ホンダは4月26日、電動化を踏まえた企業変革に関する説明会「2023ビジネスアップデート」を開催し、今後の商品計画などについて発表した。計画では2026年までに4種類のEVを国内市場に投入するとのこと。詳しく内容を見ていこう。
2024年〜2025年にホンダから軽EVが2モデル登場
ホンダの発表によると、2024年前半に先陣を切って「N-VAN」ベースの軽商用EVがデビューする。こちらは既に昨年末プロトタイプが公開されたもので、航続距離200kmという目標値と、ガソリン車と同等の100万円台のスタート価格に設定されることが明らかにされていた。今回この既報が再確認されたわけだが、販売時期は昨年末時点で2024年春とされていたのが2024年前半へと改められた。単なる表現の違いかもしれないが、半導体不足の影響を受けての軌道修正の可能性もある。
そして今回の発表で最も注目されるのが、軽乗用車「N-ONE」をベースとしたEVを2025年に市場投入すると明言されたこと。2020年にデビューした現行の2代目N-ONEは個性的なエクステリアやマニュアルトランスミッションの設定など、各所にこだわりを感じさせるプレミアムな軽トールワゴンだが、一方で価格設定もライバルよりやや高かった。
ただ、EV版が追加されるということはバッテリー搭載も考えて設計されていることの証左であり、開発コストが上がってしまった理由も納得できる。先行する軽EVの「日産サクラ」や「三菱ekクロスEV」に、プレミアムな質感で真っ向勝負を挑むモデルとなりそうだ。
細かいところに注目すると、サクラとekクロスEVは全高1650mm超と一般的なタワーパーキングには入らないのに対し、N-ONEはFF車なら同1545mmでギリギリ入庫可能となっている。最近はマンションの立体駐車場に設置できる充電設備も登場しているから、EV版N-ONEの登場が更なるEV普及のきっかけとなる可能性もありそうだ。そのためには、サクラやek クロスEVの約250万円というスタート価格を下回ってほしいところだが、価格については現時点では明かされていない。
さらに、今回の発表では2026年にSUVタイプを含む小型EV2機種を発売することも明らかにされた。これについて詳細は明らかになっていない。推測だが、昨年4月に中国で東風ホンダから販売が開始されたヴェゼルベースのEV「e:NS1」が国内導入される可能性もある。e:NS1は中国の工場で生産されるEVだが、既にホンダはミニバン「オデッセイ」で中国産の車両を国内導入すると発表済み。その続編となる可能性もある。