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じつは凄い「のっぺり顔」! EVの「グリルレス」「フラットボトム」が生む多大なるメリットとは


TEXT:琴條孝詩 PHOTO:TET 編集部
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車高を抑えたデザインも可能に

<重量配分の最適化がもたらす新たな可能性>

EVならではの特徴として、重量物であるバッテリーの配置自由度の高さも挙げられる。ICE車では、エンジンとトランスミッションの位置が車両設計の制約となっていたが、EVではバッテリーを床下に分散配置することで、理想的な重量配分を実現できる。

この特性は、車両の空力設計にも大きな影響を与えている。重心を低く抑えることで、車高を抑えたデザインが可能となり、結果として車両の前面投影面積が減少し、空力性能が向上する。また、重量配分の最適化により、リヤスポイラーなどの空力デバイスの効果も高められている。

メルセデス・ベンツEQS

この構造的な違いを活かし、最新のEVは驚異的な空気抵抗係数(Cd値)を達成している。一部の先進的なEVでは“0.2”台という極めて低いCd値を実現している。たとえばテスラ・モデルSは、グリルレスのデザインをいち早く採用し、その滑らかなフロントノーズは、現状モデルでCd値0.208という驚異的な空気抵抗係数を達成するのに大きく貢献している。

メルセデス・ベンツEQSは0.20、ポルシェ・タイカンも0.22という数値を実現。これは、従来の最高峰とされていたICE車であるメルセデス・ベンツSクラスの0.22を上まわる成果である。

このように、EVは構造的な特徴を活かした空力性能の向上が可能であり、それが航続距離の延長に大きく貢献している。今後も新たな技術開発により、さらなる空力性能の向上が期待される。

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