#東京オートサロン2025
TEXT:斎藤充生
東京オートサロンのテスラ全部撮る! 台数増加のカスタムテスラが激旬だった

緊急企画「サロンのテスラ全部撮る」 それは突然のことでした。1月10~12日まで開催されたカスタムカーショー「東京オートサロン2025」を取材中、ちょっと休憩のつもりで報道関係者が集まるプレスルームに戻り、THE EV TIMESのF氏と会場内の展示車両について情報交換をしていた時のことです。 斎藤「いや~、今年はEVの展示が増えましたね~」 F「増えた、増えた。とくにテスラが目立つよね」 斎藤「確かにいわれてみればチラホラ見かけた気がします。各車でテイストも違っていて面白いです」 F「ならさ~、斎藤君まだ取材続けるでしょ? 移動している最中に見つけたテスラ全部撮影してさ、それで記事でも作ってよ!」 斎藤「(!!!! えぇぇぇぇ) は、はい、かしこまりました。やらせていただきます(大汗)」 簡単にいうな~! と心のなかで叫びつつ、笑顔は崩さず最敬礼。下っ端フリーライターの悲しい性で、来るもの拒まず折角のご発注に対してはありがたく頂戴いたします。 とはいえ、出展社数389社、会場のあちこちに点在する展示車両の合計は857台。出展社の名前と展示位置は会場マップを見ればわかるものの、その389社がどんなクルマを展示しているのかまでは、細かく情報が掲示されていません。そうです、広い会場を歩いて探すしかありません。 ほかにも取材すべきクルマやブースはあるのですが、残りの取材可能時間は約4時間、立ち止まっている暇はありません。会話から生まれた思いつき企画、題して「サロンのテスラ全部撮る」実行です。 オートバックス:A PIT EV MODEL Y オートバックスの旗艦店「A PIT AUTOBACS SHINONOME」が製作したモデルYは、EVでもカスタマイズする楽しさは健在であることを証明するための1台になっています。 EVというとカスタムやチューニングはできないんじゃないか、と構えてしまうところがありますが、A PITの手にかかればそんなことはありません。むしろA PITととしては、どうやったらお客さんがEVでもカスタムを愉しんでもらえるか、ユーザーに先行してEVカスタムの可能性を探っているわけです。そのため、ラッピングすることでセンサー類に異常が発生しないかもテストしているといいます。 カスタムというと、外見の変化に目が行きがちですが、車内の快適性向上も立派なカスタムのひとつです。モデルYはそのキャラクターから長距離移動の需要が高いと考え、レカロシートを導入するうえではセンターコンソールに肘が置きやすくなるように、シートレールを独自開発し最適な高さになるよう調整が施されています。 また、車内の音楽視聴環境にも注目。ビーウィズとフォーカルのテスラY、モデル3専用スピーカーキットをラインアップするほか、静音キットを開発して両者を組み合わせることで、静粛な車内を創り出し、クリアな音質を響かせることに成功しています。 走りの面でも、A PITオリジナルのサスペンションキットとアンプラグドの調整式スタビライザーで質感を高める工夫がされていますし、BBSのLMホイールも前後異なるサイズをスマートに装着してみせています。もちろんエアロも車検対応品で、Maxton Designのものが採用されています。 YOKOHAMA&YOKOHAMA WHEEL:リバティーウォークEV向けエアロ装着 モデル3 横浜ゴムのADVANブランドをPRするブースで光り輝いていたのは、リバティーウォークのEV向けエアロシリーズ「LB-E-WORKS」をまとったテスラ・モデル3。迫力のワイドフェンダースタイルは誰が見てもリバティーウォークのそれで、米国を中心に海外でウケること間違いなしのルックスです。 足もとは「走りのホイール」として絶対的な人気を誇るADVAN Racing GTの進化型ホイール、ADVAN Racing GT Beyondの19×11Jを前後に装着。深くコンケープしたスポークが、凄みを感じさせます。もちろんここは横浜ゴムのブースなので、タイヤも275/35R19のADVAN Sport V107を履かせてビシッときめてます。 リヤも存在感のあるダックテールウィングとディフューザーで完全武装。王道のリバティーウォークスタイルでありながら、上質さを感じるのはそのデザインが完成の域に達しているからでしょうか。 黒基調のブースに真っ白なド迫力ボディとレーシングチタニウムブラックのADVANホイールの組み合わせは、オートサロンのEV関連展示では間違いなくもっとも「映え」ていた1台です。 MID WHEELS:EV専用ホイール「TW025」装着 モデルY アルミホイールの老舗メーカー「マルカサービス」が展開する「MID」ブランドは、モデルYにEV用ホイールとして開発されたTW025を装着して展示。車両の左右で装着ホイールの色を変え、オプションパーツの有無でも違いを表現していました。 マルカのMIDといえば軽量かつ高強度なホイールを生み出す「フローフォーミング製法」が有名ですが、このホイールの場合はEV特有の静かな走りを阻害しないよう、ホイールのインナーリムの厚さをあえて厚くするEV専用チューニングが施されています。 厚みを増やすことで重量は多少重くなる反面、バネ下から発する共鳴音を抑え、車内に侵入する不快なノイズを低減できるそうです。とくに後部座席は後方に大きなラゲッジスペースを抱えていることから、その効果を顕著に感じられるとのことです。 また、このホイールには「エアロコンセプトプレート」と呼ばれるリムに沿って装着するプレートがオプションで設定されています。 見た目の印象が大きく変化するだけでなく、空力的な洗練さを感じさせることから、メカ好き男子には堪らないアイテムではないでしょうか。

