試乗
share:

「見た目以上に重厚な乗り心地」BMW伝統の後輪駆動スポーツセダン「i4」試乗記 その2


TEXT:田中 誠司 PHOTO:田中 誠司
TAG:

340psの強烈な加速と絶妙なトラクション・コントロールの動作

加速も十二分に強烈で、BMWらしくスポーツドライビングを楽しむにあたり不足を感じることは一切ない。試乗経路のワインディングロードでちょっとプッシュしてみたところ、全体的に2トンのクルマなりの重さをたとえばブレーキングの折などに意識しないこともないが、前45.2:後54.8という(車検証上のデータ)、かなりリヤ寄りの重量配分がノーズの入りとリヤの安定感をうまく両立している。トラクション・コントロールの緻密さも、エンジン車ではなかなか得られない俊敏さで、これは仮にサーキットなどに持ち込んだら相当楽しいだろうな、と思わせられた。

細かなところでは欠点もないことはない。低速で走る市街地の、工事跡など荒れた路面ではあまりサスペンションが鷹揚に動かず、キャビンに上下動をそのまま伝えてしまうケースがある。タイヤに空気を入れすぎてしまったような感覚だ。スロットルペダルを完全にオフにしたところから、ほんの数mm踏んでパッセンジャーに気取られないよう加速しようというシーンでは、クッとパワーの断続を意識させるシーンもあるし、ブレーキをほんのわずかに踏んでそこからさらに制動という状況でも、ほんのわずかなペダルの動きを緻密に伝えてくれなかったりする。回生ブレーキと油圧ブレーキの連携は非常に微妙なチューニングが要求されるものだが、いますこし煮詰めが足りないのだろう。

BMW i4 eDrive40 M Sport

全長:4,785mm
全幅:1,850mm
全高:1,455mm
ホイールベース:2,855mm
車両重量:2,080kg
乗車定員:5名
交流電力量消費率:157Wh/km(WLTCモード)
一充電走行距離:604km
リヤモーター最高出力:250kW(340ps)/8,000rpm
リヤモーター最大トルク:430Nm/0-5,000rpm
バッテリー総電力量:83.9kWh
モーター数:後1基
トランスミッション:1速固定
駆動方式:RWD
フロントサスペンション:ダブル・ジョイント・スプリング・ストラット式
リアサスペンション:マルチリンク式
フロントブレーキ:ベンチレーテッド・ディスク
リアブレーキ:ベンチレーテッド・ディスク
タイヤサイズ:(フロント)245/45R18 (リヤ)255/45R18
最小回転半径:5.9m
荷室容量:470〜1290L
車体本体価格:8,480,000円

TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
中国から地球上最強コスパの新星EV現る! IMモーターL6の驚くべきスペックとは
BYDの売り上げ鈍化に注目しても意味なし! むしろ心配すべきはテスラか? BYDは利益率も投資額も驚くべき水準だった
いすゞがピックアップトラック「D-MAX」にBEVを用意! バンコク国際モーターショーでワールドプレミア予定
more
ニュース
日産からセダンのEVが出るぞ! 中国向け車両「N7」を初公開
過酷なダカールラリーで排気量998㏄の「水素小型エンジン」を鍛える! HySEが2025年の参戦を発表
コレクターズアイテムになること間違いなし! 「FIAT × ルパン三世」のクリスマスコラボプレゼントを実施中
more
コラム
自宅で充電できないけどEVを買う人が増えている! ただしいまのインフラ状況だと「セカンドカー」で乗るのが正解
充電が無料でできる施設は税金のムダ遣い? 地方自治体の取り組みの是非を考える
EVの走りはむしろ好き! エンジン車も同時に所有! それでもEVライフを終了した理由をオーナーが激白
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】二度見必至の存在感は普通のコナとはまるで別モノ! イメージを大きく変えたヒョンデ・コナ「N Line」に乗って感じたマルとバツ
ボルボEX30で11時間超えの1000km走行チャレンジ! 課題は90kWまでしか受け入れない充電性能
EV専業の「テスラ」とEVに力を入れる従来の自動車メーカー「ヒョンデ」! モデルYとコナを乗り比べるとまったく違う「乗りもの」だった
more
イベント
外からもまる見えな全面ガラスドアも高齢化が進む地域のモビリティとして最適!? タジマの超低床グリーンスローモビリティ「NAO2」が斬新すぎた
EVはレアメタルが詰まった都市鉱山! CEATEC2024でBASC展示が提唱するサーキュラーエコノミーというバッテリーとは
畳めるバイク! 階段を上り下りできるカート! 自由な発想のEV小型モビリティが作る明るい未来を見た!!
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択