#EVトラック
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
米ピータービルト、EVのトレーラーヘッド「579EV」をダラスの業者に納入……デイリーEVヘッドライン[2023.03.24]

大型EVトレーラーヘッド2台をダラスの業者に納入 伝統的なアメリカントラックスタイルのEV 【THE 視点】アメリカのピータービルトは3月22日、パッカー・リーシング・カンパニー(PacLease)と提携して、トレーラーヘッドのEVモデル「579EV」2台を、トラック・キングに納入したと発表した。 ピータービルト(Peterbilt Motors Company)はテキサス州に拠点を置く老舗のトラックメーカー。トラック・キング(Truck King)は同州ダラスの運送企業である。 トラック・キングは、ダラスとフォートワースのメトロプレックスで 65台のトラックを運用し、地元企業向けに運送サービスを展開している。今回納入された「579EV」は、テキサス州マッキニーにあるパッカーのダイナクラフト施設と、同州内ピータービルトのデントン製造工場間の配送ルートに使用される。 「579EV」は、トラック版のモーター一体型駆動装置(イー・アクスル)を、後輪それぞれの軸に1基ずつ計2基搭載した4輪駆動方式を採用。最高出力は500kW(680ps)。バッテリーの容量は400kWhで、航続距離は320km。最高出力150kWの急速充電に対応しているのも特徴だ。自動車連結車両総重量(GCWR)は37トン(8万2,000lbs)と、日本車のそれが可愛く見えるほどの大きさを持つトレーラーヘッドである。 アメリカではテスラやニコラにも見られるように、既に大型EVトラックの量産が始まっている。「579EV」は、EVコンポーネントなどの多くはキャビン下に配置される構造を採るが、電動化されてもボンネット付きのスタイルを残すところにアメリカの伝統を感じる。このクラスに搭載されるイーアクスルも一度見てみたいものである。しかしこのクラスまでEV化されるとは、環境問題が待ったなしの状況なのだと感じる。 ちなみに、映画「トランスフォーマー」に登場した機械生命体軍団の長「オプティマス・プライム(和名:コンボイ総司令)のベースとなった車両はピータービルト製である。日本では馴染みのないメーカーだが、スクリーンの上ではさにあらず。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★大日本印刷(DNP)、EV用ワイヤレス給電の実証実験装置を開発……島田理化工業製の「PWMインバータ」にDNP製の「シート型コイルユニット」を組み合わせ[詳細はこちら<click>] ★★ステランティス、ドイツ・アイゼナハ工場に1億3,000万ユーロを投資……「STLAミディアム・プラットフォーム」採用のEVを生産、2024年後半発売予定 ★スズキ、「四輪電気電子電動技術本部」を設置……「四輪EV設計部」「四輪EV/HEV駆動設計部」などを新設、4月1日付の組織改革で ★BYD、半導体大手のエヌビディアと提携……次世代の「ダイナスティ」および「オーシャン」シリーズに「NVIDIA DRIVE Orin」の使用を拡大 ★パワー・コー、バレンシアに第2セル工場を建設……2026年に「ユニファイド・セル」を生産 ※パワー・コー:フォルクスワーゲン傘下のバッテリー企業 ★三菱製鋼、技術開発センター(千葉県市原市)でEVを重要課題に……新事業の創出課題でEV化に対応 ★プラゴ、追分宿駐車場(長野県軽井沢町)に事前予約可能な急速充電器「プラゴ・ラピッド」を設置……スマホ向け専用アプリ「Myプラゴ」にて予約・支払い ★宮古島に「日産リーフ」のレンタルをパッケージ化したオフグリッド型ホテル「ズミテラス」がオープン……うちみやリゾートが運営、建物備え付けの太陽光発電設備で充電 ★折りたたみEVバイクのシェアロ、荒川区の交通安全教室に協力……安全講習ならびに体験走行会を実施

TAG: #EVトラック #THE視点 #商用EV
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
三菱ふそう、小型EVトラック「eキャンター」を発売……デイリーEVヘッドライン[2023.03.13]