TAG: #カスタム #テスラ #東京オートサロン2025
TEXT:斎藤充生
EVのチューニングカーに新車とトピックが目白押し! 東京オートサロン2025を彩ったEVたちを一挙公開

EV勢力拡大中の東京オートサロンから気になるトピックをお届け 東京オートサロン2025では、電気自動車(EV)の出展が例年にも増して目立った印象だ。ここまでいくつかのトピックを独立した記事としてお届けしてきたが、当記事ではそのほかの注目すべきEV関連トピックをまとめて紹介したい。 BBS:新素材を採用したEV・SUV向け新作ホイールを発表 高級ホイールとして確固たる地位を築いているBBSは、開発に10年を要したといわれる新素材「FORTEGA」を使用した新作の1ピース鍛造ホイール「FL」を発表。 高負荷・高荷重になりがちな重量級SUVやEVをターゲットとしたホイールで、早速ポルシェ・タイカン4 クロスツーリスモにフロント9.5J、リヤ11.5Jの21インチを装着して展示。 新素材のFORTEGAは、従来のアルミニウム合金と比較して高剛性を維持しながらも、約10%の重量軽減効果が得られる素材で、同じくBBSのハイスペック素材である「超超ジェラルミン」を上まわる剛性を確保したという。EVの電費を犠牲にすることなく、運動性能と乗り心地の向上に貢献することだろう。 オートバックスセブン:小型電動モビリティ取り扱いの動き オートバックスは、運転免許不要で乗れるパーソナルモビリティとして近年注目を集める小型電動モビリティ・特定小型原付の販売にも力を入れている。 現在は、世の中に数多とあるなかからオートバックスがセレクトした8メーカーの車両を取り扱う。店舗により扱いメーカー数は異なるようだが、各店舗では乗り方や交通ルールに関する研修を受けた専任スタッフが、事前に試乗も行ったうえで顧客の購入相談に乗ってくれるというから、安心感が高い。 また、これらを扱う全国35の店舗では、店頭で試乗することも可能なうえ、クルマに積めるかも確認させてもらえるなど、大型カー用品店ならではの強みを活かした販売スタイルが特徴だ。今後も専任スタッフが常駐する取扱店舗は拡大予定だという。 ヤマハ発動機:フォーミュラE GEN3 Evo「Lola T001」を本邦初公開 EVのフォーミュラマシンによって争われる「ABB FIAフォーミュラE世界選手権」の2024/2025シーズンから参戦を開始したヤマハ発動機が、今シーズンから使用されている新型フォーミュラEマシンGEN3 Evoの「Lola T001」を国内初披露した。 F1より30%ほど速い0-100km/h加速性能を持つフォーミュラEで、ヤマハはモーター、インバーター、ギヤボックスを開発し、車体開発を行うLolaに対して供給を行っている。新型マシンはレース中のアタックモード効果が増大したことで、従来以上にカオスな展開を見せている今シーズンのフォーミュラEだが、会場で話をうかがったヤマハの担当者によれば、「(カオスな状態になるのは)十分想定していた範囲」とのこと。 5月には再び東京ビッグサイト周辺の公道を使用して2日間レースが行われる。日本のヤマハと日産にとっては凱旋レースとなり、白熱するレースの中で活躍が期待される。 ケータハム:プロジェクトV イギリスの名門スポーツカーブランド「ケータハム」は、現在日本のVTホールディングス傘下に入り、新たなEVクーペを開発中だ。 「プロジェクトV」と呼ばれるこの計画、日本の東京R&Dとプロトタイプ車両の開発・製作が進められており、ヤマハ発動機がパワートレインの主要部あたるeアクスルを供給し、車両の運動制御においても技術提供がされるなど、英国ブランドにあって日本企業の存在感が大きいプロジェクトとなっている。 2024年の東京オートサロン出展時とは異なる白色のボディが展示されたことに加え、EVの中核を成す台湾のシン・モビリティーが開発した液浸冷却バッテリーも展示され、プロジェクトが順調に進んでいることをうかがわせた。

