BYDの勢い、鮮明に
EVゾーンに隣接して大規模な独立コーナーを設けて注目を集めたのが、話題の中国メーカー「BYD」。照明のカラーが妖艶なブースには、ファッショナブルな男女のモデルたちとともに、発売されたばかりのEVコンパクトSUVである「ATTO3(アット3)」、コンパクトEVの「DOLPHIN(ドルフィン)」、プレミアムEVセダンの「SEAL(シール)」が展示され、独自の世界観を披露していた。
会場外の特設コースではアット3の試乗イベントも実施。初めて一般カスタマー向けに、ナビゲーションを含む車載システムが日本語化され、株式会社プレミア・エイドが提供するSOSコール・システムも搭載した完全な日本仕様車の試乗機会が設けられた。
一般展示ブースでEVの姿は少なかった
EVの一般レベルへの普及が途上である中、一般展示ブースにおけるEVの存在感はまだまだこれからという印象だったが、1980年代のカローラ・レビンをベースとする電気自動車トヨタ「AE86 BEVコンセプト」は興味津々な多数のファンに囲まれていたほか、今後京都で稼働するカーシェアリングサービスに設定される「サクラ e-シェアモビ 京都コンセプト」も華やかに展示された。
いっぽう目立たないスペースながら、大阪府はトヨタ「C+pod」(シーポッド)をベースにした公用車に非接触充電設備を装着した実証実験車両を展示。大阪市淀川区の株式会社ダイヘンが手掛ける非接触充電システムは、700Wと出力は限られるものの、C+podのような超小型EVであれば15時間で満充電に達する。不特定多数が利用し、そのたびに充電をしてもらえるかわからない公用車に向いたシステムだと大阪府の担当者は話す。
EVが大挙して一般展示ゾーンに現れるのはまだまだ先の話しでしょうか、と大阪オートメッセの開催をリードする交通タイムス社の宮木敏也社長に訪ねたところ、「いやいや、こういうところに出ていらっしゃる方々は勢いがありますから、きっとすぐだと思いますよ」とのこと。来年の勢力図はどう塗り替わっているのかが楽しみだ。