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「BMW iX xDrive50」の高速電費は我慢不要! ロングドライブにうってつけのEV


TEXT:烏山 大輔 PHOTO:小河原 認、烏山 大輔、BMW
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最も使いやすいACC

iXのACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)の設定は、ステアリングホイール左側のスポークにあるボタンで行う。「+」と「ー」のボタンの左側のON-OFFボタンでACCを起動させ、SETを押すとその時に車両が認識している制限速度に自動で設定される。または起動させてプラスかマイナスを押すと、その時点で走行している速度に設定される。

速度調節は「+」と「ー」のボタンを軽く押すと1km/hごとに、大きくクリックで10km/hごとに調整でき、とても使いやすい。ステアリングスポーク上のボタンで操作が完結すること、細かい速度設定もしやすく操作も分かりやすいことで、これまでにわれわれが試した中では最も使いやすいACCではないかと思う。

なお、先行車との車間距離調整(3段階)は、センターディスプレイで行う必要があるが、頻繁に変更するものではないので、これで良いと思う。

 


渋滞している高速道路で60km/h以下の時に使用可能とされているハンズ・オフ・アシストは、メーターにAssist Plus Readyの表示が出ている時に、ステアリングホイールから手を離すと「ハンズ・オフ」走行を開始(スポーク上部も黄緑色に光る)する。

スピードメーター表示とGPSによる実速度の差は下記表の通りだった。実速度を100km/hにしたい場合は、メーター速度を103km/hに合わせる必要がある。

103km/h走行時は、モーターとボディが共振するような音、そしてわずかな振動があることがちょっと惜しいが、音楽をかけていれば聞こえなくなる程のレベルだ。



安定した充電性能

iXはプレスリリースによると、「最大150kWで充電が可能、40分以内に80%まで充電できる」「10分で100km分を充電可能」とある。今回、駿河湾沼津SAの下りと上りの最大150kWの出力の充電器で各30分の充電を行ったが、プレスリリースに記されているような充電速度には至らなかった。

しかし、iXの充電性能が優れていた点は、30分間ずっと安定して73〜80kWで充電し続けていたことだ。他車の中には30分間の後半の時間、みるみるkW数が減っていくモデルもある。今回は2回の30分充電で、どちらもSOCにして33%分を充電できた。

なお、充電中の車内は38db程と図書館並みの静けさで、車外でもバッテリー冷却用のファンなどが作動したような音もなかった。

真夏の冷房でも下落率は10%ほど

エアコンの使用はバッテリーを消耗するので、状況によってメーター上に表示される航続距離は変化する。冷房最大および暖房最大時における表示を、その日の最高気温を記録した午後と翌日の午後、最低気温時の深夜の3回に分けて確認した。

冷房は外気温との差に比例する形で5〜11%の下落率だった。真夏のかんかん照りの昼間に冷房を最大にして11%の下落率(303km→270km)なので、これ以上悪くなることはないのではないかと思う。

暖房の影響を測るには外気温が高すぎるため、機会があれば冬季に計測してみたい。


装着タイヤ

※製造週年は「2122」の場合、2022年の21週目に製造されたことを意味する。

BMW iX xDrive50

全長:4,955mm
全幅:1,965mm
全高:1,695mm
ホイールベース:3,000mm
車両重量:2,560kg
前後重量配分:前1,230g、後1,330kg
乗車定員:5名
交流電力量消費率:190Wh/km(WLTCモード)
一充電走行距離:650km
システム最高出力:385kW(523ps)
システム最大トルク:765Nm(78.0kgm)
フロントモーター最高出力:190kW(258ps)/8,000rpm
フロントモーター最大トルク:365Nm(37.2kgm)/0-5,000rpm
リアモーター最高出力:230kW(313ps)/8,000rpm
リアモーター最大トルク:400Nm(40.8kgm)/0-5,000rpm
バッテリー総電力量:111.5kWh
モーター数:前1基 後1基
トランスミッション:1速固定
駆動方式:4WD
フロントサスペンション:ダブルウィッシュボーン式
リアサスペンション:マルチリンク式
フロントブレーキ:ベンチレーテッドディスク
リアブレーキ:ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ:275/40R22
最小回転半径:6.0m
荷室容量:500L
車体本体価格:13,980,000円

※電費計測は、季節、気温、天候による差はどうしてもカバーしきれないこと、また電費は実際の乗車人数や荷物の積載量によっても変わってくるため、あくまでも参考値になること、ご了承いただきたい。
基本的には速度規制や車線規制がない状況で走行するものの、避けられない場合は適切な速度で走行し、その区間の電費については数値の補正を実施する。
走行中に撮影したメーターなどの写真は、電費計測以外の移動時に助手席乗員が撮影したもの。

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