TAG: #オートバックス #ケータハム #ヒョンデ #ヤマハ発動機 #東京オートサロン2025
TEXT:斎藤充生
東京オートサロンに現れた異色のアリアはなんと学生ひとりで作った力作! ここまで仕上がっててじつはまだ進化途中だったってマジか

ひとりの学生が電気自動車のカスタマイズに果敢に挑んだ! 東京オートサロンといえば、各自動車メーカーやチューニングショップが手塩にかけて作り上げたカスタムカーが所狭しと並び、その華やかさに圧倒されるものだが、未来の自動車産業の一端を担う学生たちの出展も魅力的だ。 今回注目したのは、関東工業自動車大学校のブースに飾られた日産アリア。ベースのアリアは、SUVタイプの電気自動車(EV)ではあるが、泥臭さとは無縁な洗練された印象のイマドキのSUV。しかし、展示されたアリアはその真逆をいくもの。 制作者は車体整備課3年の大野祥聖さん。通常、こうした自動車大学校の出展車両は、クラスや数名単位でコンセプトから予算管理、設計、製造までを行うものなのだが、このアリアはなんと大野さんがほぼひとりで製作したというのです。 もともと日産リーフのレーシングカー(LEAF NISMO RC_02)を見て、EVでもここまでカスタマイズできるものなのかと衝撃を受けた大野さんは、いつか自分でもEVのカスタムカーを作ってみたいという願望を抱いていたそう。 そこに関東工業自動車大学校へ、日産自動車からアリアの開発用テスト車両を寄贈する話が舞い込む。ボディのスタイリングとしてはクロカンタイプが好きだという大野さんにしてみれば、EVかつSUVというまたとない好材料が目の前に転がり込んできたわけで、この好機を逃すわけにはいきません。 学校を介して日産側へカスタムするためにボディの切断を含むカスタマイズを施してもよいか確認をしたところ、これを日産側が快諾。ここに電気自動車のアリアをカスタマイズする計画がスタートしたわけです。 泥臭さを感じられるクロカンタイプのアリアを作ろうと構想したはいいものの、アリアに適したオーバーフェンダーは無いし、専用のロールバーだって存在しない。となれば「無いものは作ってしまえ」の精神で、鉄パイプ1本でどこまでハードコアなクロカン風アリアが作れるのかチャレンジしたくなってしまった大野さん。若さと勢いって大事です。 スタイリッシュなアリアは複雑な面構成を持っており、キャラクターラインも尊重しながらそのボディに沿うようにパイプを曲げていくのは、なかなか難儀したそうです。しかも、ひとりで作業しているものだから、カーブに沿ってパイプの曲げ加工を行っていても、若干のズレを修正しようにも付けたり外したりも含めて全部己に頼るのみ。俯瞰してチェックしようにも、他に作業スタッフがいないのだからさあ大変。 とはいえ、大野さん自身が加工にあたって行き詰ってしまう場面や、そもそもの作業方法で苦戦する場面では、学校から紹介してもらったショップ「カスタムハウス」にアドバイスをもらいに行くなど、先人の知恵を借りたそう。 車高は今後の配線関係の作業にゆとりを持たせるため、メンバーを下ろして角度をつけたうえでスプリングで100mmのアップを敢行。さらに、タイヤ外径を変更し50mmリフトさせたことで、合計約150mmのリフトアップを施しています。 車高を上げパイプフェンダーを組んだこのアリアに見合うホイールとして、納期も考えながらワークのマイスターL1を選んだものの、果たしてイン側のクリアランスは確保できているのかなど、学生にはハードルの高い未知の領域に挑んでおり、その調整はオートサロン前日までかかったそうです。

