試乗
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日々の生活の相棒としてBYDのコンパクトEV「シーガル」は最適な1台かもしれない


TEXT:小川 フミオ PHOTO:BYD
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なめらかな走行感覚

試乗場所が、広いとはいえ深圳のBYD本社の敷地内だったため、信号ダッシュも、ワインディングロードからいかに速く抜け出していくかなんていう走り方も、試せなかった。でも、フツウに走るぶんには、スムーズな加速感だ。

車重がBYDの諸元表に記載されていないのが残念だが、最大トルク135Nmでもかったるさは感じなかった。まあ、発進から時速50km/hまで4.9秒ていどなので、BYDの上級モデルほど驚くような加速性はないけれど、日常使いは十分だろう。

乗り心地はけっこうよい。アクセルペダルの急なオンオフでノーズが動くようなこともなく、終始フラットな姿勢を保つ印象だ。太めのグリップのハンドルを握って、走っていると、無理なところがまったくない、スムーズな走りに感心した。

このなめらかな走行感覚が、新世代のBEVといえるかもしれない。作りも走りも高品質で、かつユーザーをきちんと定義してパッケージを作りあげるといった、BYDの技術力は大したものだ。

世界的なトレンドとしては、スポーティな走りが楽しめる高性能BEVが増えてきそうな気配もあるが、いっぽうでシーガルのようなモデルも多くなるのではないだろうか。噂では韓国からもコンパクトBEVが上陸する可能性があるとか。

エンジン車で、高級車、スポーツカー、小型ハッチバックなどバリエーションが増え、出来がうんとよくなったのが、1970年代後半。あのときの、わくわくした気分を、ちょっと思い出してしまった。

BYD シーガル 活力エディション

全長:3,780mm
全幅:1,715mm
全高:1,540mm
ホイールベース:2,500mm
一充電走行距離:305km(CLTCモード)
最高出力:55kW(75ps)
最大トルク:135Nm(13.8kgm)
バッテリー総電力量:30.08kWh
モーター数:前1基
駆動方式:FWD(前輪駆動)
フロントサスペンション:マクファーソン・ストラット
リアサスペンション:トーションビーム
タイヤサイズ:前後165/65R15
最小回転半径:4.95m
車両本体価格:7万3,800元(約150万円)

 

BYD シーガル 飛翔エディション

全長:3,780mm
全幅:1,715mm
全高:1,540mm
ホイールベース:2,500mm
一充電走行距離:405km(CLTCモード)
最高出力:55kW(75ps)
最大トルク:135Nm(13.8kgm)
バッテリー総電力量:38.88kWh
モーター数:前1基
駆動方式:FWD(前輪駆動)
フロントサスペンション:マクファーソン・ストラット
リアサスペンション:トーションビーム
タイヤサイズ:前後175/55R16
最小回転半径:4.95m
車両本体価格:8万9,800元(約180万円)
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