告したい。 トムスのEVカートは「TOM’S EVK22」と呼ばれ、出力24kW、最大トルク100Nm、最高速度125km、0-100km/h加速は4.0秒という性能を持つ。これがどのぐらいの性能なのかというと、新東京サーキットでのラップタイムは全日本カート選手権の最高峰クラス「OKクラス」のわずか2秒落ち、入門カテゴリーの「KTクラス」に比べると5秒ほど速く、レーシングカートとして必要十分な性能を持つ。 今回の発表会は、前半が大会の概要説明、後半が2024年度の全日本カート選手権EV部門の各チーム参戦体制発表、ならびに参戦ドライバーのドラフト会議といった構成で行われた。 本稿では、前半の大会概要説明の部分について触れていきたいが、重要なのは開催に至る背景と取り組み方で、それこそが180度考えが変わった点だ。なので、そこにフォーカスして以下お伝えしたいと思う。 カートを取り巻く現状 大会概要説明はトムス代表取締役社長の谷本勲氏から行われ、モータースポーツにおいてのカートの立ち位置から話が始まった。サーキット四輪レースを頂点とした場合、本来カートは身近な存在であり、だれもが気軽に体験できるモータースポーツの入口ではないかと谷本氏は説く。 事実、現在国内外で活躍するトップドライバーの多くは幼いころからレーシングカートで経験を積み、四輪レースへと昇格している。また、成人であっても趣味としてカートを楽しむ方は多く、スポーツとして見た場合の対象年齢は幅広い。野球で例えるなら、軒先でのキャッチボールに始まり、地域の少年野球団から高校野球を経てプロ野球に入団するステップアップの面もあれば、社会人になってから趣味で草野球に参加するのも、野球というスポーツを楽しむひとつの在り方で、カートもそうなっていなければならないということだ。それだけにカートはモータースポーツ業界全体にとって入口であり重要だ。 しかし、カート競技に出場するためのライセンス発給数は、1995年の9703人をピークに、2023年には4863人まで減少しているという。 この統計変化について谷本氏は、1980年代末から1990年代前半までの第1次F1ブームを例に挙げた。選手に憧れてカートを始めたり、F1ブームにあやかったテレビ番組やコンテンツに影響されて始めたりといった背景が大きく影響したのではないかと分析する。 かくいう私も、小学生の頃、お昼の人気番組にアイルトン・セナや片山右京がゲスト出演したのを見たし、他番組では星野一義、鈴木亜久里、近藤真彦といった国内のトップドライバーが芸能人とカート勝負をして番組を盛り上げ、カートの魅力に引き込まれた記憶がある。それが直接的なきっかけかは記憶が定かではないものの、同級生を誘っていまは無き多摩テックや自転車で行ける範囲にあったレンタルカート場に、なけなしの小遣いで通ったりもした。 しかし、いまはどうだろう。地上波テレビ番組はおろか、Youtubeをはじめとしたインフルエンサーマーケティング、動画コンテンツにおいては、有名人の自動車カスタムや経営者層が乗る高級スポーツカーの自慢大会こそあれども、自動車レースの原体験的なカートを取り上げたコンテンツは非常に少ない印象だ。 加えて全国に約80箇所あるカートコースは売上がピーク時の5分の1にまで減少し、ライセンス発給数以上にカートを体験する人数が減少し、市場がシュリンクしているではないかと谷本氏は現状を憂いている。それは競技会の開催数も同様で減少の一途だ。 この現状を打破し、モータースポーツ業界全体の活性化につなげたいということで、奮い立ったのがトムスでありEVカートなのだ。

TAG: #EVカート #トムス
TEXT:TET 編集部
メルセデス・ベンツ唯一の3ボックスセダンEV「EQE」に特別仕様車! 「EQE 350プラス エレクトリックアート」は日本限定30台

