それぞれのメーカーに「勝ち筋」がある
ただし、非自動車メーカーといっても、クルマや交通と縁のないような事業者はほとんどいない。自動車産業界でいうティア1(大手部品メーカー)や電子関連などのシステム開発を請け負ったり、または半導体メーカーなどだ。衣料業界や飲食業界でも事例があるように、下請けから脱却して自身でメーカーになろうという発想もあるだろう。
仮にそうだったとしても、非自動車メーカーとしては、従来の自動車メーカーと対抗した場合の「勝ち筋」があるはずだ。その「勝ち筋」こそ、ユーザーサイドから見れば、これまでのクルマにはなかった新しいサービスだったり、またはメリットだったりする。
現時点で、そうした非自動車メーカーが新サービスを始めていないため、具体的なサービス内容は提示できないが、その多くはデータ活用に関わる領域だと推測される。
データの活用方法として、各種の店舗を活用するリアルワールドもあるだろうし、またバーチャル領域での展開での事業拡張にも期待がかかる。
そうとはいえ、「クルマ(またはモビリティ)✕社会」という世界観において、自動車メーカーにしろ、非自動車メーカーにしろ、事業性が確保できるビジネスの数には限りがあるはずだ。
ユーザーにとって、オーバークオリティになるようなビジネスはけっして長続きしないだろう。非自動車メーカーにとって、EV量産から本格的な普及を目指すなかで厳しい戦いが待っていそうだ。
そうして吟味されたサービスは、きっとユーザーにとって日常生活のなかで大きなメリットをもつに違いない。
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