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BEVの普及がいまひとつな日本を狙った巧妙な戦略! 日本のBEV市場でテスラが日産を脅かせるワケ


TEXT:琴條孝詩 PHOTO:TET編集部
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テスラは多方面で見てもコスパがいい

<日本のユーザーがテスラを選ぶ理由>

では、ユーザーはなぜテスラを選んでいるのか。

ひとつは、テスラが「EV専業ブランド」として早い段階から日本でも「スーパーチャージャー」と呼ばれる急速充電器のネットワークを整備し、長距離ドライブの不安を軽減してきたことが挙げられる。日本の公共急速充電器「CHAdeMO」は老朽化や出力不足が課題とされるなかで、スーパーチャージャー網は、9月末で約140拠点、最大250kWの高出力が標準で、CHAdeMO依存の国産EVを圧倒する。2025年の5年間充電無料キャンペーンも効果を発揮した。選択肢が少なく航続距離も短いという日本勢の競争力不足と都市部需要の高まりが追い風となり、車両性能以上に所有体験の安心感につながっているのだ。

テスラ スーパーチャージャーのイメージ

また、ソフトウェアアップデートで機能が進化していく体験は、日本のデジタルガジェット好きな層にとって大きな魅力である。オートパイロットやスマートフォンアプリと連動した遠隔操作など「EV=スマホ的なクルマ」としての先進性をわかりやすく見せたことも、クルマ好きの心をつかむ要因となっている。

さらに、日本では依然として「静かで速く、燃料代も安いプレミアムカー」としてのステータス性も根強い。世界でのブランドイメージが政治的な要素などで揺らいでいるのとは対照的に、日本ではそもそもEV比率が低く、テスラに対するネガティブな話題が浸透しているわけでもないため、「先進的でコスパのいいプレミアムEV」というポジティブなイメージが強く残っているといえる。

テスラ・モデルYのインパネ

他方、日産は長年リーフで先行したがゆえに、バッテリー劣化への不安や中古市場での値落ちといったイメージが先に立ち、新型アリアも価格や納期の問題から販売が伸び悩んでいると報じられている。軽EVのサクラは、依然として2024年の国内EV販売トップで、2025年も月販800台規模を維持しているものの、テスラの急伸で日産全体としてのEVシェアは相対的に薄まりつつある状況だ。

結果として、世界では競争激化とブランドイメージの揺らぎで苦戦するテスラが、日本では「EV後進国」であることを逆手に取り、価格調整・充電インフラ・ソフトウェア体験・ブランド性という4つの武器で日産に肉薄しているのである。今後テスラは低価格EV投入を計画し、日産新型リーフとの対決が焦点となる。日本のEVシェアは依然として低いが、テスラの攻勢で加速する可能性が高い。

日産リーフ(3代目)

輸入EVとしては、中国BYDも新型軽EVの販売など攻勢をかけている。2025年は日本のEV市場にとって、国産・輸入かかわらず、本格的な競争の時代に入る転換の年となるのかもしれない。

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