#ビジネス
TEXT:山本晋也
EV時代にゴロゴロ出てくる新興メーカー! 魅力はあるけど老舗ブランドにはない「危険性」もある!!

新興EVメーカーが倒産したらどうなる? 20世紀の末ごろには「400万台クラブ」という言葉が、自動車業界で使われていたことを覚えているだろうか。21世紀において自動車メーカーが生き残るためには規模(スケール)が必要で、その最低レベルが年間生産台数400万台であり、それ以下の自動車メーカーは淘汰されてしまうというシナリオを意味する言葉として使われた。 その結果として、多くの自動車メーカーが合併することになった。代表的なのがステランティスで、プジョー・シトロエン、フィアット、クライスラーといった出自の異なるメーカーが集まってできている。 その一方で、EV時代になって旧来型の自動車メーカーとは異なる新興メーカーも多く誕生している。そのなかにはアメリカのテスラや、中国のBYDといった大メーカーに成長した企業もあるが、アメリカや中国では多くのEVスタートアップが生まれては消え……といった状態にあるという。 はたして、新興EVメーカーが倒産・破産した場合、クルマの保証やメンテナンスはどうなるのか? メーカーは存続しても、日本から撤退した場合はどうなるのだろうか? その対応はケースバイケースになるだろうが、ブランドやメーカーの持続性を前もってユーザーは意識しておくべきだ。 具体的に、日本から撤退したケースを見てみよう。 EV専業メーカーではなく、伝統的な自動車メーカーである「フォード」は、2016年に日本市場から撤退した。ただし、メーカーとしては存続しており、さらに補修部品の供給などアフターサービスの引き受け先もある。すぐさま保証やメンテナンスに問題が起きるということはなかった。 新興メーカーが倒産したとしても、ほかの企業が吸収合併したのであれば、保証などは吸収した側の企業が引き継ぐことになる。ブランドが消えてしまえばリセールバリューが落ちてしまうことは避けられないだろうし、長期的な部品供給に問題が出てくる可能性もあるだろうが、メーカー保証という点ではこの場合、問題は起きない。 しかし、該当するメーカー自体が破産・精算した場合は話が異なってくる。

TAG: #ビジネス #倒産 #生産
TEXT:石橋 寛
テスラに続けと一攫千金を狙う !? ウガンダにもベトナムにもブラジルにも誕生した新興自動車メーカーの本気度

EVビジネスに挑戦するメーカーが多数 テスラの時価総額はイーロン・マスクとトランプ大統領の決別を受け、かなり下がったものの9000億ドル以上をキープして、自動車メーカーとしてはダントツのトップ。こうした一攫千金にも似たEVビジネスに挑戦する企業はあとを絶たず、いまや世界中にEVメーカーが乱立しているといっても過言ではありません。 ご存じ中国はもちろん、ベトナムやタイといったアジア圏に加え、アフリカやブラジルでもEVメーカーが虎視眈々と次なるテスラを目指しているのです。もっとも、なかには金に目がくらんだかのような頼りないメーカーもいたりして、玉石混交の様子ではあります。 キーラモータース/ウガンダ アフリカ初のEVメーカーとして、2018年にウガンダ政府によって創立されました。が、同国のEVは2007年に国立マケレレ大学の学生たちが作った試作車が出発点。インド市場を対象とした5人乗りのプラグインハイブリッド電気自動車、Vision 200を設計するという世界的なサミットに、アフリカから唯一参加したことがきっかけで、その後も同大がEV開発をリードすることに。2011年にはアフリカ初のオリジナルEV「キーラEV」が完成し、すぐさま政府がキーラモータースを設立して販売ということに。 やっぱり政府主導となると各国の出資も集まるからか、当初の研究室レベルからは格段の進化を遂げています。2016年にソーラーパネルを装備した電動バス「カヨーラ」をリリースすると、アフリカのニーズに沿ったものか大量輸送車をコアに据えながら、さまざまなEVを発売。いまやアフリカ大陸でEVといえばキーラモータース一択、くらいのポジションを築き上げたとか。学生のプロジェクトに目をつけて、それを伸ばして成長させ、さらには一定の成功を収めるという絵に描いたようなストーリーではあります。 ビンファスト/ベトナム 2017年に、ベトナムの最大財閥ビングループが自動車産業に参入するために設立され、当初はガソリン車からスタートしたのですが、2022年にEV専業となっています。驚くべきは翌2023年にアメリカのナスダックに上場すると時価総額が一気に1900億ドルにもふくれあがり、テスラ、トヨタに続く3番手になったこと。これにはアメリカ市場ならではのマネーマジックがあったようですが、ビンファストのEVは、マーケットの妙な動きとは裏腹に着実に存在感を増しているようです。 たとえば、2022年から主力商品となっている「VF8」はご覧のとおり、スタイリッシュなクロスオーバーSUVで、出力380馬力のデュアルモーター×全輪駆動、航続距離もエコモードならば470kmを達成するとされています。また、ベトナム国内だけでなく、アメリカやドイツにも輸出され、戦略的な値付けもあるのか飛ぶように売れているのだとか。 いまでこそEVのビンファストとして知られていますが、創業当初はピニンファリーナやBMWといったパートナーを迎え、ラクス・シリーズというなかなか攻めたモデルを作っていたわけで、EVオンリーになってしまうのはいささかもったいないような気もします。

TAG: #ビジネス #メーカー
TEXT:山本晋也
余った土地に「ヨシ! 急速充電器を設置するか」は現実的? 個人がEVの充電サービスで儲けられるか考えてみた

現状では儲かるビジネスとはなり得ない EV(電気自動車)の普及に急速充電インフラの整備は必須条件である、と思っている自動車ユーザーは多いだろう。現実的には、たまに利用する急速充電より、自宅や職場など長時間駐車している環境における普通充電(基礎充電)を確保することが利便性につながると理解できるのだが、それでも急速充電インフラが不要という意味ではない。 急速充電インフラが整備されればEVの運用にとってプラスしかないのも事実だ。 では、個人(自営や副業レベル)で急速充電インフラの整備に貢献することはできるのだろうか。具体的にいえば、自宅の敷地などに不特定多数が利用できる急速充電器を設置することは可能なのだろうか。 結論からいえば、個人が独立した急速充電器を使ってビジネス化することは非常に難しく、非現実的といえる。そこにはいくつもの理由が考えられる。 まずは、急速充電器を設置するためにクリアすべき規制や条件のハードルが高いことが挙げられる。いま日本で50kW級以上の急速充電器を設置するには高圧受電設備(キュービクル)の設置が必要で、建屋とキュービクルの間は3m以上の空間が必要となっている。高速道路のPAや、観光地の道の駅などで急速充電器がポツンと置かれているのには、こうした規制が影響している。 キュービクルの設備コストは最低でも200万円、高圧電力の引き込みにも同等のコストが必要とされている。加えて、急速充電器本体と設置工事のコストもかかる。そのため、初期費用の合計はおおむね600万円あたりが目安とされている。引き込みコストがかかるシチュエーションなどでは1000万円オーバーとなることもあり得るだろう。 仮に600万円の初期費用だとして、それで終わりではない。年間で100万円はくだらないであろう電気代は所有者の負担になるし、機器のメンテナンスコストもかかる。 また、規制的な話をすれば、電気を売ることができる売電業者は非常に限られている。そのため、個人レベルでの急速充電ビジネスは施設利用料として徴収するカタチになるという点も見逃せないポイントだ。

TAG: #インフラ #ビジネス #急速充電器

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