車体価格は最高2,005万800円 中国CATL製のバッテリーを搭載 【THE 視点】三菱ふそうトラック・バス(MFTBC)は、昨年モデルチェンジした小型トラック「キャンター」に量産の電気自動車(EV)モデル「eキャンター」を追加し、3月9日より受注を開始したと発表した。 2017年に国内初の量産型小型EVトラックとして発売した「eキャンター」は、今回シャシーラインナップの大幅な拡大に加え、多様なビジネスケースに対応可能な航続距離を持つ新型モデルへと進化した。 モーターを後軸に統合したMFTBC独自開発のモーター一体型駆動装置(イー・アクスル)を採用、ドライブトレインをコンパクトな構造にすることで、従来モデルの1型式から合計28型式のシャシーラインナップに展開が可能となった。 動力取り出し装置(ePTO)も新たに採用し、ダンプ/キャリアカー/脱着車/リアクレーン/ゴミ収集車といった架装にも対応する。またホイールベースの長さに応じてバッテリーを1個(41kWh)から最大3個(124kWh)まで搭載可能なモジュール式バッテリーを採用、車種に応じて99kmから最大324kmまでの航続距離を実現した。 価格も今回発表され、税込1,370万500円(41kWh)〜2,005万800円(124kWh)となる。先代の価格は発表されないままだったが、81kWhのバッテリーを搭載しおよそ2,000万円と伝えられていた。 今回、バッテリー販売数世界一の中国CATL社のバッテリーを採用したことは大きい。それゆえ車体の1/3がバッテリーのコストと言われるEVで、大幅なコストダウンが可能となったものと思われる。それでも価格はエンジン車のおよそ2倍と割高感はあり、補助金の設定額次第で販売台数に大きく影響しそうである。 先日発表の「いすゞエルフEV」の車両価格は発表されていない。ユーザーは、「エルフEV」の価格次第で、「eキャンター」とどちらにするか悩むことになるだろう。「eキャンター」は、これまでにグローバルで約450台、累計760万km以上を走行した実績を持ち強みになるかもしれない。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★三菱、今後5年間でEV9車種を含む16車種を投入と発表……2030年までに15GWhのバッテリーを調達 ★★ファルケン、欧州でEV専用タイヤ「e.ZIEX」を発売……転がり抵抗と騒音を低減[詳細はこちら<click>] ★コマツ、電動マイクロショベル「PC05E-1」をホンダと共同開発……着脱式バッテリー「ホンダ・モバイル・パワー・パック e:」を採用、「第13回 国際スマートグリッドEXPO」(東京ビッグサイト(東京都江東区)/2023年3月15日(水)~3月17日(金))のホンダブースに出展予定 ★京都大学、高温超伝導モーターの室温運転に成功……イムラ・ジャパンや三菱重工と共同開発、小型・軽量の高効率モーター実用化へ道筋 ★ブレンボ、「オートアフターエクスポ2023」にEV用ブレーキを出展[詳細はこちら<click>] ★ステランティス、「STLA ラージ」プラットフォームを使用するEVの組み立てを、伊カッシーノ工場に割り当て……アルファロメオ「ジュリア」「ステルヴィオ」の製造工場 ★旭化成傘下のセルガード、米リチウムイオン・バッテリー企業C4Vと提携……次世代の高性能・高電圧バッテリーセルを開発 ★BMW、2022年の純利益が前年比49.1%増の1万8,582ユーロを達成……EVの販売台数は107.7%増加、納入台数の9%を占める ★日産、岐阜県岐阜市と連携協定……日産電動化アクション「ブルー・スイッチ」施策で連携、災害時にEVを電源車として提供するなど ★フォーミュラEチームのDSペンスキー、FIAの三ツ星環境認定を取得 ★成田空港で関係者向けEV・PHEVの試乗会を実施……「三菱・ミニキャブ・ミーブ」など7車種の用意のほかEVトラックも展示、3月16日(木)〜17日(金)に成田空港敷地内施設にて ★三井物産、ノルウェー水素タンク企業ヘキサゴンプルスに出資……燃料電池車「FCEV」の需要増を見据え転換社債を引受け

