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メルセデス・ベンツが全固体電池の実力を見せつけて1充電で1200kmを軽々走行! それでも全固体電池は絶対的な必要技術ではなかった


TEXT:御堀直嗣 PHOTO:メルセデス・ベンツ/TET編集部
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全固体電池は必ずしも必要な技術ではない

9月の挑戦は、メルセデス・ベンツの本社があるドイツのシュツットガルトから、デンマークを経て、スウェーデンのマルメまでの経路であった。通った道は、A7号線と、E20号線である。

欧州の代表的な地形や交通量、気候を体験することで、10年の内には量産へもち込みたいと考えているようだ。

全個体電池を搭載したメルセデス・ベンツEQS

EQSを用いた実証試験走行は、全固体電池が長距離移動を望む上級車種の顧客に向けた取り組みになる可能性を示したともいえるのではないか。固体の電解質を空気圧で密着させる案は、技術としての可能性として一つの回答となるかもしれない。しかし、それを、バッテリーセル一つひとつで実現するには、追加技術に対する原価という点で、必ずしも大衆車に適しているかどうかはわからない。

それでも、ドイツには速度無制限区間をもつアウトバーンがあり、欧州全域で移動速度は日米より高い日常がある地域で、広がりをもつ可能性はある。

全個体電池を搭載したメルセデス・ベンツEQS

また、大衆車などでも長距離移動することは、毎日ではなくても暮らしのなかに入り込んでいるのではないか。象徴的なのは、フランスのバカンスだ。1カ月以上の休暇を取り、各地へ旅をする。

しかし、大衆車の第一の目的は適切な合理性であり、バカンスのために高額のバッテリーや車種を選ぶわけではない。逆に、欧州でも軽EVに近い車種を認める安全基準の検討などが行われる話が出てきているほどだ。

日本では、軽EVのサクラ/eKクロスEVで満たされている消費者があるし、やや距離を伸ばしたN-ONE e:が選択肢に加わった。一充電走行距離の重要性はあっても、軽EVが注目されるのは価格の安さだ。補助金を活用すれば、軽のターボエンジン車と同等の値段で手に入れられる。ゆくゆくは、補助金がなくてもそう高額でないEVになっていくのではないか。

日産サクラ

またサクラやeKクロスEVでも、経路充電で急速充電をすれば、短時間で満充電近くにすることはでき、ことにバカンスのような休暇中の移動であれば、充電時間が適度な休憩時間にもなるだろう。

全固体電池の実用化は望まれるが、それは高額なEV向けといえるのではないか。

そして大きく望まれるのは、普遍的な基礎充電の実現と、目的地充電の普及である。それがあれば、特別なクルマの利用以外、法外なバッテリー性能は必ずしも必要なく、全固体電池は一部の要望への回答と考えるのが正しいのではないだろうか。

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