TAG: #アリア #東京オートサロン2025 #関東工業自動車大学校
TEXT:斎藤 充生
免許を返納した高齢者も祖父母の手伝いに来た高校生の孫も乗れる! バッテリー交換式を採用したヤマハ「ディアパソン C580」が描く明るい未来

汎用携行型バッテリーで動く「ディアパソンC580」 ヤマハ発動機は、自社製の電動モーターを利用したさまざまな形態の小型モビリティを提案している。これまでは、各種展示会に出品時は、「ヤマハ・モーター・プラットフォーム・コンセプト」の名のもとに展開されていたが、このほど「DIAPASON(ディアパソン)」という名称に落ち着いたようだ。 先ごろ開催された東京オートサロン2025においても、この小型定速EV汎用プラットフォーム「ディアパソン」の拡張モデルとして、ふたつのモデルが参考出品された。 ひとつは農業機械分野で実績をもつ三陽機器や自動車・オーディオチューニングに定評のある尾林ファクトリーらとコラボレートした「ディアパソン C580 Fork 1」というモデル。車体前方にドーザーが取り付けられ、後方にはヒッチメンバーを介してトレーラーを牽引。農場やグラウンド整備など、簡単な不整地整備ならこなせそうな車体を提案してきた。 尾林ファクトリーが関わるだけに、運転席の前にはしっかりスピーカーが備わり、「音楽でも聴きながら楽しく作業しましょうよ」といったカジュアルな使われ方が想像できる。 もう1台は「ディアパソン C580 Fork 2」と呼ばれ、こちらは一見して分かりやすくトーヨータイヤのSUV/ピックアップトラック向けタイヤブランド「オープンカントリー」とのコラボモデルとなっている。より個人のホビー用車両といったイメージで、河原やキャンプ場内の移動とちょっとしたレクリエーションに使えるモビリティとしての活用シーンが想像できる。 足元にはトーヨー・オープンカントリーの175/60R16を装着。これにゴールドのワーク・マイスターS1を組み合わせ、ドレスアップにも抜かりなし。海岸のパトロール車両として活躍してくれたら、人目にもつくし走破性も良さそうなので、浜辺の軽作業用としても重宝しそうだ。 このディアパソン、ホンダが開発し国内二輪製造メーカーの統一規格として普及が見込まれる携行型バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:」を2基搭載し、前後の車軸にそれぞれヤマハ製小型モーターを搭載する。しかしながら、ドレスアップしたその姿からは電動バギーの一種にしか見えない。この車両の真の目的は何か、ヤマハ発動機の技術・研究本部 共創・新ビジネス開発部 事業推進グループの千賀善明氏に話をうかがった。

TAG: #ディアパソン #ヤマハ発動機 #小型特殊 #東京オートサロン2025
TEXT:斎藤 充生
賛否の渦に巻き込まれるも聞けば唸るほどの徹底ぶり! 話題のR32EVが目指した場所とは

なぜEV化しただけで騒ぎになるのか? クルマ好きの間では、ときに車名よりも型式を主語として会話したほうが話が成立する場合があります。「80(ハチマル)」といったらトヨタの2代目スープラだし、「FC」といえばマツダのサバンナRX-7といった具合で、ついぞトヨタ86のように先祖の型式AE86の呼称が、そのまま後の車名にまで昇華するパターンまであるほどです。 いわば車名でいっても何世代かモデルチェンジを行っている場合、何代目とか何年式とかいうよりも、クルマ好きの間では型式でいってしまったほうがパッと頭のなかに姿形が思い出しやすいのです。そして、ひとしきり「あの型は〇〇がダメでね~」「〇〇のパーツだったら流用できるよ」なんて取り留めもなく会話が成立してしまうのも、クルマ好きの悲しい性なのであります。 その型式で呼ばれるクルマのなかにあっても、金字塔ともいえる存在がBNR32(通称:R32)ではないでしょうか。型式でいわれても……という方に説明申し上げますと、1989年に登場した日産スカイラインGT-Rのことです。 日産がレースに勝つために、当時のスカイラインを大幅にモディファイして誕生させた初代スカイラインGT-Rから数えて3代目にあたり、オイルショックを機に一時カタログラインアップから姿を消していたところ、再びレースで勝つことを使命に復活を遂げたため、このR32から続く5代目のR34型までを第2世代GT-Rとカテゴライズするのが、このスカイラインGT-Rなわけです。 R32は当時の日産の技術を結集した意欲作であり、搭載する直列6気筒ツインターボエンジン「RB26DETT」の強烈なパワーとトルク、そしてそれを路面に伝える4WDシステム「アテーサE-TS」とマルチリンクサスペンションにより、卓越した運動性能で多くのカーマニアを魅了した1台です。 登場から30年以上が経過したいまでも、多くの人々を魅了し続ける稀有な日本車ですが、その人気は国内にとどまらず、海外でも大人気。現存台数が減少し、さらに状態の良い個体が数を減らし続けるなか、現在かなりの高値で取引されているのが現状です。 そんなR32GT-Rを日産がEV化するとSNS上で発表したのは2023年3月のこと。もはや神格化されつつある名車のアイデンティティでもある「ガソリンエンジンを捨て、EV化するとは何ごとだ!」 とGT-Rファンだけでなく、クルマ好き界隈が一斉にシュプレヒコールを挙げたのはいうまでもありません。筆者も少なからずそう思いましたし、日産は何を目的にR32をEV化するのかと漠然とした疑問が頭のなかでモヤモヤとしておりました。