限定30台でふたつの異なる仕様を用意 メルセデス・ベンツ日本は、同社で唯一の3ボックスセダンタイプで電気自動車(EV)の「EQE」に、日本で限定30台のみの特別仕様車「EQE 350プラス エレクトリックアート」をラインアップ。2024年5月29日から予約注文の受付を開始したことを発表した。 EQEは専用プラットフォームを採用しているだけでなく、EVならではのパッケージの有用性を活かした空力に優れた「キャブフォワードデザイン」のエクステリアを持ち、面構成や継ぎ目の少なさなどを徹底した結果、量産乗用車では最高レベルの低い空気抵抗値を達成している。EVならではの低重心さがもたらす操縦性の高い走りも魅力のひとつだ。 リヤアクスルに電動パワートレイン(eATS)を搭載し、最高出力292馬力(215kW)を発生。リチウムイオンバッテリーのエネルギー容量は90.6kWh、WLTCモードの一充電走行距離は617kmを誇る。また、車両を蓄電池として利用し、充放電器を介して車外へ電力を供給する給電機能「V2H(Vehicle to home)」と「V2L(Vehicle to Load)」にも対応している。 そのため、自宅に駐車しているときに充電し、夜間はEQEから家庭に電気を送るといった使い方ができる。これにより、電気代の節約やCO2の削減に寄与することができる。むろんバッテリー容量が90.6kWhもあるので、非常時の電源としても有効だ。 さて、特別仕様車のEQE 350プラス エレクトリックアートだが、日本限定30台とはいうものの、標準車のEQE 350プラスをベースに、仕様とカラーの違いで台数が細かに設定されているので注意が必要だ。 まずは仕様の違い。ひとつ目の仕様は、キャブフォワードデザインを取り入れた伸びやかでクーペのようなエクステリアデザインに、「エレクトリックアートライン」と新デザインの19インチアルミホイールを採用。こちらは15台の販売を予定している。 ふたつ目の仕様は、「AMGラインエクステリア」やパノラミックスライディングルーフを採用したAMGラインパッケージこちらも15台の限定モデルとなる。 そしてボディカラーの違いによる台数の内訳だが、エレクトリックアートライン仕様の15台のうち、ポーラーホワイトが5台、オブシディアンブラックが10台となる。メーカー希望小売価格は両カラーともに消費税込み1040万円。 一方のAMGラインパッケージ仕様は、オブシディアンブラックが5台で1156万5000円。オパリスホワイトとアルペングレーが各5台で1169万9000円だ。このため、仕様とカラーの組み合わせによっては、かなり希少性のある個体が誕生することになる。 両仕様とも、高電圧バッテリーから発生する廃熱を車内の暖房に利用することで、車内を温める際の消費電力を大幅に削減するヒートポンプを標準装備している。ほかにもiPhoneでクルマの始動やロック操作が可能になるデジタルキーや、SpotifyやAmazon Musicなどの音楽ストリーミングサービスに加え、Youtubeなどのビデオストリーミングをテザリング無しで操作することができる「MBUXエンターテインメントパッケージプラス」を標準採用する。 また、新車購入から5年間または10万kmのいずれか早い方まで保証する「EQケア」や、高電圧バッテリーを10年または25万kmまで保証するプログラムが特別仕様車には付帯される。クリーンエネルギー自動車導入促進補助金は52万円が適用されるため、エレクトリックアートライン仕様であれば実質的な車両本体価格はアンダー1000万円となる。 EQE 350プラス エレクトリックアートは、保証を含めてかなりお得感のある特別仕様車になっている。気になる方はメルセデス・ベンツ正規販売店に急行してほしい。

TAG: #EQE #セダン #メルセデス・ベンツ #特別仕様車
TEXT:TET 編集部
日産サクラが一部改良! 標準装備の追加で使い勝手を向上

新ボディカラーも追加 日産自動車は、日産サクラと90周年記念車の日産サクラ 90th Anniversaryを一部仕様向上し、2024年6月4日より発売した。 日産サクラは軽自動車の電気自動車で、2年連続で電気自動車販売台数No.1を獲得。また、環境負荷低減、およびBCP対策を目的とした法人や自治体の多くが導入しているという。 日産サクラ 90th Anniversaryは日産自動車創立90周年を記念して、2023年12月に発売。カッパー(銅)カラーのアクセントや素材やステッチにこだわった専用シートの採用により、特別感を演出した一台だ。 今回の一部仕様向上ではグレードS 、Xにバックビューモニターとディスプレイ付自動防眩式ルームミラー、Gには助手席にもヒーター付シートを標準装備し、使い勝手の向上を図った。また、Amazon AlexaをEV専用NissanConnectナビゲーションシステムに搭載。 ボディカラーにはシルキーライラック/チタニウムグレーの2トーンを新たに採用した。 価格はグレードSが税込み253万6600円、Xが259万9300円、Gが308万2200円、X 90th Anniversaryが270万9300円だ。

TAG: #サクラ #軽自動車
TEXT:TET 編集部
ヒョンデのモバイルサービスカー「ヒョンデQちゃん」2号機発進! 出張メンテナンスをするだけではない第二の役割にも期待

