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いまサクラもeKクロスEVも売れている! かつて三菱が挑戦したi-MiEVはもっと評価されてもいいクルマだった


TEXT:青山尚暉 PHOTO:三菱自動車/TET 編集部
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2017年時点での国内販売台数は153台

初期型が官公庁で採用され、郵便車などに使われていたのを覚えている人もいるはずだが、個人向けとしては決してヒット作とはいえなかったのも事実。実際、2017年時点で国内販売台数は153台でしかなく、2021年3月に約12年の時を経て、生産終了となっている。ただし、2023年には軽商用車のEV、ミニキャブEVを登場させ、現在も販売が継続されている(日本郵政の赤いミニキャブEVを見たことある人もいるはずだ)。

日本郵政の三菱ミニキャブ

では、2010年に発売された個人向けのアイミーブはどうしてブレイクしなかったのだろうか。その理由をいくつか挙げてみると、以下のようになるだろう。

1. 軽自動車として高価な価格(これは当時のEVとして致し方ないところだが)
2. 当時の充電インフラ不足
3. 航続距離の短さ
4. 2008年のリーマンショックによる景気低迷
5. 2011年の東日本大震災による消費の冷え込み、電力不足
6. 2019年に登場した24kWhバッテリー搭載、航続距離200km(JC08モード)の日産リーフの存在……
といったところだろうか。もっとも、現在では三菱eKクロスEVがあり、こちらは感動に値する乗り心地のよさと最高速度130km/h、航続距離180km(WLTCモード。実質130~140km)、軽自動車にして、いや、コンパクトカーを超えた大トルクによる加速性能を備えた軽EVとして、一定の人気を得ているのである(日産サクラの兄弟車)。

三菱アイミーブの走り

やはり、一般ユーザーには短すぎた航続距離、充電インフラを含め早すぎた登場(そもそも日産リーフ以前だ)と世界情勢、震災といった複数のネガティブファクターが重なったことが、12年間の販売で累計販売台数約2万3000台にとどまった理由のようだ。2022年にeKクロスEVが発売されたタイミングに、eKクロスEVと同スペックの最新型アイミーブが存在していれば、話は変わったかもしれない……。

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