EVを理解するための必須ワード
EV(電気自動車)の普及が進む現在、従来の自動車ユーザーであってもEVを選択する機会は増えている。バッテリーを動力源とするEVは、ICE(内燃機関)車とは根本的に異なる仕組みをもつため、専用の用語が多く登場する。これらの用語を理解しないと、車両の性能を正しく評価できず、日常的な運用や緊急時の活用で不利益を被る可能性がある。EV初心者が最低限押さえておくべき用語を解説しよう。
<バッテリーの「容量」と「状態」を知る>
EVにおいて中心となるのは高容量のバッテリーパックである。その蓄電能力を表す単位が《kWh(キロワットアワー)》だ。これはバッテリーの「タンク容量」を表す単位で、数字が大きいほど一度に充電できるエネルギーが多く、遠くまで走ることができる。この数値は航続距離の目安となり、60kWh級のEVでは実用航続距離は300〜500km程度となる。
次に知っておきたいのが《SOC(State of Charge)》。バッテリーの「いまの残量」をパーセントで示す値だ。スマホのバッテリー残量と同じ感覚で捉えればいい。ただし、ひとつ覚えておきたいのは、急速充電の際、SOC80%付近から充電速度が大きく低下する車種が多いという点で、長距離ドライブでの充電タイミングに直結する。そして《SOH(State of Health)》は、バッテリーの「劣化度合い」を示す指標だ。新品時を100%基準として、充放電の繰り返しや経年変化による劣化度合いを数値化したものである。新車のうちはあまり意識しないが、中古EVを購入する際は必ず確認したい数値でもある。
<走りの効率を左右する3つの概念>
ICE車に「燃費」があるように、EVには《電費》という指標がある。電費は電気の消費効率を表す指標であり、一般的には1kWhあたり何km走行できるかというkm/kWhで表現される。数値が高いほど少ない電力で長距離を移動できることを意味する。逆の表記で、一部のEVで表示されるWh/kmという単位は、1km走行に要する電力量を示し、小さい値が効率のよさを表す。
同じバッテリー容量でも電費がよければ航続距離は伸びるが、カタログ値はあくまで理想値であり、外気温や速度、負荷によって変動し、運転技術の影響も強く受ける。とくに冷暖房を頻繁に利用する真夏や真冬は落ち込みが大きいため、旅行では余裕をもった計画が大切だ。
冬の航続距離に大きく影響するのが《ヒートポンプ》の有無だ。ヒートポンプ搭載車は暖房効率が高く、寒冷地での使い勝手がかなり変わってくる。この機能の有無が中古EV選びには重要なポイントとなる。
また、電費に大きく影響を与えるのが《回生ブレーキ》である。これは、減速時にモーターを発電機として利用し、運動エネルギーを電力として回収する仕組みである。この過程で従来のブレーキでは失われていたエネルギーを回収するため、とくに頻繁に減速する場面で航続距離の延伸効果を発揮する。多くのEVでは回生の強さを運転モードで調整でき、状況に応じた使いわけが可能である。慣れると積極的に活用したくなる機能だ。

























