軽整備なら専任スタッフとQちゃんが現地対応 ヒョンデのクルマをさらに安心して乗ることができる「モバイルサービス」というサポート体制があるのをご存知だろうか。これは、車両に不具合が発生した際、出張整備で初動不具合診断や部品交換、キャンペーン作業、ソフトウェアアップデートなどの軽整備をしてくれるものだ。 メインバッテリーやモーター交換などの重整備、不具合以外の一般整備、タイヤ交換やタイヤの脱着を伴うなど、リフトアップが必要な修理対応は協力整備工場への入庫が必要なものの、一般的なロードサービスとは異なり、ヒョンデの専門メカニックが出張料無料で駆けつけてくれるから、輸入車なうえにEVであっても安心感が高い。 また、モバイルサービスはヒョンデの整備予約ページから事前予約することもできる。利用にあたっては、訪問先が一定の条件を満たす整備環境であることや、不具合内容を細かく確認し、現地対応可能と判断された場合に限られるなどのいくつか条件がある。しかし、協力整備工場から遠方に住んでいる場合や、リモートワークをしている最中に整備を依頼したい方にはおすすめのサービスと言えるだろう。 ヒョンデQちゃんの気になる中身と第2の役割 ヒョンデは出張対応にうってつけの整備専用車両「モバイルサービスカー(通称:ヒョンデQちゃん)」を1台、同社のカスタマーエクスペリエンスセンター横浜に2023年4月から常駐させている。先ほどの利用メリットからか、需要は拡大を続けているといい、2024年5月30日から2号機のヒョンデQちゃんが配備されることとなった。 このモバイルサービスカーは、ヒョンデが販売しているBEV「アイオニック5」をアフターサービス用に改造した車両だ。特殊工具を含む整備用具や、事務手続きのためのプリンター電源は、アイオニック5のV2L(Vehicle to Load)機能を活用する。さらに、ヒョンデオーナーに対するホスピタリティとして、修理中に淹れたてのコーヒーなどの提供にもこのV2L機能が活用される。クルマのケアだけじゃなく、オーナーに癒しも提供するなんてすごいぞQちゃん。 今回稼働を開始した2号機のモバイルサービスカーは、2023年4月稼働開始の1号機の出張整備実績をもとに、より現場に特化した実践的な工具を搭載し、EV整備に特化した仕様になっている。さらに車体はリフトアップが施され最低地上高がアップしているほか、オフロード用タイヤを採用するなど、悪路対策が施されている。 悪路に強いということは、ユーザーサポート環境の幅を広げる一環ではあるものの、ヒョンデはもうひとつのメリットを提示している。それが災害支援だ。先述のV2L機能を活用した非常時の電力配給をはじめ、災害現場や被災地の支援活動にも積極的に対応する計画だという。そのために2号機は悪路走破性を向上させているのだ。 1号機のモバイルサービスカーが、副次的要素にアイオニック5の広々とした空間と室内デザインを活かし、木材パネルなどを使用してカフェのようなインテリアを採用して、ユーザーへのホスピタリティを重視したのとは対照的に、2号機はより機能性を向上し、社会貢献性も持たせたとみるべきだろう。 2024年5月現在は、カスタマーエクスペリエンスセンター横浜を拠点に活動しているモバイルサービスカーだが、今後は「モバイルサービス」とともに順次対応範囲を広げていく予定だという。また、2023年4月時点では全国39箇所だった協力整備工場は、現時点で62箇所まで拡大され、これまで以上にサポート体制が充実した。 ちなみに、モバイルサービスカーのことをヒョンデは通称「ヒョンデQちゃん」と名付けているが、この名前にはサービスカーのベース車両である「IONIQ5のQ」と「レスキューのキュー」という意味が込められているとのこと。もしヒョンデオーナーでモバイルサービスカーのお世話になったら、親しみを込めて「ヒョンデQちゃん」と呼んであげよう。 ヒョンデに限らず、テスラなどでも類似のサポート体制が敷かれているが、まだまだEVの所有に不安を覚える方や、アップデートにより進化するEVの特長を考えると、同様のサービスは今後も需要は拡大していくことだろう。すでに電欠対応のロードサービスをヒョンデは行っているが、今後は車両から車両への給電を可能にするV2V(Vehicle to Vehicle)機能の実装を計画しているというから、モバイルサービスカー自体の機能向上にも期待していきたい。

TAG: #アイオニック5 #ヒョンデ #メンテナンス
TEXT:斎藤 充生
BMW初のブランドストア「FREUDE by BMW」オープン! 所有してわかった「EVの魅力」をアンバサダーの俳優・井浦 新が大いに語る

