「電動サイクル」とはどんな乗り物なのか?
glafitといえば、電動バイクと自転車を切り替えられる「GFR-02」が人気だ。
今回初公開された「電動サイクル」のプロトタイプは、「GFR-02」に近い形状をしているが、ペダル操作はない。
glafitによれば、バッテリーは車体内部に配置し、充電容量についてはバッテリーメーカーと協議中で、航続距離については確定していない。
充電方式は車体前部を使った非接触充電の採用を検討している。
また、一部の歩道で走行が可能な保安基準部品として、ウインカーと兼用するフラッシングライトを持つ。これが点滅中は最高速度が6km/hに制御される。こうした対応を、特例特定原付と呼ぶ。
実際に「電動サイクル」プロトタイプを「GFR-02」と乗り比べてみた。
最高速度を20km/hにしたモードでの加速は、「GFR-02」とほぼ同等か、少し出足が良いといった印象だ。加減速は右手グリップの操作で行い、両手でブレーキ機構を操作する。
また、特例特定原付としての6km/hでは、正直なところかなり遅く感じて、走行姿勢を保持するのがやっとだった。
一部の歩道で使用するのは、あくまでもオプションといった感覚をユーザーは持つことが必要だと実感した。
24年に1,000台、25年には3,000台レベルで導入
こうした「電動サイクル」を使うシェアリングサービスを行うのが、ソフトバンクなどが出資するOpen Streetだ。
2016年から、自転車シェアリングサービスの「HELLO CYCLING」を展開しており、2023年5月時点でステーション数が6,600ヵ所で会員数が230万人で、業界でのシェアNo1となっている。
「電動サイクル」についても、基本的に「HELLO CYCLING」で使う、スマートフォンのアプリで予約やスマートロックを解除して使用するシステムを導入する。
サービスは24年1月から都内などで始め、初年度で1,000台、2年目には3,000台規模の導入を目指す。
glafitとOpen Streetは、「電動サイクルは、多くの人が慣れている自転車に近い操作によって操縦安定性を確保でき、また大径タイヤによって段差の超えで姿勢を崩すことも少ない」とし、「電動キックボード」に対する「電動サイクル」の優位性を強調した。
果たして、「電動キックボード」と「電動サイクル」のどちらが「特定原付」の主流になるのか?
今後の動向をウォッチしていきたい。