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TEXT:栁 蒼太
フォード、商用EVの「E-トランジット・バン」を全米に6,500台販売

米大手自動車メーカー、フォードが販売しているイートランジット(E-Transit)が 、北米でデビューして 1 年が経過した。イートランジットは、米国で2022年12月までに6,500台が販売され、バン市場の60%以上を占める。また、米国、カナダにおいて最も売れているEVバンとなっており(※1)(※2)、欧州でも市場を率いる(※3)車種となっている。 これらの需要の高まりを受けて、フォードは2023年4月からカンザスシティ組立工場での生産を強化することを発表した。他の自動車メーカーがEVバンの市場投入計画を発表しているに留まる中、イートランジットは商用EVの普及に大いに寄与しているといえるだろう。 長距離走行の商用車にも誇れる環境性能を 同社による車両データの分析によると、米国とカナダの顧客は少なくとも1,200万マイルを走行し、同サイズの内燃機関搭載のバンと比較して745,000ガロン以上のガソリンと430万キログラム以上のCO2を節約している(※4)とされている。走行距離が長い商用車ゆえに環境性能が高いことは、非常に評価できるポイントだろう。 高い汎用性で幅広い業種での活躍も イートランジットにはシャシーキャブモデルとカッタウェイモデルがあり、幅広い業種に対応できるよう8つのコンフィギュレーションを提供している。これらはS&Pグローバルが認定する30業種のうち28業種に貢献できる(※1)とされており、高い汎用性を誇る。 ※1 S&P Global Mobility 2022年1月~2022年12月、米国TIPNet(電動カーゴバン、パッセンジャーバン、カッタウェイバンを含む)に基づく。 ※2 2022年CYのOEM報告データに基づく。 ※3 Ford of Europeの販売データに基づく。 ※4 米国およびカナダにおける2022年2月26日から2023年3月6日までのFord Pro E-Telematics内の登録車両データに基づく。  

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TEXT:烏山 大輔
いすゞ、商用BEV導入時の課題解決と脱炭素化をサポートする「EVision」を提供開始

いすゞ自動車株式会社は、いすゞとして初の量産バッテリーEV 小型トラック「ELF(エルフ)EV」の市場投入に合わせ、トータルソリューションプログラム「EVision(イービジョン)」を構築し、3月7日よりサービスの提供を開始した。 このプログラムは、商用BEVの導入検討のサポート、導入課題の解決、CO2排出量削減効果の定量化、さらなる脱炭素化提案によるカーボンニュートラル実現に向けたものである。 各フェーズでの提供ソリューション 顧客が商用BEVを導入するにあたり、様々な課題が想定される。充電設備や電気料金、環境負荷軽減効果などである。これらの課題を解決するため、いすゞは「EVision」を通じ、商用BEVの導入検討から導入時、導入後の各フェーズにおけるソリューションを提供する。 1.導入検討をサポートする「EVisionコンシェルジュ」 顧客がEVを導入した場合のオペレーションを可視化し、最適な運用パターンを設計する。顧客が安心してEVを導入出来るように、導入に向けての検討をサポートする。 [具体的な内容] ・EVへの切替が可能な運行ルート ・充電器・充電時間・タイムスケジュール ・電気料金・施設電力デマンド等を分析 ・導入後のCO2排出量削減効果をシミュレーション 2.導入課題を解決する「EVisionソリューション」 導入フェーズでは、運行の効率化支援や周辺サービスを提供する。 [具体的な内容] ・充電器の選定から施工業者の手配・設置 ・補助金申請といったトータルコーディネートを行う充電ソリューション ・「EVisionプレイズムコントラクト」の設計 ※顧客の運行計画に応じて動力バッテリーの劣化を予測しリース期間に反映するEV業界において先進的なリース契約をパッケージ化したもの。 ・従来と同様の運行管理・予防整備サービス ・商用車情報基盤「GATEX」の車両制御による遠隔充電管理 ・顧客の施設のエネルギーマネジメントシステムと「GATEX」を連携させた消費電力のピークシフトの実現 ・顧客のニーズに合わせた太陽光パネルの導入や再エネ電力プラン、非化石証書等の提案 3.排出量削減効果を定量化する「EVisionレビュー」 [具体的な内容] ・EV、再エネ導入によるCO2排出量の削減効果のフィードバック、さらなる効果拡大の提案 ・法律で義務付けられる温室効果ガスの排出量の国への報告、およびクライアントへの排出量削減目標の進捗報告のサポート