FREUDE by BMW 麻布台ヒルズにオープン 2024年6月1日にBMW初のブランドストア「FREUDE by BMW」が東京都の麻布台ヒルズにオープンした。このブランドストアとは、いわゆる“クルマを売らないお店”で、近年ハイブランド自動車メーカーがこぞって出店している、ブランドの魅力を伝えるための情報発信拠点だ。 FREUDE by BMWは、BMWオーナーでなくとも誰でも利用できる施設で、世界的にも価値の高いモデルや最新モデルを展示するほか、日本とドイツの食文化を融合させたカフェ・バー「CAFÉ&BAR B」や、ミシュラン三ツ星店をはじめ、完全紹介制の有名店で腕を磨いた料理人によるカウンター8席からなる完全事前予約制の日本料理レストラン「無題」といった飲食施設に、日本初導入のBMWライフスタイルコレクションを扱う「リテール」などが設置されている。 BMWブランドフレンドによる内覧に同行 このオープンを間近に控えた某日、BMWのブランドフレンド(いわゆるアンバサダー)とともに施設を見学できる機会に恵まれた。 現在ブランドフレンドを務めるのは3名。 俳優業と並行して自身のサスティナブルコスメブランド「Kruhi」で、地球環境保全や気候変動・地球温暖化防止に取り組む井浦 新さん。 史上最年少の18歳でピアノの日本音楽コンクール優勝を果たし、2021年には第18回ショパン国際ピアノコンクールで、日本人としては半世紀ぶりとなる2位を獲得するなど、現在はピアノだけでなくオーケストラのプロデュースも行う反田恭平さん。 そして、幼少からインターナショナルスクールで学び、中学からはスイス、米国にわたるなど早くから国際感覚を身に着け、バスケットボールで鍛え上げられた身体を活かし、近年は東京・ミラノ・ロンドン・ニューヨークなどでもモデルとして活躍するUTAさん。 今回このお三方の内覧に同行させていただいたのだが、その際に井浦新さんから現在お乗りのiXについて興味深いお話をお聞きすることができた。 井浦さんがクルマ選びで重視することは、ずばり「荷物が入ること」だ。つまりは積載性を重視されているということだが、幼少の頃はご多分に漏れずスポーツカーが好きだったのだとか。もともと井浦さんはモデル業から芸能活動をスタートさせている。加えて自身でファッションブランドを立ち上げるほど、デザインにはこだわりを持っている。 だからこの日も、案内役の方から説明は聞くものの独自の審美眼でFREUDE bby BMW全体をご覧になられていた印象。また、1階エントランスに展示されている1967年式の1600TIを前に、ご自身のカメラで熱心に写真を撮られている姿が印象的だった。プレスラインにも気を配りながらの撮影は、さしずめプロカメラマンの所作そのもの。 1600TIの対面に展示されたBMW最新のコンセプトカー「ノイエクラッセ」に対しては、一層熱を帯びて撮影されており、クラシカルと先進性を高度にバランスさせたデザインに興味津々といったご様子。 「峠こそEVに合ってると感じる」 ひと通りの内覧が終わった後、我々報道関係者に対して取材に応じてくださったのだが、そこで各自の人生における歓びを感じることについて言及するなかで、井浦さん自身が所有するBMWのEV「iX」について語られるシーンがあった。 先ほど申し上げた通り、井浦さんがクルマに求めるものとしてもっとも重要視するのは積載性だ。エンジンでもなく走りでもない。そんな井浦さんは「iX」について次のように語っていた。 「僕は登山が好きなんですけど、クルマが電気(自動車)だから関西とか東北とか、あまり遠方までは行かないのですが」と前置きしながらも、「電気(自動車)って峠を走ることって、ものすごく相性がいいっていうことに気づいたんです。つい先日も山梨県のある山に出かけたんです。登山口までかなりうねった道なのですが、行きも帰りの快適さとかハンドリングといったものが全然いいんです。EVと峠ってこんなにも相性がいいのかと」とEVの素性の良さを評価する。 もちろんプロダクトとして、iXの出来が良いということは疑いようがない。だが素性が悪ければいくらコストをかけたって良くはならない。 「EVってちょっとアクセルを入れるだけで、クッとノーモーションで加速してくれる感じが得られて、高速も確かにいいんですが、こういう(うねった峠)道にすごい合ってるな、こんなに走りやすいんだなって知りました」 「登山ってモモ上げ運動なので、下山して来たら脚がガクガクなんで帰りのクルマの運転ってけっこう危ないんです。iXってまったく疲れないですし、座ってるシートのクオリティがいいから身体がしっかりホールドされるんですよね。だから峠の下りもまったく身体がぶれないし、高速も楽。登山も楽しめて運転も楽しめる良いクルマです」 iXの魅力について、積載性の次にデザインを褒めるとばかり思っていたのだが、想定外のコメントが出てきたので少々驚いた。ご自身で運転されて山登りをし、そして帰路をまた運転して帰る。そういった実体験のなかでEVの素性の良さと、iXの良さを感じられているわけで、これは率直なEVの感想として受け止めたいと思う。 また、この話には、同席していたBMWブランドフレンドのUTAさん、反田さんも聞き入っておられた。EVが何となく良さそうとは思っていても、その良さを的確に伝えられる身近な人は案外少ない。だから現在はX7にお乗りというおふた方には新鮮に聞こえたのだろう。 バッテリーを床下に収納することで低重心化が図られている、EVだからこそ得られるハンドリングというのは、確かに誰が乗ってもわかるものかもしれない。そしてEVならではの瞬時にトルクが立ち上がるメリットも。 今回、井浦さんはBMWブランドフレンドという立場から、ひとことずつ丁寧に言葉を選びながら話されていた印象だったが、ことお子さんのことと、登山を絡めたEVの良さを語る場面では、饒舌だったのが非常に印象深かった。 BMWは既報のとおり2024年第1四半期のグローバル市場では、販売台数の7〜8台に1台がBEVモデルになるほど電気自動車がユーザーから支持されているブランドだ。元来、走りに定評のあるブランドは、EVになっても健在どころか、さらに磨きがかかっているのかもしれない。クルマに何を求めるかは人それぞれだが、井浦さんのようにハンドリングやパフォーマンスに重きを置かない方でも、乗ればわかるEVの良さ。今回の取材を通じてそれが伝わってきた。

