インタビュー
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「サステナビリティ」に取り組むボルボの特徴。部門責任者インタビュー


TEXT:田中 誠司
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自動車の寿命をどう考えるのか

TET:日本では、古いものを使い続ける方が環境に優しいのではないかという議論があります。 例えば、自動車は何度も新しいものに買い換えるよりも、一台をずっと使い続けた方が環境に優しいのではないかと。車両技術が発展し、事故が少なくなれば車両の寿命はさらに伸びることも予想されます。このように、環境的な持続可能性と物質的な持続可能性の間には矛盾があり、時には対立することもあります。自動車会社は、そのような事態にどう対処していくのでしょうか?

ST:この質問に答えるには、2種類のアプローチからなるバランスが必要だと思います。まず1つ目は、人々は常に自動車を必要としているということです。移動手段というのは、人類の基本的なニーズであり、今後もなくなることはないでしょう。しかし、個人的な移動と共有された移動の間のバランスが必要になるはずです。つまり、既存の資源を最大限に活用するカーシェアリング・サービスなどです。

2つ目のポイントは、おっしゃるとおり、自動車がいわゆる寿命に達したとき、自動車会社がより大きな責任を負う必要があるということです。自動車を生産し、自動車とバッテリーを所有する自動車会社は、バッテリーに責任を持ち、その中の材料がリサイクルされ、できれば再び生産ラインに乗ることができるようにするために、いずれにしても自動車を生産します。ボルボは、このことを強く意識しています。

例えば、EX 90の場合、ディーラーと協力して車両を追跡し、最初の耐用年数が終了するまでに車両を返却し、リサイクルできることを確認します。現在市場に出ているボルボはすべてそうしていますが、実はEUでは車内の材料をリサイクルすることが義務づけられているのです。車内の材料の約95%はリサイクル可能である必要があります。バッテリーを搭載した完全な電気自動車は、素晴らしい発明だと思いますが、その中の材料を最大限に再利用することが本当に重要なのです。そのため、自動車メーカーは、バッテリーを確実にリサイクルする責任を負うことに、より大きな重点を置く必要があります。

このEX90では、世界中の主要企業とリサイクル契約を結び、電池の寿命が尽きたときに確実にリサイクルできるようにしています。そのため、電池に含まれるコバルト・ニッケル・リチウムなどの材料を抽出し、アルミニウムや鉄も同様に抽出し、生産の流れに再び乗せることができるのです。

<了>

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