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スバルが「BEVシフト」を大幅前倒し。2030年にグローバルでBEV50%・年販60万台へ


TEXT:桃田 健史
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スバルがBEVシフトへと一気に舵を切った。従来はグローバルの2030年における電動化目標について、BEVとハイブリッド車を合わせて販売全体の40%としていたが、新たな目標ではこれを「BEVのみで50%」と大幅に軌道修正した。その背景には何があるのか?

まずは、STEPの振り返り

スバルは2023年8月2日、スバル本社(東京都渋谷区恵比寿)で2024年3月期 第1四半期の決算説明会を行った。

その後、今年6月の株主総会を経て正式に就任した大崎篤社長が「新体制による方針」を説明した。

その中で、まずは2018年に公表した中期経営計画「STEP」の成果について振り返った。

目指したのは、「安心と愉しさ」が不変の提供価値であること。

また、機能価値だけではなく情報価値を含めた「スバルらしさ」を追求することだった。

顧客に寄り添う「お客様第一」を経営理念として、「安心と愉しさ」を提供することで、「笑顔を作る会社」を目指してきた。

「スバルらしさ」については具体的に、脱炭素社会に向けた環境対策、2030年死亡事故ゼロを目指す安全性能、そして電動化時代でも変わらない動的質感を挙げてきた。


スバルの水平対向エンジン。筆者撮影。

その上で、実績としては、アメリカの自動車業界調査であるACSIで、安全性、走行性能、サービス品質、耐久性、商品品質、そして満足度で1位を獲得し商品での高い評価を得た。

また、商品に対する評価のみならず、企業やブランド評価については、フォーブス「アメリカズ・ベストブランド・フォー・ソーシャル・インパクト」し、スバルの社会貢献活動への評価が高い。

こうしたSTEPで掲げた目標に対する確実な実績を踏まえて、スバルを次のステージへと大きく踏み出す決断をした。

2030年の絵姿

スバルは今、自動車業界における100年に一度の大変革が、まさに本格化してきたという認識を持っているという。

2020年代に入ってから、カーボンニュートラルの重要性の高まり、BEVシフトが欧州、中国、そしてアメリカでも急展開。それに伴い新興メーカーの台頭が目立つ。

そうした時代変化を鑑み、スバルは今回の会見で電動化計画のアップデートを表明したのだ。


記者会見で提示されたスライド。筆者撮影。

従来の目標では、2030年に電動車販売比率をBEVとハイブリッド車を合わせて40%としていた。

これを、BEVのみで50%とした。2030年のグローバル販売台数を120万台と見込んでおり、BEV販売台数は60万台を目指す。

さらに細かく見ると、日本では2025年に水平対向エンジンとモーターを組み合わせた次世代「e-BOXER」を導入。一方、BEVは2025年頃から、ガソリン車との混流で自社生産を始め、さらに2028年頃にはBEV専用ラインを稼働させる。これらで合計40万台規模の生産を目指す。

一方、スバルの主戦場であるアメリカでは、2026年以降に次世代e-BOXERとBEVの生産を開始するとした。

2028年に向けた決意


記者会見での大崎篤社長。筆者撮影。

導入するモデルについては、これまで発表していた2026年末まで「ソルテラ」を含めたSUV4車種に加えて、2028年末までに新たに4車種を市場導入する。アメリカでは、2028年にBEV販売台数40万台を目指す。

その上で、2028年に向けた決意として「モノづくり革新」と「価値づくり」で世界最先端を狙うと宣言した。

あわせて、BEVシフトに対してスバルは2030年前後までに、総額約1.5兆円の電動化対策投資を行うことも明らかにした。

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