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日産がポータブルバッテリーを発売。「リーフ」のユーズドバッテリーをリサイクル活用


TEXT:TET 編集部
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日産自動車、JVCケンウッド、フォーアールエナジーの3社は8月31日、共同開発したポータブル電源を、9月1日から全国の日産自動車販売店舗にて発売すると発表した。

-20℃~60℃の環境下で使用可能

今回、発表されたポータブル電源の商品名は「ポータブルバッテリー from LEAF」。その名が示す通り、内部に使用されているリチウムイオン電池は、日産「リーフ」で使用されていたバッテリーのリサイクル品だ。

日産によると、リーフの車載バッテリーは、使用された後でも高い残存性能と安全性を持っており、再利用しても安心して使うことができるという。また、中古バッテリーを再利用することで、製造時のCO2発生を抑え、持続可能な脱炭素社会の実現にも貢献するとのことだ。なお、昨年4月には3社によりポータブル電源の開発方針と試作品の発表が行われていたので、それから1年半弱で量産化にこぎ着けた格好となる。

「ポータブルバッテリー from LEAF」の販売にあたり、日産が協業相手に選んだフォーアールエナジーは、既にリーフの中古バッテリーを活用し定置型蓄電池を使い、店舗などの夜間電力や災害時の非常電源として用いるシステムを開発した実績がある。さらに、JVCケンウッドは家庭用ポータブル電源の分野で製品販売の実績があり、車内やアウトドア等で使いやすい製品のデザインに精通する。

そのため、「ポータブルバッテリー from LEAF」も、初めて販売するポータブル電源とは思えないほど完成度が高く、-20℃~60℃の環境において車内での使用や保管が可能なほか、持ち運びに便利なハンドルをフラットな製品上面に内蔵するなど、ユーティリティにも配慮された筐体となっている。もちろん、車内での使用だけでなく、自己放電が少なく長期保管が可能という特性を活かし、非常時の電源としても活用可能だ。

「ポータブルバッテリー from LEAF」の具体的なスペックは、以下の通りとなる。
充電池容量:633Wh
AC出力:
【AC×2】100V AC 50/60Hz 合計600W(瞬間最大1,200W)
HIGH-POWER時 合計900W
USB出力:
【USB type-C】5V DC 3A
【USB type-C】5V/9V/15V/20V DC 3A(最大60 W)
【USB type-A×2】5V DC 1.5A

シガーソケット出力:12V DC 10A 最大120W
充電時間:ACアダプター使用時:約9.5時間
シガーアダプター使用時:約14時間

外形寸法:(W)370㎜×(H)205㎜×(D)282㎜
重量:14.4kg
サイクル寿命:約2,000回
希望小売価格:155,000円(税込み:170,500円)

なお日産ディーラーのほか、JVCケンウッドでは、同様の製品を本年中に公式オンラインストア「JVCケンウッドストア」で発売するとのこと。

また、ポータブル電源は様々なメーカーから販売されているが、我々日本人には馴染みの薄い外国企業の製品がほとんどで、アフターケアにも不安があった。そのため、「ポータブルバッテリー from LEAF」の登場は信頼性の高いポータブル電源を探していた人にとっても朗報だろう。

クルマの電動化が進めば、使用済みバッテリーの量も増えていくことが想定される。これからも、その活用方法について様々な企画を期待したいところだ。

 

 

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