TAG: #GT-R #日産 #東京オートサロン2025
TEXT:斎藤 充生
ヒョンデ新型EVは第4の刺客にして真打ち登場か? サイズも価格も軽EVを徹底的にマークした「インスター」

万能性こそインスターの特徴 東京オートサロン2025の会期初日にあたる1月10日(金)に、ヒョンデがスモールEVの「INSTER(インスター)」を発表し、同日から先行予約の受付を開始した。 いまや世界第3位の販売台数を誇る自動車メーカーの新型車日本導入発表ということもあり、ヒョンデブース内は報道関係者で寿司詰め状態。また、韓国のHyundai Mobility Companyからは、ジョン・ユソク副社長が駆けつけるなど、ヒョンデ側の熱量も感じられるカンファレンスとなった。 その冒頭で、Hyundai Mobility Japanの七五三木社長から、他人からどう見られたいかを優先してクルマ選びをしてはいないだろうかと問題提起がなされた。それに対し「ヒョンデは、それぞれの皆さまがクルマをどう使いたいか? に合わせて選ぶものだと考えます」と提唱。 十人十色のクルマの使い方があるなかで、インスターは裾野を広く、多くのユーザーに満足してもらうために万能性を重視したスモールEVに仕立てたと説明。 インスターのエクステリア そして、アンベールされた注目のスモールEV「インスター」は、全長3830mm×全幅1610mm×全高1615mmという数値以上に、大きく堂々とした姿で我々の目の前に現れた。フロントフェイスにはファニーな丸形のLEDランプと、その上部にヒョンデEVを象徴するピクセルグラフィックがウィンカーランプとして配され、存在感を演出している。 サイドビューは、フロントとリヤを明確に分ける骨太のBピラーと、クロスオーバーSUVをイメージさせるフェンダー処理により、コンパクトなボディサイズに力強さを与えている。 それは、腰高なフォルムとこのクラスにしては珍しいルーフレールを採用しているところも大きいだろう。 ファニーさと無骨さが共存するインスターは、いわゆる「カッコかわいい系」のデザインで、街でも山でもアクティブに動きまわれそうなイメージをデザインから醸し出している。 インスターのインテリア 時間の都合上、じっくりと見ることは叶わなかったが、コラムタイプのシフトレバーを採用してたインテリアは、前席左右の足元空間にも余裕があり、クラスレスな快適性が備わっている印象だ。また、展示されていた「ラウンジ」グレードを含め、「ボヤージュ」との2グレードは、前席にシートヒーター付き合成皮革シートが奢られ、ステアリングヒーター付き本革巻きステアリングも備えるなど、装備の充実ぶりが目を見張る。 インパネまわりは、EVらしく10.25インチの高解像度メータークラスターとセンターのナビゲーションシステムのふたつの大画面ディスプレイから成るデジタルコクピットですっきりとしている。 全幅が1610mmであることから、後席は無理に3人がけとせず、ゆとりを持たせてふたりがけとしている。つまり、ヒョンデ・インスターの乗車定員は4名だ。その反面、リクライニングとシートスライド機構、さらに前後席のフルフォールディング機構を取り入れて快適性と多彩なシートアレンジを実現している。 このあたりの空間の使い方やデザインに関しては、韓国版の軽自動車にあたるヒョンデ・キャスパーを開発する際に、開発陣が日本にやってきて軽自動車を徹底的に調査したことが生きているのだと発表会の最後に明かされた。 だからインスターはグローバル向けのスモールEVでありながら、日本で使いやすそうなボディサイズで、さらに高効率なスペースユーティリティが備わっているのかと妙に納得した。 さらに、ヒョンデのEVに共通して装備されているV2L(Vehicle to Load)がこのインスターにも全車標準装備されている。これにより車内外で電化製品を使用できるので、最近流行りの家電キャンプをするのにも都合がいい。 インスターのEV性能とグレード別車両価格 さて、インスターのEVとしての性能はどうだろうか。バッテリー容量と最高出力はベーシックグレードたる「カジュアル」が42kWh/71kW、中間の「ボヤージュ」と上級の「ラウンジ」は49kWh/85kWと差がつけられている。このバッテリー容量と装備の一部省略化により、「カジュアル」は284万9000円という戦略的な価格設定が実現した。 国土交通省の型式認証を取得中のため、今回の発表では日本仕様の一充電航続距離は公表されなかったが、欧州仕様車で49kWhのラウンジが370kmとされているので、42kWhのカジュアルはおおよそ300km強になると見るのが妥当だろう。価格帯が近い軽EVに対し、この足の長さは圧倒的なアドバンテージになるかもしれない。 また、足まわりと運転支援機能に関しては、日本に拠点を構えるヒョンデのR&Dセンターが、日本の道路、交通環境に合わせた専用チューニングを施し最適化を図っているという。 その運転支援機能は、高速道路で前方車両との車間距離を維持する高速道路ドライビングアシスト(HDA)や、車両の周囲の状況をモニターに表示するサラウンドビューモニター(SVM)などのほか、ヒョンデでは初となるペダルの踏み間違いによる急加速を抑制する「PMSA」を採用し、機能の充実による安全性の向上に努めている。 航続性能を求めるがあまり肥大化の一途をたどるEVにあって、日本の道路・駐車場環境に適したサイズにして、室内空間も必要十分。それでいて車両本体価格は軽EVに対抗しうる戦略的な設定。ヒョンデ第4の刺客にして真打ち登場といったところか。納車は5月ごろからを予定しているという。 ■ヒョンデ・インスター グレード別車両本体価格(税込み) Casual :284万9000円 Voyage:335万5000円 Lounge: 357万5000円 ■車両スペック(Loungeグレード)

