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グローバルではテスラの安定感が光る
<欧州ではテスラ「モデルY」が首位を維持か!?>
2024年、欧州でもっとも販売されたBEVはテスラ「モデルY」で、2024年の販売台数は約21万台となった。続いてテスラ「モデル3」は約11万台販売し、前年比は12.3%増加し、欧州年間第2位という結果を収めている。
2025年6月期の最新データでも1位、2位は「モデルY」、「モデル3」となっているが、3位にはチェコのメーカー、シュコダのEV「エルロック(Elroq)」が入っている。エルロックはコンパクトSUVで価格は補助金なしで3万3000ユーロからで、航続可能距離は375〜581kmだ。そのあとにルノー5、BYDシール、VW ID.4などが続いている。
しかし、2024年の欧州のBEV販売台数はマイナス5.9%と失速している状況もある。これはドイツで2023年末の購入者向け補助金の停止によって2024年のBEV販売に急ブレーキがかかったことが大きく影響している。ただし、ドイツのBEV市場は2025年に力強い回復を見せ、5月までの累計でBEVの登録シェアは17.6%まで回復している。
<北米もテスラ モデルYが圧倒的人気>
北米市場においても、テスラの独走状態は続いている。2024年米国BEV販売は130万台超えで、販売トップは「モデルY」、2位「モデル3」という結果となった。テスラのBEV販売シェアは47.7%を占め、BEVの圧倒的リーダーとしての地位を維持している。
2025年上半期でもテスラは強く、1位、2位が「モデルY」「モデル3」で、3位以下にシボレー「エクイノックスEV」、フォード「マスタングマッハE」、ヒョンデ「IONIQ 5」が続く。そのなかで伸び率を見ると、唯一テスラのみ下降して8.6%減となっている。
このように、各地域でBEVの普及状況や人気車種は大きく異なっている。日本では軽自動車のサクラが圧倒的な支持を得ている一方、中国ではBYDを中心とした低価格戦略が功を奏し、欧州・北米ではテスラが強固な地位を築いている。
各地域の交通環境、充電インフラ整備状況、消費者ニーズの違いがBEV選択に大きく影響していることがわかる。今後もこれらの地域特性を踏まえたBEV開発と市場戦略が重要になってくるだろう。