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TEXT:福田 雅敏、ABT werke
スカニア、ノルウェーの石灰石採石場にEVトラックを納入……デイリーEVヘッドライン[2023.03.08]

EV化で156トンのCO2を削減 海外では大型トラックのEV化が進む 【THE 視点】スカニアは、ノルウェー最大のEVトラックを「ヴェルダルスカルク石灰石採石場」(ノルウェー・ヴェルダルスカルク)に納入したと発表した。 総重量は66トンで、年間約120万トンの石灰を採石場から港に輸送して出荷する。このルートでの以前の化石燃料の消費量は5万8,000Lで、EV化により156トンのCO2が削減される。 このEVトラックのパワートレインは、最高出力450kW(612ps)・最大トルク3,500Nm(356.9kgm)のモーターと6速のトランスミッションからなる。9つのバッテリーパックの総容量は300kWhで、充電は最大130kWの容量を持つ。 これ以外にもノルウェーでは、100台以上のスカニア製EVトラックが走っているという。 先日のヘッドラインでも紹介したとおり、海外では新車運搬用のEVトレーラーも登場するなど、大型車両のEV化が進んでいる[詳細はこちら<click>]。日本の商用EVでは「三菱ふそう e-キャンター」の8トン・クラスが稼働しているが、海外では20トンまたはそれ以上の大型化が目立つ。テスラも大型EVトラック「セミ」が、すでに量産車として納車が始まっている。 筆者のところにも、これまでに日本で発電所向けの石炭輸送用の大型EVトラックや、港湾車両用の大型EVトレーラーの引き合いはあったが、いずれも実現はしなかった。大型トラックをEV化しようとする動きはあるものの、遅々として進まない日本が心配である。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★ヒョンデ、新型EV「コナ」をワールドプレミア……BセグメントのSUV、年内に日本導入予定[詳細はこちら<click>] ★★いすゞ、小型トラック「エルフ」を刷新しEVをラインナップ……導入をサポートするプログラム「EVision」も開始[詳細はこちら<click>] ★日本EVクラブ、「電気カート組み立て教室」を開催[詳細はこちら<click>] ★ニオ、2月の販売台数は前月比42.9%増の1万2,157台……前年比98%増の大幅成長 ★テラモーターズ、電源のない月極駐車場へのEV用充電器導入をサポート……電気の引き込みから充電設備の設置まで無料で[詳細はこちら<click>] ★中国ジーリー、プレミアムシリーズ「Geely Yinhe」を発表……2023年第4四半期にEVモデルも投入 ★マップボックス・ジャパン、エンドツーエンドソリューション「マップボックス・フォーEV」をリリース……車載アプリに搭載することで正確な航続距離と最適な充電場所の検索が可能に[詳細はこちら<click>] ★双日、日本国内供給向けに電気モーター向けのレアアースを確保……豪ライナス社との共同設立会社を通じライナス生産の「ジスプロシウム」および「テルビウム」の最大65%を日本向けに供給[詳細はこちら<click>] ★ホンダ、米ラスベガスで開催の建設機械展「CONEXPO-CON/AGG 2023」(3月14日(火)〜18日(土))にて、電動の自律移動モビリティ「Honda Autonomous Work Vehicle」のプロトタイプを公開 ★EVバイクのジーム、EVバイクの試乗・即売会を開催……原付一種から軽二輪クラスのモデルを6台用意、3月12日(日)に「名鉄百貨店一宮店」(愛知県一宮市)にて

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