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感動よりも扱いやすさを [トヨタbZ4X試乗記:その3]


TEXT:生方 聡 PHOTO:WEB CARTOP、生方 聡
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FWDと4WDの2タイプが用意されるbZ4Xのうち、150kWのモーターで前輪を駆動するbZ4X Z FWDの走りをチェックする。

シングルモーターでも加速に余裕あり

bZ4Xの場合、ブレーキを踏みながらセンターコンソールにあるパワースイッチを押すことでEVシステムが始動する。さらに、トヨタとしては初採用のダイヤル式シフトでDまたはRを選ぶと、発進の準備が整う。ダイヤル式シフトは押しながら右または左に回すが、押すという動作が少し煩わしく、いちいち押す必要があるのか疑問である。

Dレンジを選んでブレーキペダルから足を離すと、bZ4Xはゆっくり動き始める。アクセルペダルはフロアに支点があるオルガン式。微妙なアクセルのオン/オフには好都合であり、吊り下げ式ペダルを採用する「フォルクスワーゲンID.4」のオーナーにとっては羨ましいかぎりだ。

アクセルペダルを軽く踏む状態では、bZ4Xの加速はやや抑え気味。それでも十分な素早さがあり、動きも実にスムーズである。力強い加速に感動するEVもあるが、bZ4Xはあえて扱いやすさを狙っているようだ。一方、アクセルペダルのストロークの途中からは、伸びのある加速を楽しむことができ、これがなかなかスポーティだ。

一方、センターコンソールのスイッチで「ECO」モードを選ぶと、アクセルレスポンスは穏やかになるが、それでもストレスのない加速性能が得られる。

加減速の状況はトップマウントメーターのパワーメーターで確認することができる。その横には、バッテリー残量(SOC)が表示されるが、グラフだけで、残り何%という数字がない。あわせて走行可能距離も表示されてはいるが、直前の走行状況で数字が変わる走行可能距離だけではなく、SOCの%表示もぜひともほしいところ。これに対してトヨタは「近々ソフトウェアアップデートで改善する予定」と話しており、早期の対応に期待したい。

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