夢のような乗り物が実現間近!
ついに、”日常の移動は充電不要”という夢のようなEVが誕生しました。超高効率ソーラーEV「アプテラ」は、車体に備えたソーラーパネルにより、日照条件がよければ1日最大約64km分の航続距離を太陽光だけで発電。通勤や買い物などの普段使いであれば、理論上プラグをつないで充電する必要がないのです。こういうEVを待ち望んでいた方は少なくないかと思いますが、果たして日本の地でも通用するのか、探ってみましょう。

アメリカの新興企業アプテラ・モーターズ(Aptera Motors)は、世界中から5万件以上の予約を集めており、2026年5月には量産化に向けた最初の検証車両5台がラインオフしたことを発表。となると「どうせ市販化されないベンチャーの夢物語だろう」という憶測は的外れ。なにしろ、予約数から計算すると約17億ドル(約2500億円)の売り上げ規模となり、投資も順調、エンジニアの数も倍増しているとのこと。北米の識者は口をそろえて「実現性は極めて高い」とコメントしています。

とはいえ、アプテラはSF映画のスタジオから迷い込んできたかのような、奇妙でアヴァンギャルドなルックス。ウケ狙いといわれても仕方のないデザインかと。しかし、この姿は「極限の効率」という冷徹なロジックから導き出されたもの。ボトルノーズドルフィン(バンドウイルカ)の滑らかな身体をモチーフにしたという3輪ボディは、一般的なEVと比べて空気抵抗を約70%も削減。空気の壁を切り裂くのではなく、文字どおり「受け流す」ためのデザインとされています。

そして、車体上面に敷き詰められたソーラーパネルの発電効率が非常に高く、普段使いであれば、自宅のコンセントや公共の急速充電器にプラグを差し込む煩わしさから解放される計算とのこと。さらに驚くべきはフル充電時の航続距離で、最上位の仕様では最大1610km(1000マイル)の走行を目指しているというポイント。これは一般的なEVの約4倍にあたりますが、それを実現するために重たい大容量バッテリーを積むのではなく、徹底的な軽量化(目標値:1トン)と、1kWhあたり約16kmという驚異的な電費効率を狙っているのだとか。

ただし、アプテラが日本国内でも大歓迎されるかどうかは微妙なところ。なぜなら、空気抵抗を削ぎ落とすために張り出した前輪の全幅は、フルサイズトラック並みの約2.2メートル。狭い路地やコインパーキングでの取りまわしには、いささか不利といわざるを得ません。しかも、でかい図体のわりに定員2名というのもファミリーユーザーにとっては嬉しくないニュース。せっかく、600万円弱(予定価格:4万ドル~)という戦略的な価格を掲げようと、二の足を踏む方も出てきてしまうのではないでしょうか。

なお、3輪車両というパッケージについてはさほど心配しなくても大丈夫。国内の法規では3輪であっても「跨り式(バイクのようなシート)ではなく、またがらない座席(シートベルト付きのバケットシートなど)」「丸いハンドルによる操作」「ドアやキャビンで囲まれた構造」を備えている場合、2輪ではなく「4輪の普通自動車」の扱い。普通AT免許でも問題なく走り出すことができるのです。

ともあれ、災害が多く、ひとたびグリッド(送電網)が寸断されれば移動の足を失う日本において、太陽の光さえあれば自立して走り続けられるアプテラ。この自給自足型な存在は、単なるエコカーを超えたライフラインやセーフティネットになり得る可能性すら秘めているのかと。青空の下にアプテラを連れ出し、太陽の恵みをドライビングプレジャーへと変換する。そんな、自然と共生するクリーンな未来のモビリティライフ、アプテラが見せてくれる夢はなかなか素敵なものではないでしょうか。






























