TAG: #BMW #芸能人
TEXT:TET 編集部
BMW X1シリーズに新たなEVモデルを追加ラインアップ! 「iX1 eDrive 20 M sport」を発売開始

一充電走行距離が30km延びて495kmに 日本におけるBMWのボトムラインを形成するプレミアムスモールコンパクトセグメントで、唯一のSUVモデル(BMWではSAV=スポーツ・アクティビティ・ビークルと定義される)となる「BMW X1」。そのラインアップにEVモデル「BMW iX1 eDrive20 M sport」が追加された。 BMW X1は、武骨なSUVとは一線を画す、オンロード走行性能を高めたSAVという革新的なコンセプトを持つモデルのひとつ。ほかのBMW Xモデルと同様に、さまざまな特長を備えながら、高いアイポイントがドライブ時に安心感をもたらすセミコマンドシートポジションや開放感のあるインテリアスペース、多彩な収納機能と自由自在にアレンジ可能なリヤシートなど、アクティブなライフスタイルにも柔軟に対応する使い勝手の良さを持ち、BMWならではの俊敏で爽快な走りを兼ね備えたプレミアムスモールコンパクトセグメント唯一のSAVである。 現行型のBMW X1は初代から数えて3代目にあたり、BMWカーブドディスプレイの採用やiDriveコントローラーの廃止など、ユーザーインタフェースのデジタル化が大幅に進み、モダンな内外装と相まって洗練された印象のモデルに仕上がっている。 これらにより、2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤーにおいても、「10ベスト・カー」に選出され、さらには輸入車における最優秀モデルとなる「2023-2024インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」の栄冠を勝ち取っている。また、2024年度のRJCカーオブザイヤーにおいても輸入車の最優秀モデルとして「2024年次RJCインポートカーオブザイヤー」を受賞するなど、非常にその評価も高い。 そして今回、追加ラインアップされたのが、EVモデルの「BMW iX1 eDrive20 M sport」。同車は電気モーターを前輪に備えるフロント駆動モデルであり、その最高出力は204馬力(150kW)、最大トルクは250Nmを発揮する。ボディ床下に収められたリチウムイオン電池のバッテリー容量は66.5kWhで、先行してBMW X1シリーズにラインアップされていた「BMW iX1 xDrive30」に比べ、約140kgの軽量化を達成。これにより、WLTCモードの一充電走行可能距離は30km延長された495kmまで延びている。 また、今回は同時に1.5リッター直列3気筒ツインパワーターボの高効率ガソリンエンジンを搭載した「BMW X1 sDrive18i M Sport」も新たにラインアップに加わっている。これにより、X1シリーズは電気自動車(EV)、高効率ガソリンエンジン、クリーンディーゼルエンジンという、3つのパワーユニットが揃った。ラインアップの充実化が図られたことで、さまざまなユーザーニーズにも応えられる形となっている。 なお、BMW iX1 eDrive20 M sportの価格は650万円。2024年5月29日から販売が開始され、納車は8月頃からとなる見込みだ。

TAG: #BMW #iX1 #SUV #新型車情報

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