Contents
選べる回生ブレーキ
走行中にアクセルペダルを離したときに、モーターで充電しながら減速を行うのが“回生ブレーキ”。EQEではその特性を4パターンから選ぶことができる。切り替えはステアリングホイールのパドルを使い、標準の「D」(普通回生)はやや弱めであるのに対して、「D-」(強化回生)は強めになり、アクセルペダルの操作だけで加減速がほぼ可能だ。設定で“クリープ”をオフにすれば、アクセルオフでクルマを停止できるようになる。回生を行わない「D+」(回生なし)も選択が可能で、自分好みの設定が見つかるのがうれしい。
面白いのが「D Auto」(インテリジェント回生)で、先行車との距離や道路状況により自動的に回生ブレーキの強さをコントロールしてくれるというもの。比較的交通量の多い高速道路を走るときなどには重宝するが、先行車がいないと基本的には回生なしになるのは要注意。私のオススメは、通常はD-、高速はD Autoという選択である。
EQEの電費については驚くばかりだった。カタログを見ると、WLTCモードで176Wh/km、WLTC-Hモード(高速道路モード)で184Wh/km。これを1kWhあたりの距離で表すと、それぞれ5.7km/kWh、5.4km/kWhになる。一方、比較的空いた郊外の一般道では8.1km/kWh、アクティブディスタンスアシスト・ディストロニックを用いて高速道路を100km/hで巡航したときには6.9km/kWhを示した。これはコンパクトSUVタイプのEVを上回るほどの低電費であり、高効率のパワートレインやエアロダイナミクスに優れる背の低いボディが低電費に貢献しているのは容易に想像できる。
急速充電能力も高く、新東名の駿河湾沼津サービスエリアの150kW急速充電器では、前半15分に125kWを確認。30分間の充電でSOC(バッテリー充電率)は41%から88%になり、航続距離も279km増えるなど実に心強い。単に一充電走行距離が長いだけでなく、低電費と高い急速充電能力を兼ね備えるEQE 350+は、長距離ドライブに打ってつけの一台といえるだろう。
Mercedes-Benz EQE 350+
全長:4,970mm
全幅:1,905mm
全高:1,495mm
ホイールベース:3,120mm
車両重量:2,390kg
前後重量配分:前1,150kg、後1,240kg
乗車定員:5名
交流電力量消費率:176Wh/km(WLTCモード)
一充電走行距離:624km
リアモーター最高出力:215kW(292ps)/3,559-15,913rpm
リアモーター最大トルク:565Nm/0-3,559rpm
バッテリー電力量:90.6kWh
モーター数:後1基
トランスミッション:1速固定
駆動方式:RWD
フロントサスペンション:4リンク式
リアサスペンション:マルチリンク式
フロントブレーキ:ベンチレーテッドディスク
リアブレーキ:ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ:255/45R19
最小回転半径:4.9m
荷室容量:430L
車体本体価格:12,510,000円
※AMGラインパッケージ、パノラマスライディングルーフ装着車