#価格
TEXT:高橋 優
新型日産リーフはアメリカで激安EVになる! ただし日本での価格は「安くない」可能性も!!

アメリカにおけるリーフの価格が判明 日産がアメリカ市場で新型リーフの値段を公開し、現在発売されているEVのなかでもっとも安価な値段設定を実現してきました。その一方で日本国内の値段設定が、想定よりも高くなる可能性が浮上してきているという最新動向を解説します。 まず三代目となる新型日産リーフについて、ハッチバックからクロスオーバーSUVに進化しながら、インテリアデザインもアリアのデザインをところどころに継承。さらに調光ガラスルーフや14.3インチのデュアルディスプレイ、BOSEの10スピーカーシステムなど、装備内容も充実させています。 そして今回判明したのが、この秋に世界に先駆けて発売するアメリカ市場において、新型リーフの正式な値段設定が公開されたという動向です。まずアメリカ仕様の新型リーフのバッテリー容量は52.9kWhと75.1kWhの2種類を設定しながら、52.9kWhのSグレードのみ、2026年春以降に納車がスタート。今回値段が公開されたのは、S+、SV+、そしてPlatinum+の3グレードです。 とくに75.1kWhバッテリーが搭載されると、航続距離はEPA基準でも最長488kmと、非常にゆとりの航続距離を実現しています。ちなみに19インチタイヤを選択すると航続距離は417kmと大きく低下することから、日本国内でタイヤサイズを選択できるのかは気になるところです。 また充電性能は最大150kWに対応し、SOC10-80%を30分程度で充電可能です。動力性能は最新の3-in-1パワートレインを採用しており、0-100km/h加速も7.6秒と、重量が増えているものの、先代モデルと同等の加速性能を実現しています。 収納スペースは420リットルのトランク容量と、先代モデルとまったく同等のスペースを確保しながら、最小回転半径は5.3m、最低地上高は135mmと都市型SUVとして必要十分なサイズ感を実現しています。 そして値段設定について、まずPlatinum+グレードが3万8990ドル(日本円で約575万円)を実現しながら、中間グレードのSV+グレードが3万4230ドル(約505万円)、そして75.1kWhバッテリーを搭載するエントリーグレードのS+グレードが2万9990ドル(約442万円)を実現しました。なので、現在インフレやEV関連の原材料コストの高騰によって、アメリカ国内で2万ドル台で発売しているEVは存在しないことから、新型リーフはアメリカ国内で発売されているもっとも安価なEVとなります。 これは、現行型リーフは40kWhバッテリー搭載グレードが2万8140ドルであることから、バッテリー容量や装備内容が大幅に充実したにもかかわらず、ほとんど値上げしてこなかったことになります。そればかりか、2026年春に投入予定のSグレードはさらに値下げされて、おそらく2万8000ドル弱という値段設定で発売されるはずです。2代目よりも安くなるとイメージしてみれば、アメリカ市場を本気で狙ってる値段設定といえるでしょう。 先代のリーフはアメリカ現地の生産工場で生産されていたものの、3代目リーフからは北米での生産を取りやめて、日本の栃木工場で日本市場分と一緒に生産されることになりました。よって輸送費がかかるという点、さらにトランプ関税によって、自動車輸出に対して15%の関税率が課されることでコストは上がっているはずです。それにもかかわらず先代モデルと比較しても安価な値段設定で発売することからも、日産が新型リーフに対して強気の値段を示してきたといえます。

TAG: #価格 #北米 #新車
TEXT:御堀直嗣
どう考えてもエンジン車より高額なEV! 高い理由はバッテリーにあるってマジ?

