コラム
share:

なぜ、アルミ総合仮設機器の老舗が電動キックボードに参入? 長谷川工業「YADEA(ヤディア)」で特定原付モデルを初公開 試乗した感想は?


TEXT:桃田 健史 PHOTO:桃田健史
TAG:

特例特定原付にも対応

「KS6 PRO」のスペックは、全長1,192mm×全幅520mm×全高1,258mmでタイヤサイズは10インチを採用。重量は22kgで、最大荷重は110kgとした。

ブレーキはフロントがドラム式でリアはディスクと回生ブレーキが効く。

モーターの定格出力は500Wで、バッテリーは36V/15Ah。満充電までの時間は5時間で航続距離は60kmとなる。

最高速度は、特定原付の法規に従い20km/h(Sモード)。また、特例特定小型原動機付自転車(特例特定原付)としての保安基準をクリアしているため、ECOモードは最高速度が6km/hに抑制される。

会見後、室内の限られたスペースで「KS6 PRO」を試乗した。

最初は、特例特定原付の状態であるECOモード(6km/h)を試した。

走り出しの状態は、機体を手で押しながら少し勢いをつけてから乗る必要がある。停止状態から一気に加速することを防ぐための措置だ。3km/hからモーターが動き出すが、すぐに6km/hで速度制御がかかった。ハンドルの末端両サイドで特例特定原付として走行している証明として、グリーン色のライトが点滅する。

走行中、機体の直進安定性は保たれているが、この状態を長く保持するには運転者は少し神経を使うように感じる。これは「KS6 PRO」についてというより、特例特定原付での6km/hでの二輪車走行に対する感想だ。

次に、Sモード(20km/h)にすると、しっかり加速し、またブレーキの効きも自然でコーナーリング中の姿勢も安定する。


「正しい方向で需要が広がって欲しい」との思いを込めて

販売については、2022年3月から販売している、第一種原付モデル向けですでに構築している、全国約150店舗の大手電機量販店やホームセンターで対応する。また、大手ECサイトでも取扱いがある。

ただし、特定原付では、2023年7月に官民協議会で決まった、「特定原付の安全な利用を促進するために関係事業者が取り組むべき交通安全対策についてのガイドライン」等に沿った対応が必要であり、一般原付とは販売での対応が違う。

メインテナンスについては、基本的に販売店で行うが、大がかりな修理が必要な場合は兵庫県西脇市にある長谷川工業の自社施設で対応する。

今回の改正道路交通法の施行によって、特定原付という新しい乗り物が登場することで、実質的に、道路上での乗り物の数が増えていくことになり、特定原付の存在を不安視する声も少なくない。

そこで、長谷川工業では、社員がユーザーに直接指導する形での電動キックボード試乗会や説明会を全国各地でこれまで100回以上も開催。ユーザーに対して電動キックボードの楽しさや利便性をしっかり伝える活動を続けているところだ。

長谷川泰正社長は「購入や利用方法など、ユーザーが正しい手順を踏めるような仕組み作りを弊社が積極的に行うことで、(特定原付としての)電動キックボードが(世の中に)正しく広がって欲しい」と「KS6 PRO」かける思いを語った。

TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
中国から地球上最強コスパの新星EV現る! IMモーターL6の驚くべきスペックとは
BYDの売り上げ鈍化に注目しても意味なし! むしろ心配すべきはテスラか? BYDは利益率も投資額も驚くべき水準だった
いすゞがピックアップトラック「D-MAX」にBEVを用意! バンコク国際モーターショーでワールドプレミア予定
more
ニュース
ヒョンデの野心的な中長期戦略「ヒョンデ・ウェイ」発表! 2030年までに年間販売台数555万台を実現しそのうちEVは200万台を目指す
EVに関心があっても導入に踏み切れないタクシー事業者多数! 広島でbz4Xを導入した事業者の陰に「電脳交通」の存在あり
買っていきなりレースを走るだと!? ヒョンデ「アイオニック5 N」の記念すべき納車第1号オーナーの声
more
コラム
BYDシールで1000km走って「充電性能の安定性」に衝撃! リアルワールドでも「コスパ最強」が証明された
日本で発売直後なのに中国では年次改良で新型登場! BYDの新型SEALの実力がヤバい
日産の第一四半期の営業利益は前年同月比でなんと99%減少……って大丈夫か? 円安解消も含めてアメリカ&中国市場で苦戦を強いられている!!
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】二度見必至の存在感は普通のコナとはまるで別モノ! イメージを大きく変えたヒョンデ・コナ「N Line」に乗って感じたマルとバツ
ボルボEX30で11時間超えの1000km走行チャレンジ! 課題は90kWまでしか受け入れない充電性能
EV専業の「テスラ」とEVに力を入れる従来の自動車メーカー「ヒョンデ」! モデルYとコナを乗り比べるとまったく違う「乗りもの」だった
more
イベント
とにかくこの形に惚れたんです! 日本中から約140台もの日産アリアが集結した「日産アリア全国オーナーズミーティング2024」に潜入した
走る以外の楽しみがEVにはある! ラーメン屋台まで登場した「EVサマーキャンプ2024」を見るとEVが欲しくなる!!
中国市場のニーズに合わせて開発! 日産が北京モーターショー2024で新エネルギー車のコンセプトカーを出展
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択