TAG: #インスター #ヒョンデ #東京オートサロン2025
TEXT:TET 編集部
ヒョンデが東京オートサロン2025でスモールEV「インスター」を日本初公開! ドリキン土屋圭市監修のNパフォーマンスパーツのお披露目と屋外ドリフト走行も披露

2025年春発売予定の新型インスターとインスタークロスを国内初公開 今年6月に韓国で行われた釜山モビリティショーで世界初公開されたヒョンデのスモールEV「INSTER(インスター)」が、2025年1月10日(金)~12日(日)に幕張メッセで開催される「東京オートサロン2025」で国内初披露されることが決定した。 また、ヒョンデのハイパフォーマンスブランド「N」とカー用品店大手のオートバックスセブンがコラボし、ドリキンこと土屋圭市氏の監修による「IONIQ(アイオニック) 5 N」用のオリジナルパフォーマンスパーツの公開も発表された。 オートサロンらしくカスタマイズ仕様のインスタークロスもお披露目 まず、スモールEV「インスター」について。ヒョンデの乗用車部門が2022年2月に日本へ再参入を発表して以降、FCEV(水素電気自動車)のNEXO(ネッソ)、BEVのアイオニック 5、SUVタイプのKONA(コナ)、ハイパフォーマンスEVのアイオニック 5 Nを順次投入してきたヒョンデにとって、第5弾にして4車種目の新型EV投入となるのがインスターだ。 ヒョンデのEVラインアップでもっとも小さいサイズのBEVでありながら、ロングドライブを実現する航続性能や、ゆとりのある広い室内空間が自慢で、多様なライフスタイルに対応できるオールマイティなモデルになっている。 日本国内での販売は2025年の春ごろを予定しており、東京オートサロンでは市販モデルのインスターと、カスタマイズ仕様のインスタークロスの2種類が展示される予定だという。また、気になる国内での先行予約開始日や車両価格についても、併せて発表が行われる予定なので、ワールドプレミアからその存在を気にされているEVファンは、会場に足を運んでみてほしい。

TAG: #N #ヒョンデ #東京オートサロン2025

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