バッテリーの原価は1kWhあたり1万6000円ほど 電気自動車(EV)の値段が高いのは、バッテリー原価のせいだといわれている。それはいまなお続いている。 では、いつになったらエンジン車と同等の価格に落ち着くのか? 米国の総合情報サービス会社であるブルームバーグの数値などを参考にすれば、初代リーフが発売された2010年当時、リチウムイオンバッテリーの原価は1kWh(キロ・ワット・アワー)あたり1000ドルといわれていた。円換算は、その時代の為替相場に負うため、日本円でいくらになるかを正確には表現しがたいが、当時は80円台から90円前後であったので、90円で計算すると、1kWhあたり約9万円になる。 初代リーフは、24 kWhのバッテリーを搭載したので、それだけで216万円になる。また、2009年に発売された三菱i-MiEVは、バッテリー容量16kWhの軽EVでありながら438万円(消費税抜き)と値付けされたが、それくらいの価格でないと採算が取れなかったであろう。 では、現在はというと、2024年の数字で1kWhあたり111ドルであり、現在の円相場は145円弱なので、1万6000円ほどだ。現行の2代目リーフの標準車は40kWhを搭載するので、64.3万円がバッテリーぶんと考えられる。 バッテリーの原価だけを見れば、15年を経て83%も値下がった一方、バッテリー搭載量が1.6倍に増えたことにより、車載のバッテリー原価の点では、70%減になる。 以上は、ざっくりとした試算であり、全体像を掴むうえでの数字を考えておいてほしい。 リチウムイオンバッテリーの価格は、初代リーフが発売されたころに比べ、大幅に安くなっている。 安くなった要因のひとつは、電極の材料価格が下がったことによる。ただし、ここは資源の話なので、需要と供給の様子によって一方的に下がっていくということにはならず、状況に応じて上下する可能性がある。 それから、バッテリーパック内にいかに効率よくセルを詰め込めるかというパッケージング技術の改善や向上も、バッテリー原価の低減に効いてくる。 そのうえで、いかに減価償却費を下げるかであり、それには大量生産という昔ながらの手法が求められる。それが、ギガファクトリーと呼ばれるような大規模工場の建設につながる。ただし、ただ工場を大型化すればよいわけではなく、その稼働率をいかに100%へもっていくか、采配が問われる。 あるバッテリー専門家によれば、「稼働率がバッテリーの値下げに不可欠だ」という。つまり、売れるEVを開発し、それを計画どおり売り切る販売戦略があってはじめて、バッテリー工場の稼働率を100%へもっていけるのである。

TAG: #リチウムイオンバッテリー #価格
TEXT:渡辺陽一郎
ヒョンデ・インスターは本当に脅威か? 日本にも安いEVはあるぞ!!

インスターの最安グレードは実質228万7000円 コンパクトな輸入電気自動車のヒョンデ・インスターが2025年4月から日本で販売を開始した。もっとも注目されるのは価格だ。1番安価なカジュアルは284万9000円。国から交付される補助金の56万2000円を差し引くと、実質価格は228万7000円に下がる。 インスター・カジュアルの駆動用電池は総電力量が42kWhで、衝突被害軽減ブレーキや車線に沿って走れるようにパワーステアリングを制御するレーンキーピングアシストなども標準装着する。実用装備を採用しつつ価格を抑えた。 そこで安価な電気自動車を取り上げたい。2025年6月中旬時点で購入できる電気自動車で、もっとも安価な車種とグレードは、三菱eKクロスEV・Gビジネスパッケージだ。 Gビジネスパッケージは法人向けのグレードで、Gに比べるとIRカット/99%UVカットガラス、本革巻きステアリングホイールなどを省いた。その代わり価格も20万4500円安い236万4000円としている。充電ケーブルがオプションといった不満はあるが、それでも20万円を超える価格の引き下げは大きい。 国から交付される補助金額は上級グレードと同額の56万8000円だから、この金額を価格から引いた実質価格は179万6000円に収まる。eKクロスEVのリチウムイオン電池は、総電力量が20kWhと小さいが、ボディがコンパクトで車両重量も1060kgと軽い軽自動車サイズの電気自動車だ。1回の充電でWLTCモードにより180kmを走行できる。 eKクロスEVと基本部分を共通化した日産サクラは、もっとも安価なXが259万9300円だ。eKクロスEV・Gビジネスパッケージに比べて23万5300円高いが、IRカット&UVカットガラスやアルミホイールなどを標準装着する。それでも充電ケーブルはオプション設定だ。補助金額はeKクロスEVよりも少し高い57万4000円で、これを差し引いたサクラXの実質価格は202万5300円になる。 このほか、軽商用車規格の電気自動車にはホンダN-VAN e:がある。もっとも安価なグレードは、リース専用車を除くとe:L4で269万9400円だ。内外装はシンプルだが、助手席と後席を格納すると大容量の荷室に変更できる。e:L4は衝突被害軽減ブレーキや運転支援機能も標準装着する。国から交付される補助金額は57万4000円で、これを差し引いた実質価格は212万5400円だ。 以上のように軽自動車規格の電気自動車は、ヒョンデ・インスターカジュアルの284万9000円と比べてもさらに安い。ただし、リチウムイオン電池の総電力量は、eKクロスEVとサクラが20kWh、N-VAN e:は29.6kWhだが、インスターカジュアルは前述の42kWhに達する。総電力量の違いを考慮すると、インスターカジュアルの買い得度も相応に強まる。

TAG: #価格 #安価

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